あらすじ
大学入学直前のピップに、ストーカーの仕業と思われる不審な出来事がいくつも起きていた。無言電話や匿名のメールが届き、首を切られたハトが家の敷地で見つかったり、私道にチョークで頭のない棒人間を描かれたり。調べた結果、6年前の連続殺人との類似点に気づく。犯人は逮捕され服役中だが、ピップのストーカーの行為は、この連続殺人の被害者に起きたこととよく似ていた。ピップは自分を守るため調査に乗りだす。――この真実を、誰が予想できただろう? 『自由研究には向かない殺人』から始まった、ミステリ史上最も衝撃的な三部作完結!/解説=吉野仁
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Posted by ブクログ
なかなかショッキング。始終ドキドキしっぱなしでボリュームはあるけど後半は一気読み。これが良かったのかは分からないし、元通りにはならないけれど最後ちょっとだけホッとしてしまった。警察や司法をもっと信用できたら、、もっと機能してたらこんなことにはならなかったのにと思ってしまう。これを一生背負って生きていくのは罪を犯した人間なら当然ではあるけれど、ピップがラヴィや家族や友達とまた笑って過ごすことができたらいいな。
3部作完結!面白かったー。あの頃のピップが好き!
Posted by ブクログ
誰かにとっての正義が、誰かにとっての悪になるかもしれない。それを定義付けるのは社会的には刑事司法制度なのかもしれない。でもそれだって人が定めたものだから常に誰にとっても平等でいることは不可能。そんな中でピップはピップの正義を貫いただけなのかもしれない。
私が「人を殺すのはだめ」と思っているのは自分や周りが誰かに人生を狂わされたことがないからなだけで、自分や大切な誰かの人生が1人の人間に狂わされたら、ピップと同じような考えになるのかもしれない。物語の主人公が常に社会に対して公平であるとは限らないし、実際悪事を働いた人物は最終的には悪だと見なされて、無実の人間は釈放された。これからピップの周りは平穏に、ピップの心の中にだけ闇を残したまま過ぎていくのだろうなと思う。でもその闇は、正義だろうと人を殺したことへの罪なのかもしれない。
あと個人的に作者の謝辞に大共感した。日本でも性犯罪は殺人とか強盗とかと違って証拠残すのが難しいから立件されてないだけで数自体は多いのだろうな。謝辞も読んで物語が完結したような気がした。
Posted by ブクログ
いやー面白かったなー! 今年一番の興奮本だ! ある書評でピッパの倫理観や作者の刑事司法制度への怒りに疑義を呈していたものがあったが、じゃああなたが主人公の立場にたたされたら倫理的な行動が取れるのですか? とお聞きしたい。警察は何もしないんですよ? それがわかってても? また犠牲者が出るかもしれないのに、何もしないと? それは倫理的に頷けるのですか?
作者には感謝します。色々と考えさせられました。
Posted by ブクログ
読むのが辛すぎて、読み切るのに1ヶ月もかかってしまった。
まさかのピップが殺人犯になり、しかもその罪をマックスになすり付けるとは、、、衝撃すぎる。
読みながら、(ピップもうやめて!まだ戻れる!)と思い続けたが、ピップはやり遂げてしまった。
ピップには本当に本当の普通の幸せを取り戻してほしかったな。
本作も面白かったが心臓に悪い展開でした。
Posted by ブクログ
2作目までで、ピップに感情移入し過ぎて読むの辛かった
良かった点
・これまで事実と思われたことの真実
(アンディの日記HH、ジェイソンから逃げる本当の理由、サルへの気持ち)
・ピップが警察への不信感を募らせていく描写の丁寧さ
嫌な点
・チャーリー・グリーンあっさり過ぎる
・ピップの件だけ鋭いホーキンス
・ピップが人を殺してしまった
『カーテン』『名探偵の掟』とか既にあるから、名探偵の主人公が犯人になるのはまあ、、、って感じやけど、別の奴に罪をなすりつけるのは、、、。いくらマックスとはいえ結構ショックやった。ただ作者の源流に司法制度への警鐘、怒り、失望があったようなので、ピップにその代弁をさせたのかなと思う。
個人的にアンディの本当の気持ちを知れたのが良かった。あと、ピップが今まで助けてきた人達が皆ピップを助けてくれるのが救いやった。
ただ、ホーキンスが無能過ぎて、コイツのせいで近年のリトル・キルトンの全ての事件が発生してるんじゃないかと思うレベル。連続殺人犯と仲良くゴルフしている場合じゃないんだが?
とにかく3部作本当に楽しく読めた!ただただピップとラヴィのこれからの幸せを祈る!
Posted by ブクログ
三部作完結!
衝撃の完結!!
衝撃だったぁ ぁ ぁ!!!
────そして、ずっと苦しく悲しかった。
前作を読んでから、時間が経っていたので「なんだったっけ?」と思いながら読み進めていましたが、あっという間に話にのめり込みました。
ピップ自身を取り戻すには、正義が行われるには、これで良かったのだろか。
仲間を感じながら、ラヴィと共にであったとしても、ピップが潰れてしまわないかと辛かった。
『自由研究には ───』での感想でも書きましたが、小さな町の大きな悪に対して、悲しい真実に対して、ピップはどこまでも正しくあろうとした。
そんなピップが戻ってきて欲しい。笑顔になって欲しい。
Posted by ブクログ
この自由研究シリーズの中で1番読むのが大変だった。
冒頭からピップの精神状態が不安定で、読んでいて辛い。
まさかのピップが犯罪を犯してしまう側になるとは。
シリーズはこれで終わってしまったが、次回新作も読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
自由研究と優等生を読んできて本作も楽しみにしていました。
このシリーズの好きなところはピップの行動力と賢い頭脳を生かしたユニークでありながら合理的な推理方法です。
今回はそのピップの賢さが今までとは逆の立場から発揮されます。ピップの計画の爽快さを楽しみながらも、それが正義とは思えないことに対してブレーキがかかってしまうようなもどかしい読書感でした。
今回は様々な感情がせめぎ合っていて、前回までの爽快さはありません。
前半はピップの重たい心理描写が続きページがなかなか進みませんでした。
これは、完璧なビターエンドです。読者によって感想が分かれるラストだと思います。私はまだ消化しきれていません。答えを見つけるのが難しいです。ピップの行動は正義ではないけど悪とも言えない。まさか、このシリーズのラストでこんなにモヤモヤさせられるとは思いませんでした。
作者さん毎回あとがきで関わった人たちに1人ずつありがとうって言っているのがかわいい。
Posted by ブクログ
三部作完結
物語の展開としてはハラハラして良いと思うのですが、んー、しかしこのラストはどうなんでしょうか?
2部のピップと仲間たちの行動に「アカンよ、ピップ、みんな…」っておじさんは思ってしまいましたよ。
アリバイ工作中の冗談言い合う感じとかもね、極度の緊張を紛らすためとか、お互いを思ってのことなんだと思うけど、うーんってなりました。
マックスの裁判が終わったら、ピップは本当に救われるのかな?ラヴィの選択は正しかったのかな?
いろいろ考えてしまいました。