あらすじ
いま世界の名だたるトップ企業の間で、
「行動経済学を学んだ人材」の争奪戦が、
頻繁に繰り広げられている。
1人の人材獲得に何千万円もの資金が動き、
企業には「行動経済学チーム」までできている。
ビジネス界の要請を受けた世界のトップ大学が、
次々と「行動経済学部」を新設し始めている。
MBAのように、多くのビジネスパーソンが
行動経済学を学びに集まっている。
もはや行動経済学は、
「ビジネスパーソンが最も身につけるべき教養」
となっているのだ。
しかし、行動経済学は新しい学問であるが故に、
これまで体系化されてこなかった。
理論を一つ一つ丸暗記するしかなく、
なかなか「本質」がつかめなかった。
そこで本書では、基礎知識をおさえた上で、
「ナッジ理論」「システム1vsシステム2」
「プロスペクト理論」から、
「身体的認知」「アフェクト」「不確実性理論」
「パワー・オブ・ビコーズ」まで、
「主要理論」を初めて体系化するという、
これまでにない手法で、行動経済学を解説する。
※カバー画像が異なる場合があります。
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Posted by ブクログ
面白かった!
何が面白かったかを少し。
大きなところでいうと、今までと違う視点で世界を見られる目があることを知った。
まず、行動経済学と経済学の違いは人間の非合理性を前提に含んでいるかどうかの違い、という説明が分かりやすかった。
非合理だよね私。
仕事をしている中でもこうやって使ってみようかな、と思えることが多くあった。
さらには知ってるだけで誰かに話したくなるような、世界にある仕掛けを読み解けるようになったかのような、マジックの裏側を知ったかのような快感がある。
私は促進焦点、満足化、楽観バイアスな人間でした。
やったぜ。
Posted by ブクログ
まず、めっちゃめちゃ面白い本だった。全体の構成も文章も分かりやすく、行動経済学がどれだけ日常生活を構成しているか、それゆえどれだけ大企業が販売戦略に生かしているか勉強になった。
行動経済学を理解することで、①自分の生活を見直せる②人のマネジメントが上手くなる③ビジネスでの販売戦略に繋げることができる。こんな汎用性高い学問はこの世に無いなと思ったし、読んだ後本当にタイトル通りだなと感じました。もっと深く勉強したい!
Posted by ブクログ
私たちの日常行動の裏に潜む“非合理な心理”を明らかにしながら、人生やビジネスにどう活かすかをやさしく解き明かす一冊です。
難解になりがちな行動経済学を、著者は「人間はなぜそう考え、どう動くのか」という身近なテーマに落とし込み、驚くほどわかりやすく語っています。
本書では、例えば「人は損を避けるためにリスクを取る」「他人の選択に流される」「将来より今の快楽を優先してしまう」といった、私たちが無意識に陥る心理バイアスを紹介。
その上で、「どうすれば自分の行動を賢く設計できるのか」を丁寧に解説しています。
特に印象的なのは、「お金」「仕事」「恋愛」「健康」といった身近なテーマで、理論を具体的に応用している点です。
また、著者は行動経済学を“幸せに生きるための学問”として位置づけています。
つまり、単なる知識ではなく、自分を理解し、より良い選択をするための「人生の武器」として学ぶべきだという視点です。
読後には、「なぜ自分はあのときあの選択をしたのか」が腑に落ち、自分の行動パターンを客観的に見つめ直すきっかけを与えてくれます。
専門書としても教養書としても読みやすく、ビジネスパーソンはもちろん、人生を少し俯瞰して見たいすべての人におすすめの一冊です。
Posted by ブクログ
行動経済学について、何となく聞いたことある理論を具体的な例を用いたりして解説してくれる本でとても参考になった。
生活する上で、他人や自分を理解して行動することに役立つと思う。仕事や人と接する際に活用していきたい。
また、読みたい!
Posted by ブクログ
そんなに数を読んでないけど新書史上一番面白かった。仕事に活きるとか、知識が増えるとか、他の人にはあると思うけど、自分は理解が深まっただけで使いこなせそうにない。でも有意義だった。
Posted by ブクログ
面白かった。行動経済学を学び直したいと思った。
経済学を学びながら腑に落ちなかったことが、行動経済学の中にはある。
経済学と心理学、とっても面白い学問だ
Posted by ブクログ
おもしろかった。
自分が思った以上にホイホイされているというか
判断させられている、購入させられていると感じる場面がよくある
なんとなく気づいてればまだマシで全く気づいてないこともあるからやっかい
A案B案だしてそれぞれに票が集まるようにそれぞれ感じかたも違うけど、こうやってどちらがどういう特徴があるか論理的に考えて説明できるようになりたいなと思う
関連書籍2冊目でとにかく大事な分野だということはわかった
Posted by ブクログ
本書を読む目的:
行動経済学の「無知/未知 」→「 既知」にし、ビジネス/プライベートで使用できるようになりたい。
個人的まとめ:
私たちは「認知のクセ」、「状況」、「感情」によって"非合理な意思決定"をする。
その"非合理の傾向"を知ることで、様々な場面で新たな発見や、課題解決、影響を与えることにつながる。
感想:
自身が自覚していないこと、もしくはうまく言語化できなかったことなどがうまくまとめられており、「そういうことか!」という発見が多かったです。
3つにカテゴリー分けされている部分もわかりやすく、非常に勉強になりました!
個人的には以下を意識していきたいと思いました。
・確証バイアス / 一度正しいと思ったことを正当化する方向に自身を誘導していないか?
・情報・選択肢オーバーロード / 全てを網羅しようとして情報・選択過多に陥っていないか?また、相手(例えば部下)にそれをしてしまっていないか?
・アフェクト / "淡い感情"をほっておいていないか?微妙な感情の動きに敏感になり、「これはどういう感情なのか?」、「なぜその感情になるのか?」を考えることができているか?
Posted by ブクログ
・大学選びが天気に左右される?
・何か人にお願いするとき、「理由」を添えるだけで、受け入れてもらえる可能性がぐんと上がる。しかも、その理由は「何でもいい」だって?
・ポジティブな曲を聴くと株価も上昇?
いずれも非合理的なように聞こえるが、行動経済学でその理由が明らかになる。
まさに”予想通りに、非合理”だ。
Posted by ブクログ
以前にわざわざ、取り寄せて読んだ。その価値が十分にあったと記憶している。現実の経済は数字や知識だけでは計れない。それが濃集された一冊。心理学を深く学びたくなった
Posted by ブクログ
■ 感想:人間の“クセ”を味方にする学問
『行動経済学が最強の学問である』を読んで感じたのは、人間の非合理な行動には一定の“パターン”があり、それを理解し活用することで人生の質が変わる、ということです。私たちは論理ではなく感情やバイアスに動かされる場面が多く、その構造を読み解く手がかりが本書には詰まっています。
■ あらゆる場面に応用可能な「レンズ」
マーケティング、投資、教育、健康、人間関係――すべての分野に応用できるのが行動経済学の強みだと再認識しました。
「選択の見せ方で相手の行動が変わる」「損失を避けたくて動けなくなる」といった事例は、すぐにでも実生活に活かせそうです。
■ 習熟の先にある“戦略思考”
習熟すれば、他者の行動や社会の流れも“読める”ようになるはずです。
「なぜ人はそう動くのか?」を予測しながら意思決定できるようになることは、仕事にも人生にも大きな武器になると感じました。
Posted by ブクログ
人間は意思決定をするときに、必ずしも合理的に考えて行動するのではない。
非合理な意思決定として、「認知のクセ」「状況」「感情」があるとしてる。
この本は、人間の不合理さを理解してそれを活用し、現実世界の問題を解決する面白さや、ビジネスにも応用ができるヒントが学べると感じた。
Posted by ブクログ
「人間は不合理ないきもの」だから一般化するなら経済学で十分ってなりそうなものだけど、経済学と心理学の間の学問がちゃんと作られて体系化までされようとしているのがすごい
分類されて体系化されたあとの学問ばかり学んでいると大学まで行ってようやく全部の分野って繋がってるんだって気づいたけど、本来学問の生まれ方ってこうだもんな、自分なりにも点を線、面にする学び方をしたい
一つ一つの細かい事象は置いておいても、「人は不合理、だけどその不合理にも傾向がある」が前提にあるだけで物事の捉え方が広がるように思った
Posted by ブクログ
合理的な個人を前提とする伝統的経済学には限界がある
人の持つ不合理なバイアス
1.イナーシャ(inertia:慣性)
面倒は億劫 このままでいいや
2.損失回避(Loss aversion)
プラスよりマイナスの感情値の方が大きい
3.現在思考バイアス(Present Bias)
将来よりも今にお金をつかいたい
第1章: 認知のくせ
脳の情報処理は「直感」システム1と「論理」システム2とがある
ファストandスロー(カーネマン)
システム1を使いがちな時
疲れ,選択肢 情報量が多い時,時間がない、モチベなし、簡単で見慣れている、気力なし
「高度情報化社会では 人々のアテンションが通貨になり、関心を集めることが価値を産む」(ノーベル経済学賞 サイモン)
システム1を排除する方法⇒非流暢性を用いる
「自制バイアス」自分の自制心を過大評価する傾向
「心の会計 Mental accounting」byセイラー
心中で無意識に何のためのお金か仕分けがされており、同じお金でも価値が変わり 抵抗が生まれたり無駄にしたりする
「埋没コスト」費やしたコストを取り戻そうと継続してしまう
「機会コスト」を失うことを意識しよう
「ホットハンド効果」ある事象が連続して起こると、次も同じことが起こると思い込む認知のくせ
「フットインザドア」小さなお願いからはじめよ
「確証バイアスconfirmation bias」
証明するための根拠ばかりを集めてしまう
都合の良いものを集め 、信じてしまう
「真理の錯誤効果Illusory Truth Effect」
馴染みのあるものを 信じてしまう
繰り返し見る化粧品の広告など
回避するには、最初に「疑わしい」と思った時点でできるだけ真偽を検証して排除しておくこと
「〇〇だとおもうかもしれませんが、実は違うのです」というマーケティング
時間が経つと、「〇〇だと思う」と「実は違う」が脳内で別ファイルに保存され 「〇〇だと思う」が事実として頭に残ってしまうので気をつけよう
「身体的認知」
笑いながら読んだら楽しく感じる。
前のめりで聞くと、興味深く感じる
温かい飲み物を出されると 冷たいものの場合より温かい人だと感じる
「概念メタファー」
垂直⇒権威性 優位性 出世
ナナメ⇒躍動感
細長い背の高いもの⇒高級 権威
低くて幅がある⇒気楽 安心
「双曲割引モデルHyperbolic Discounting」
近い将来を考える時は 少しの時間差も気になるが、遠い将来は時間差が気にならない」
「解釈レベル理論」
今に関しては現実的具体的に考え 先のことは抽象的思考になる
「計画の誤謬」
時間を甘く見積もって失敗する
「快楽適応 Hedonic adaptation」
幸福に慣れ 幸福度がベースにもどる(同じくネガティブも)
幸福は細切れに、嫌なことは一気にが 合理的
「Duration Heuristic」サービスの内容よりかかった時間で評価してしまう認知のくせ
2章: 状況
「系列位置効果」順番によって 記憶の定着度合いが変わる
「初頭効果と親近効果」最初と最後が 意思決定に強い影響を与える
「単純存在効果」 他人が周りにいると高いものを買う
「過剰正当化効果」内発的動機で取り組んでいた時に 金銭的報酬などの外発的動機が用意されると モチベが下がる
「情報オーバーロード」
メールによって仕事を中断すると 元の仕事に戻るまで、平均24分かかる
伝統的な経済学では、情報は多ければ多いほど良い。
行動経済学では、多すぎる情報は疲れさせ 意思決定を妨げる
「選択オーバーロード」多すぎて選べない
選択肢は10個がベスト
「ナッジ理論」本日のビール
「プライミング効果」プライマー(刺激)によって行動が変容
背景が緑だと 価格重視で選択(ドル紙幣が緑)
赤だと安全重視で選択(赤⇒危険)
フランス風BGMで83%がフランスワインを購入
ドイツ風BGMで65%がドイツワイン購入
クラシック音楽⇒より高額ワインが買われる
「勝利 達成 競い合う 繁栄 勝ち誇る 達成する マスターした 勝つ 成功 利益 成し遂げる」という言葉を社内メールに埋め込むと、パフォーマンス向上
「フレーミング効果」
ひき肉の 赤身75%の提示と脂肪25%の提示
得るものを強調されると確実性を求める。
損失を強調されるとリスクをとる。
「おとり効果」高額な比較対象をあえて置く
「アンカリング効果」最初の提示金額に引っ張られる
「パワーオブビコーズ」 理由を添えるだけで受け入れてもらえる可能性が上がる 理由はなんでもいい
「自律性バイアス」選択肢を与えて主体的に選んだ気持ちにさせる
「時間帯の影響力」疲れている時は判断に影響が出る
「感情移入ギャップ」冷静な状態の自分は 未来の疲れて熱くなっている時の自分をリアルに考えられない。
仕事帰りはジャンクフードを買ってしまうなど
人々がポジティブな音楽を聞いてる時株価が上がる(Spotify調べ)
「アフェクトプライミング」アフェクトに関する会話をしてからの方が お願いを聞いてもらえる可能性が高い
今日の調子はどう?晴天で気持ちが良いですね など
「感情の伝染」感情は伝染しやすい
ポジティブな投稿のみ表示されるとポジティブな投稿を、ネガティブな投稿のみ表示されるとネガティブな投稿をする。
「ポジティブアフェクトを味方にする」
「チャレンジだから ワクワクと楽しんでやってください」と言われたグループの方が 数学の正解率が22%高くなった。
「ネガティブアフェクトモード脱出方法」
あえて目標を立てず すぐやめるつもりで始める
始めたことで達成感、ポジティブアフェクトが。
「目標勾配効果の活用」最初から2個スタンプが押してあるスタンプカードの方が集め終わる
タスクを最初の2,3個はすぐ終わるものにしておく。進みが遅くなったら、敢えて新しいリストに移し 1から始める
「幸せをお金で買う5つの方法」
1、経験を買う
2、稀なご褒美にする
3、時間を買う
4、先払いする
5、人に投資する
キャンディーを自分のために買うより、重い病気の子に買った方が幸福度が高くなった。
「自己コントロール感」
心理的コントロール感が満足度 幸福感を高める
コントロール感の減少がネガティブな感情を生み出す
買い物は自己コントロール感を手っ取り早く感じる行動。お金を払わずネットでカートに入れるだけでOK。
自分以外のものにコントロールされていると感じている人は、ボーダーや囲み枠などの境界線のあるパッケージを好む
Posted by ブクログ
日常的に自分の認知のクセなどを理解することによって思考方法が変わる感じがした
理論をはっきりと覚えれるわけでもないし、身についたかはわからないが、何度も読むことによって自分の思考を理解することに近づける気がする
ただ一つ、これは教養として理解すべき内容だと感じれた
Posted by ブクログ
行動経済学について、著者が初心者向けに体系化を試み、平易な解説に努めた作品である。行動経済学の導入に最適と思われた。行動経済学は、どちらかというと、場面場面で人の非合理的な行動を見る面もあるように感じられ、雑学的になってしまいかねない気もするが、この本は、どこに注目し、注意するかを意識させてくれるように思う。
Posted by ブクログ
行動経済学についての本は初めて読んだが、身近な事例も多くわかりやすかった。
自分では合理的な判断や意思決定を行っているつもりでも、いかに「認知のクセ」「状況」「感情」に左右されているかを思い知らされた。
本書に書かれていることを頭の片隅に置いておくと、今後なにか判断するときに役に立つと思った。
Posted by ブクログ
通常の経済学の皆が合理的な行動をとる前提で経済を体系的に学ぶもの。でも人間は非合理な選択をすることもたくさんあるし、なぜかわからない行動をすることもある。そんな人間の合理的ではない経済行動を研究したものが行動経済学だ。
確証バイアスや、アンカリング効果、フレーミング効果などなんとなく聞いたことがあるけどそれぞれの行動経済学の内容を体系的にまとめたのが本書だ。
なんとなく選んでいるものや自分の意思で購入していると思っているもの。実はそれは行動経済学に基づいて、「選ばされていた」としたら?その事実を知っているかどうかで、無駄な買い物や選択を減らせるかもしれない。逆に売る側だとしたら、効果的に使うことができれば売上を伸ばすこともできる。なので、世界中の大企業がこぞって行動経済学を取り入れようとしているし、行動経済学に強いコンサルは需要が爆あがりしているとのことだ。
本書は行動経済学の基礎的な部分を「認知のクセ」「状況」「感情」というカテゴリーに分けて、細かく説明してあって分かりやすい。非合理的な行動の理由が少しわかった気になる。
オーストリアの臓器提供の同意率は99%である。フランス、ハンガリー、ポーランドもほぼ同じくらい。翻って、ドイツは12%、イギリスは17.1%、デンマークは4.2%と低い。同じヨーロッパなのになぜ差があるのか。実はオーストリア他臓器提供の同意率が高い国は「臓器提供には同意しません」にチェックするようになっていて、イギリスなど低い国は「臓器提供に同意します」にチェックするようになっている。デフォルトでどちらにチェックを入れるようになるかで結果が大きく違う。臓器提供という結構重めな選択でもこの問い方で差が出る。つまり、選ばせたい方になるようにデフォルトを設定することで望んだ結果を得やすいというもの。これが行動経済学。うん、おもしろい。使いこなせたら、思い通りじゃないか。
あくまで本書は入門書的な感じなので、深く学ぼうと思ったらもう少し専門的な本を読んだ方がいいと思う。興味ある人がちょっとどんなもんかと読むにはいい。
Posted by ブクログ
行動経済学に興味があって買った。
筆者さんの経歴を知れば本当に納得したけどアカデミックというよりは完全にビジネス向け。
学術的な興味で購入したからちょっと目的とはずれたかもしれないけど、初心者だからこれくらいわかりやすくライトに例付でまとめてくれてる本でよかったかもな〜と思いました。
システム1vsシステム2やフレーミング効果など聞いたことがある話や情報/選択オーバーロードなど身に覚えのある話もあって面白かった。
形成-拡張理論:ポジティブがポジティブを生む好循環
ネガティブ/ポジティブアフェクト:言い方や捉え方ひとつで意識が変わる
保有効果:自分が持っている気になると価値を見出すようになる
→このあたりも面白かった。
行動経済学の他の本も読みたいな〜
Posted by ブクログ
■本書の要点と気づき
1. システム1(直感)とシステム2(論理)
人は以下の2つのシステムで意思決定を行う
システム1: 直感的・自動的に素早く反応する思考。疲れているときや時間がないとき、選択肢が多すぎるときに頼りがち。
システム2: 意識的に熟考する思考。集中力を使い、判断に時間がかかる。
■ 気づき:
自分もつい疲れていたり忙しかったりすると、システム1で判断してしまうことがあると自覚。
レビューや重要な判断を依頼・実施するタイミングは、こうした状態を避けるように意識したい。
システム1は、「ひっかかり(非流動性)」を設ける工夫、たとえば斜体で注意を引くなど、意思決定を止めて考えてもらうための仕掛けも有効。
2. 顧客は論理で動かない
マーケティングやプロダクト企画では、つい「この商品はこことここが優れているのに、なぜ選ばれないのか」と考えがち。
しかし顧客は論理的にスペックを比較して選んでいるわけではなく、「なんとなく」「印象」で意思決定することも多い。
プロダクトや施策を評価するときは、ユーザーがどう感じるか・どう認知しているかに立ち返る必要がある。顧客のシステム1をどう動かすかの観点も必要。
3. 楽観バイアスと抽象性バイアス(解釈レベル理論)
人は未来に対して「きっとうまくいくだろう」と楽観的に見てしまう(楽観バイアス)
そして、未来のことほど抽象的に考えてしまう(解釈レベル理論)
■ 気づき:
計画段階では「気合で乗り切る」みたいな設計になりがち。
だからこそ、細かいレベルまでの分解と、前例や思い込みに対する問い直しが重要。
4. 感情は伝染する
職場でも、感情は周囲に波及する。
ポジティブな空気は伝播しやすく、逆もまた然り。
■ 気づき:
自分が前向きであることが、チームやプロジェクトにとって大きな影響を持つ。
そのためには「楽しむための仕掛け」が必要。
家族の写真を見る
温かい飲み物など小さなご褒美
自分のネガティブの出所をモニタリングし、対処する習慣をつける
■ 業務への応用
判断の質を上げる: 忙しさや疲れが重なるタイミングを避けて判断・レビューする
ユーザー視点を持つ: 論理よりも「印象」や「感情」にフォーカスを当てた訴求設計
感情のマネジメント: 前向きな空気を出す仕掛けを自分の内側から作っておく
計画のリアリティ: 抽象的な「いけそう」に逃げず、具体化と検証を怠らない
Posted by ブクログ
今まで読んだ本の中で行動経済学について一番わかりやすく書かれていた。
専門用語が数多く出できてまだ覚えきれていないが、用語ごとに解説がはさまれていたり具体例があったため引っかからずに読めた。
行動経済学に興味を持ち始めた人におすすめだと思う。
Posted by ブクログ
行動経済学を初めて整理・体系化した入門書
行動経済学とは人間の「非合理的意思決定のメカニズム」を解明する学問。
認知のクセ、状況、感情によって左右される。
この3つがさまざまな決定(お金のつかいかたも)に影響を与える。
自分がどんなものに影響され、誘導されていたかがわかる学問だった。だからこそ、行動経済学を取り入れ、より良い買い物のできる消費者になれるとおもう。行動経済学と言う言葉をYouTubeのお金系動画で知ったが実りのとても多い本だった。また、幾日かたってから読み直したい。
Posted by ブクログ
本書は、行動経済学の基本概念を平易に紹介し、意思決定の歪みを理解するうえで役立つ入門書です。経営視点で見ると、「人は合理的に行動しない」という前提を明確に提示しており、マーケティングやマネジメントの基礎として一定の価値があります。しかし、紹介されている内容は概念レベルに留まるものが多く、ビジネス現場への具体的な応用や仕組み設計まで踏み込んでいない点が評価を分ける部分です。意思決定バイアスの理解は有用であるものの、組織設計や事業戦略に直結する示唆は限定的で、経営の武器として使い切るには追加の知識が必要です。
また、例示の多くが一般消費者の行動を扱っており、組織内部の意思決定やマネジメント課題に対しては、抽象度がやや高いと感じる場面があります。経営者として実務に落とし込むには、別途フレームやプロセスが必要となるでしょう。
Posted by ブクログ
行動経済学を理解するため3つのカテゴリーに分けてくれており…わかりやすい。
【認知のクセ(脳の情報処理能力)・状況・感情】
人間は環境に左右されて意思決定し、状況に影響されて行動している。
各章のラストにまとめが書いてあるため、そこだけ読んで全体を把握するのもよさそう。
参考ページ(p139.p151 p213.p293)
Posted by ブクログ
常に合理的な行動を意識して行うにも感情や状況、環境等によっては人間そう簡単には上手くいかないものだ。
本著では行動経済学という視点で、行動経済学の知識によって、自分や他人の行動パターンを理解しやすくなり、衝動買い、先延ばし、投資や仕事の意思決定ミスといった“ありがちな失敗”を減らすことを主張し、感情や状況に振り回されず、より冷静で合理的な選択ができるようになり、人生を主体的・戦略的にコントロールする“武器”になると著者は強調している。「自分も他人も合理的ではない」という前提で構造を理解すれば、より良いコミュニケーションや意思決定が可能であることを指摘し、応用は効くと説く。
さて、私たち完璧な存在じゃない。皆が一様に全て異なり全て違う視点を共有し、対話し、行動し合っている。その中で、人間関係や社会へ本著の視点を取り入れても良いし、自分の生活習慣へ応用していも良いと私は思う。
言うは易く行うは難しだ。だが、日進月歩という言葉もある通り、人は皆、私もあなたも成長する。本著を読み、記録し、メモし、日常へ取り入れることが出来たのであれば、本著が指すところの主体的な人生を自身の意思と思考と行動で歩むことが可能であろう。
Posted by ブクログ
上司からの勧めで
教科書としてはとても良い
でもナッジな種類が多すぎるので
ココに記載されてる代表的なものも含めて
使いこなせるになることが大事
Posted by ブクログ
概要を学ぶために網羅的に描かれていると思う。
どこかで聞いたことある、なんとなく知っている効果が出てくる。
・行動経済学とは「人間の非合理的な意思決定メカニズムを解明する」学問
・人間の行動は意思決定の連鎖である
・非合理な意思決定をする要因は「認知のクセ」「状況」「感情」の3つ
・システム1(直観/認知のクセ)で判断せず、システム2(論理)で自己チェックすることが大事
・人間関係は依頼と同意で繋がっており、毎日が交渉の連続である
Key word
・現状維持バイアス・デフォルト効果:これらを排するために「クリティカルシンキング」でバイアスを認知する。一から考え直す。
・損失回避
・埋没コスト:費やしたお金・時間などを取り戻そうとするバイアス
・機会コスト:うまくいっていない状況に費やしているお金・時間などを別の機会に費やすことで新たな機会を生む
・エスノグラフィ:対象となる顧客の生活まで入り込む。
・確証バイアス:何かを思い込むとそれを証明するためのエビデンスばかりを集めてしまう→避けるためにはフィードバックを求める
・快楽適応:幸せだと感じることを継続すると幸福度がもとに戻る。時間を細切れにすることで幸福度の上昇が長続きする。⇔嫌なことは「一気に」やってしまうとよい。嫌なことを細切れにすると嫌な気持ちがずっと続く
・初頭効果と親近効果:最初と最後が印象に残りやすい
・プライミング効果:提示されたプライマー(刺激)(色・音楽・位置・匂いなど)が無意識のうちに人の意思決定に影響を与えている
・フレーミング効果:同一の内容でも強調するポイントで受けての意思決定が変わる
・アンカリング効果:最初に提示された数字などが基準となり、その後に続くものに対する判断が非合理にゆがむ
・強い感情(エモーション)と淡い感情(アフェクト):ポジティブアフェクトを利用する。人は絶えずアフェクトの影響を受けている。ネガティブアフェクトは無視したり抑え込むほど悪影響になる可能性があるので、受け入れてポジティブにとらえなおす。
Posted by ブクログ
行動経済学:なぜ人はこうするのかを実験で証明・理論化し、
非合理な意思決定のメカニズムを解明する学問
非合理な意思決定をする要因:認知の癖>状況>感情
政治思想を全面に出しすぎ
とにかくこれの一言につきる。
終盤の方は自分の政治思想を主張するために行動経済学をダシにしているだけで、なぜ編集者はとめなかったのか。
読みては行動経済学を知りたいのだから、余計なことはしないでほしい。
肝心かなめの行動経済学も体系づけるというわりには大まかに3つに分類しただけで、値段のわりには物足りなさがあった。
これはあくまで入門向けとして、より詳しく知りたい人は他の書籍を当たるべきでしょう。
あと個人的にすごく気になったのが言葉づかいで、日本語で言えばスッキリかつ分かりやすいところをカタカナ英語にするものだから読みづらい。
著者はアメリカでの暮らしが長いそうだから致し方ないところもあるのだろうが、文法の間違いもちょくちょく見られたので、やはり編集のチカラが及んでいない。
入門向けとしては他にもあるようなので、こちらではなくそっちを読んだ方がよいかもしれません。