あらすじ
「その意見って、客観的な妥当性がありますか?」。この感覚が普通になったのは、社会の動きや人の気持ちを測定できるように数値化していったせいではないか。それによって失われたものを救い出す。
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Posted by ブクログ
「働く意志のない人を税金で救済するのはおかしい」これに対して、「統治者の視点に立っている」と言うのは良い指摘だと思った。客観性に執着しすぎず主観的に判断しても良い。
Posted by ブクログ
『客観性の落とし穴』を読んで、客観的なデータや合理性ばかりを重視する社会が、少数派や弱い立場の人の実情を見落としやすいという指摘には納得できた。効率や数字を優先するあまり、人の個別の事情や感情が軽視されるリスクは現代社会の課題だと思う。
ただ、著者が強調する「一人ひとりの語りに耳を傾ける」ことは理想的ではあるが、現実的には時間や資源の制約もあり、全ての声を平等に拾うのは難しいという印象も受けた。現場の実情を考えると、なかなか実践が難しい部分もある。
だからこそ、客観的なデータや制度の整備と、個々の声を尊重する姿勢とのバランスをどう取るかが重要になる。この本は、「客観性」という言葉の裏にある問題点に気づかせてくれる良書だと感じた