あらすじ
月と現世の住人が織りなす異色のSFミステリー
突然の地方赴任、作者不明の詩との出会い、謎めいた美女の出現――。
幾重にも重なる偶然が、必然へと変貌する。現在と過去、生と死が交錯し、照らしだされる真実とは。
夏も終わりかけた8 月下旬。東京で順調にキャリアを積んでいた佐伯俊夫は、 I 県・月ノ石町に異動を言い渡される。この地には「月待池」という池があり、赤いトパーズが採れる伝説があった。しかし、採取した者の不吉な末路から、かつてより「憑き魔血池」と忌諱されてきたのだった。この伝説を知った佐伯は、事業で計画中の記念碑に何としても赤いトパーズを使用したいという衝動に駆られ、現在は立ち入り禁止となっている「月待池」に向かう。
少しずつ、しかし確実に崩壊していく日常の向こうにあるものは一体――。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
月と地球、冥界と現世、過去と現在が絡み合うSFミステリー。
偶然が必然に変わる時、謎が解き明かされる。
繰り返される失踪事件の真実とは。
大手石材会社に勤務する佐伯に、I県月ノ石町へ異動を辞令が出される。
出世を目指し異動した先は不思議な伝説や事件の起こる町だった。
赴任早々、自身も不思議な現象を目にしだす。
現象を調べる為に入った町の資料館では、館長から現象に関わっているかもしれない作者不明の詩を調べるよう依頼される。
そんなある日、勤務先に入社した美女と作者不明の詩が佐伯の運命を狂わせる。
過去と現在の出来事が複雑に絡み合って進む物語。
伏線がいっぱいで、楽しい謎解きの旅でした。
人間って業の深い生き物だなと思う作品。
月の神秘的で不思議な力も表現されていて、哀愁漂うけれど綺麗な物語だと思います。
もう何を語ってもネタバレになりそうなので、多くは語りません(笑)
秋の夜長のお供に、ぜひ。
Posted by ブクログ
ある町に赴任することになった佐伯はそこで"聖月夜"という詩と出会う。
運命かのように引き合わされていく物語に登場人物達だけでなく、私自身も翻弄されていくような不思議な感覚を味わえる作品でした。
現実と非現実の狭間で右往左往する様相を月はどんな表情で見下ろしているのか...