【感想・ネタバレ】卒業生には向かない真実のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ピップの三部作の完結編。ページめくる手が止まらないです。衝撃的なストーリーで、読後感はとても重いです。一作目から大変面白くて楽しませてもらった。賛否ありそうですが個人的には著者の信念にも共感しました。で、一作目の前日譚が出たからこれも読みたくなりました。

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・あらすじ

ピップは以前関わった事件により砕けてしまった心を何とか立て直そうともがいていた…
そしてストーカーからの無言電話や強迫行為がエスカレートしてく中で、その行為が過去の連続殺人事件と類似している事に気づいてしまう。
しかし犯人は既に捕まっていて…

自分自身を救うためにその事件の調査に乗り出すピップ。
善と悪、黒と白の合間で苦しむピップとその先にある彼女の決断。
全てが始まりに戻っていく三部作の終わり。

・感想
前作の終盤が辛すぎてこの完結編を読むのが、ピップがどうなるのか知るのが怖かったけど個人的には「有り」だなって感想。
(それはチームの行動を肯定するものではなく)
爽やかで「正義と善と真実」に拘ってた普通の女の子が頼りにならない周囲の大人、信用ならない人間に傷つけられボロボロになって死んでしまいそうな自分を心身ともに「自分で」救うためにはああするしかなかったんだろう。
あとがきを読む限りでは作者自身の不信や憤りをぶつけられた結果だろうし。

物語の展開的には良くここまで3部作をつなげてまとめられたなって感心した。
あの展開に持っていくまでに周囲の人間、頼るべき親や職業の人間が割と無能にさせられてたのは気になったけど。
爽やかなYA小説の完結がまさかこんなだなんて思いもしなかったけど、でもクローズドな環境であんなに凄惨な事件が知らないところで起こってたらそりゃ人間不信にもなる。

今まで生きていた世界が全て嘘っぱちと知り、壊れてしまったピップが進み続けるために下した決断を見届けられてよかった。

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2024年03月02日

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ネタバレ

三部作を通じての総合評価として。
2冊までの様々な終着点としてのこの結末に一定の満足はしつつも、やはり納得できない部分が。
ストーカーは本当にD Tだったのか、なぜここへ来てピッパをターゲットにしたのか、脅迫の方法は具体的にどう取ったのか、何より結末として、ピッパにとってはこれでいいのかどうか…。
三部作の展開として、また書く場面場面(特に誘拐されてからやアリバイ工作の場面など)の行き詰まるような描写等、作品としては充分満足のいくものでしたが、何か手放しで満足できない部分がありました。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

三部作の完結編。


いや、これは、びっくりした。
主人公が途中で死んでしまう展開と同じくらい、びっくりした。
いや、ファンタジーだと霊体になるとか後で蘇るとかがあるけれど…現代的な青春ミステリで…

ビッパ、やっちゃったのね………完全犯罪を。

ピッパは、やり遂げた。
シリーズ1、2で関わったことで強い絆を得た、何があろうと彼女の味方になってくれる人たちを…結果としては、公式にも法的にも巻き込まなかったけれど、その人たちは皆、真実をほぼ確信している。
中でもラヴィは…はっきりと真実を知っていて、ピップのために自ら進んで完全犯罪の成立に手を貸している。

なんだかハッピーエンド風な、ラヴィからピップへの変わらない想いが示されたラストだけれど、本当は、もう誰も、完全なハッピーではない。
かといって、『正義』は割とあっさり踏みにじられると知ってしまった後では、ほの昏いハッピーでも、ハッピーのうちに入れるしかない。

シリーズ1作目で、「被害者の美少女」から、「二面性を持つ謎めいた美少女」と化けの皮を剥がされていったはずのアンディが、「殺人者の父親から妹と共に逃れようと必死だった少女」として、あらためて違う顔を見せたことで、ライトでポップな前作までの色合いが変わる。
生き延びるための金を貯めるためには、クスリだろうが何だろうが、違法行為だなんて気にしていられない。レイプされたことくらい、命を奪われることに比べたら、何だっていうの?
その切羽詰まった思いを、一番わかってしまうであろう、重犯罪を犯したピップとベッカ。
ベッカは裁かれた。
けれどピップは、裁かれず…ずっと、罪を抱えて生きていく。
利発で正義感の強い、勇敢で愛情深い『グッドガール』ピップはこの先…
ああ、やっぱりなんだか、この先が怖い。

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2024年04月27日

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ネタバレ

驚き。
とにかく驚きました。
第一作目や第二作目には思いもしなかったラスト。
ずっと叫ばれている女性差別問題が痛いほどわかって主人公の苦しみが良くわかる。性交渉に同意があっただのなかっただの、ストーカー被害に何もしてくれない警察、優秀な女性に対する男の僻み逆恨み。
犯人はすぐにわかったけど、そこからまだページ半分もあるけど大丈夫か…?!と思っていたらまさかの第二部。
こうするしかなかったように思います。
今も。戦うにも限界がある。
推しのラヴィが幸せならオッケーです。

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2024年04月14日

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ネタバレ

本当にこんなに感情乱高下させられたの久々。めちゃくちゃにストレス溜まった。この三部作を一部で読み終えるのと三部までいくのとでは全然違う物語だ。その上で、一部で終える選択も、もう全然あり。ありよりのあり。三部まで読んじゃったら読まなかった私にはもうなれないから。

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一度閉ざされたラヴィにとって、ピップはまごうことなき光だったと思う。
ドアの向こうに立っていた少女。賢くて、でもどこか無鉄砲で危なっかしい、閃光みたいな女の子だった。
ラヴィがどうあってもピップを失いたくないと思う気持ちは痛いほど分かる。というより、私たちもピップを失いたくなくて、どこかで引き返せないかと思っていて、戻れないならいっそと思っているから。だからよく分かる。分かるんだけど。
ピップにとって善の基準がラヴィだとして、ピップは全然善の基準にはなりえない。けれどピップはラヴィにとって失いたくない五感のようなものなんだと思う。ラヴィが正しくなくなるのはその器官を手放すまいとするときだけ。

ピップに正しい日常が戻ってほしい。でも、戻ってしまったら、それは正しくないと思う。ピップが背負ってしまった業の深さに眩暈がするばかりだ……。

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2024年03月29日

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ネタバレ

言ったはずですよね、続編で酷い目に合いませんようにって。続編でキャラクターが酷い目に合うのは辛すぎて好きじゃないんです。
それでも面白かった。芯がブレてなかった。

ピップが背負うあまりにも重い罪、衝撃のラストって色々あるけど、こんなにも中盤から衝撃を受けた事はなかった。
でも、自分がピップでも実行したかも知れないと思う、読者にそう思わせてくれる程に3作でピップへの感情移入させてくれました。

そして、ラヴィ、大好きだよ。ラストページはシビレました。

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2024年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本を個人的に貸してくれた司書さんが、「読後感が悪い」と言っていたので、アンハッピーエンドなのかと思って読みました。
が、そういう「読後感の悪さ」か、と、ちょっと唖然としてしまいました。

ミステリなのでネタバレはいけないのはわかっていますが、全く内容に振れずに感想を書く自信はありません。
今後読む予定のかたは、この先を読まないほうが安全でしょう。

シリーズの最初から主人公のピップは、過剰な正義感を持ち、大人の忠告を聞かずに突っ走っていくところがあり、そこが気になってはいました。
そして、一作目の犯人はかなり身近な人であったので、彼女の心に大きな傷をつけることになったのだと思います。

二作目でピップは、「警察も裁判も当てにならない」との思いを抱いてしまいます。
正義は自分の手で行わなければだめだ、と。
ところがそれを唆したチャーリー・グリーンの行った正義が、ピップの心を引き裂き、取り返しのつかないトラウマを彼女に与えます。

というところからの第三作。
最初からピップの情緒は不安定です。
まずその辺りから、違和感。
本人は必至で隠しているにしても、どうして誰も気づかないのか。
親は意外と気づかないけど、恋人や親友は気づくでしょ。
眠れないし食べられないんだもの、化粧で顔色をごまかしたところで、急激に痩せるはずでしょ?
こっそり薬も多用しているし。

そして、悪意のあるストーカー(?)の存在。
警察も親も信じてくれないのなら、そういう時こそ友達に相談して、ガードしてもらったりできたはず。
なぜ一人で対応しようとするの?

ピップは頭がいいし、勇気があるし、行動力もあります。
だから独善的になりやすい。
今回がそう。
ピップの名誉のために書くと、彼女はそれを自分のためではなく、正義のために行ったんだとは思っている。
でも、それはやっちゃいけないことだ。

「理由は言えない。でも、絶対に悪いことをするわけじゃないから協力して」
ピップは次々と友達に協力を求めますが、それはあくまでピップの主観です。
本当の友だちなら、ちゃんと理由を聞いて、それが違うと思うのなら「違う」と言ったり「それはできない」と言ったとしても友達のはず。
友だちを面倒に巻き込むわけにいかないから理由を言えないというのなら、逆に理由を言って協力を求めてもいいか確認するのが筋。

悪く考えると、ピップが友だちと言っている人たちは、それぞれにピップに助けてもらった経験がある。
「ピップが手伝ってと言うのなら、理由の如何にかかわらず協力するよ」
っていうのは友達ではなく子分のように思える。

そして最後の展開。
作者は自信をもってこの最後にしたのですね、と思って驚愕しました。
ハッピーエンドのようになっていますが、ピップとラヴィは今後の人生で自分たちの行ったことの重さに苦しむことはないのでしょうか。
そして理由を告げられなかったとはいえ、ピップに手を貸してしまった友達は、正義が行われうらみを晴らしたことを最初のうちは誇らしく思うかもしれないけれど、ひとりの人生に重大な影響を与えてしまった事実におののくことはないのでしょうか。

作者が登場人物たちと同じ目線でいる、というのは、作者がまだ若いからということで許されるのかどうか私にはわかりませんが、少なくともピップと違って作者は、正義の実行を警察や裁判にゆだねるべきだと思います。
私たちは法治国家に生きているわけで、行き過ぎた正義感(だけなのかはわかりませんが)のもたらす犯罪というのは、日本でももう珍しいことではなくなってきているからこそ、大人としてそこは読者である若者たちに伝えないと。

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2024年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

三部作、堂々の完結編ということで期待して読んだけどまさかああいう展開になるとは…と驚いた。

前半のPTSDに名誉毀損、ストーカー被害に悩まされるピップの描写が辛すぎる。あと前半割と冗長な気がした。

結果的に殺人を犯し隠蔽、冤罪を擦り付けた主人公にはちょっと否定的。今まで散々正義や真実を信条にしてきた主人公が変わってしまったんだなあと痛感させられた。

個人的に主人公の犯人と決めつけた瞬間喧嘩腰で煽りに行くの流石に短絡的過ぎん?て違和感。

犯人に拉致られた所とヘッドホンが出てきた所が1番ハラハラした。

まさか主人公の証拠隠滅でこれまでの研究成果が発揮されるの皮肉すぎる。

結果的に逃げ切ったとはいえ、もう主人公もアリバイに関わった友人達も心に一生しこりを抱えて生きていく訳で本当に良かったのか?

法で裁けない人間がいるから自分達で裁くしかないとか言い出したらそれも間違ってるよなと思った。

正直こういう話の方向になるとは思っていなかったので本当に驚いたし賛否両論あるだろうなと思う。

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2024年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

三部作最終話。
これは賛否が分かれると思う。
PTSDに陥った主人公が徐々にダークサイドに堕ちていく。
第一部のラストは確かに衝撃的であり、第二部は私的には読むのが苦痛でしかなかった。
作者の意図もわかるが、私的には一作目の明るい雰囲気、チャットやポッドキャストを使った斬新な展開が好きだっただけにちょっと残念。

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2024年03月11日

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