あらすじ
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Twitterフォロワー7万人超!
発達が気になる子どもたちと学校生活を送る超話題の現役教員・平熱先生の〝共感〟続出ツイートが待望の書籍化。
大人たちの「子育てのモヤモヤ」に〝なんとなく〟寄り添ってくれる101本の言葉を、思わずクスッと笑ってしまうポップでキュートなイラスト&書き下ろし解説とともに収録しました。
誰でも、どこからでも、気軽に楽しく読める一冊。
発達が気になる子どもたちと学校生活を送る平熱先生が、大人たちに伝えたいメッセージが詰まっています。
〈収録されている名ツイート!〉
★自己肯定感は伸ばさなくてもつぶされなければ伸びるのよ。このむつかしい話わかる?
★指導の一手目は「怒鳴らない」なんだよ? このむつかしい話わかる?
★「言ったかどうか」じゃなくて「伝わったかどうか」なんだよ。このむつかしい話わかる?
★特別支援学校では「負ける練習」をする。ポイントは、運や偶然性により決着が「すぐ」につくゲームを「何度も」行うこと。負けた感情をコントロールする練習は大切。大人もね。
★特別支援学校でいう「見通し」はスケジュールや手順書で「つぎの活動を知らせること」だと思いがちだけど、これだけじゃないよ。例えば「味噌汁の具がわからなくて不安」なんて子に中身を説明したり、汁と具を分けたりするのも「見通し」だよ。先行きが分からない不安を少しでもやわらげよう。
★だれかに「怒ること」や「叱ること」がいけないんじゅなくて、その人を「恐怖でコントロールすること」がいけないんだよ。このむつかしい話わかる?
★運動会のリレー中、バッタを追いかけコースアウトしていく特別支援学校って最高じゃない?
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
印象に残ったページ
P.18
支援学級で友達関係に悩み、支援学校へ転入した男子。始業してすぐ、同級生で発語のない自閉症男子にくっつくように。「なんでその子が好きになったの?」と聞くと「絶対ぼくをバカにしたり悪口を言ったりしないし、いつも笑顔だから」
否定も肯定もせず「そこにいる」ことで救われる人がいる。
P.34
たとえば特別支援学校に通う子どもに「①静かに②すわって③友達をみる」という目標があったとする。その子はどの項目にも課題がある。①、②、③を同時に満たそうとする指導はよくない。②を狙うなら「①うるさいけど②すわって③友達はみていない」は一旦セーフにしよう。まず、できた②を祝おうよ。
P.36
メンタルがヘラったときは「掃除」に限る。
ラジオや音楽をかけながら。
「じっとする」「考える」じゃなく「体を動かす」「考えない」ことでメンタルを立て直す。
掃除は適度な疲労感と「目に見える成果」が一瞬で形成される最適解。あと終わりがない。
おはようございます。へたれた心は掃除で磨け。
P.41
いいサービスが提供しようと思ったら、いいサービスが提供できる健康状態でなければいけない。
P.101
障害の特性とされるあの子の「こだわり」なんて、形や大きさを変えてわたしにだってたくさんある。
P84
「不機嫌で人をコントロールしない」のは大人の大事な条件だ。
P.149
生きていれば「傷」を負う。その傷に、どうにかこうにか絆創膏を貼り付けて、涙を拭って歩いている。そんな自分とおなじ「傷」をもつ人に、絆創膏を貼れるのは自分しかいない。だれかの「傷」を癒やすことができたときに、自分の「傷」が意味をもつ。「傷」を「傷」のままに終わらせず、
だれかを笑顔にできたとき、過去の涙に意味が出る。過去の痛みに価値がつく。過去を救ってあげられる。人の役に立つことは、自分を救うことなんだ。
P.152
人の「敵意」はほんとにしんどい。
自分に向けられる「傷つけてやる」って感情と正対するのは疲れるよ。「敵意」を感じたら、戦わずヘルプを出したり逃げたりしよう。
同じく相手を傷つけてやると応戦するより、すてきな漫画を読んでいたい。
日常的に「敵意」を向けられターゲットにされている気配を感じたら、もうあらがわなくていいんじゃないかな、戦わなくていいんじゃないかな。だって「敵意」を向けてくるような人の風向きを変えようと思ったら、できる作戦なんてごまをすって懐に入るくらいでしょ。そこまでする価値がその人にあるとは思えない。まわりの大人に「あの人の敵意がしんどい」と伝えることで、なるべく回避していこう。知り合いなら、大丈夫だから離れよう。仕事なら、しっかり上司に報告しよう。「敵意」に向き合い同じ土俵に上がるほど、あなたの人生は長くない。
Posted by ブクログ
内容は期待していたものにほぼ近い。
特別支援学校ということで、基本的に言うことを聞かなかったり話が通じなかったりする子供に生き方を教えていく、でも先生も一人の人間なので熱血ではなくほどほどに。
そういった毎日で気をつけていることや気づいたことを紹介し、でも「こうするべき!」ではなく、「私はこうしましたよ」という、柔らかめな考え方をお知らせする感じ。
そしてなにより、帯の裏にも「特別支援教育は全人類に有効です」と書かれている通り、ここで紹介されている考え方、別に子供への対策じゃなう、普通に新卒への接し方、厄介な人への対応方法など全然応用できる。むしろ特別支援学校について書いたという皮をかぶったビジネス本なのではないか。
A>B>CとできないときはCを隠してA>Bまでやらせるとか、一回で覚えられない子にはそれを書いたメモを渡すとか、できない子を注意するんじゃなく、できる子を褒めるとか。
こういうことを考えるたび、障害のあるない関係なく、どいつもおんなじやな、自分も含め、という思いが強まっていくのだった。
ただ、タイトルにあるような、特別支援学校でのトラブルを笑いに昇華するようなホンワカとした経験エッセイかと思いきや、最近良くある、片ページに元ツイート、反対側にちょっとした説明という、だいぶ文字数の少ない省エネな本だった。
本を買うときは、文字数に金を払っているわけではないとはいえ、こういう本に当たると、ちょっとモヤッとする。