【感想・ネタバレ】日本の死角のレビュー

あらすじ

いま日本はどんな国なのか?
私たちはどんな時代を生きているのか?
意外と見えていなかった「日本の謎と論点」

【本書のおもな内容】
●「日本人は集団主義」という幻想
●中国で見た「日本衰退の理由」
●なぜ若者は結婚しないのか?
●「ハーバード式・シリコンバレー式教育」の落とし穴
●日本の学校から「いじめが絶対なくならない構造」
●地方で拡大する「移動格差」
●「死後離婚・夫婦別墓」の時代
●「中国の論理」に染まるエリート学生たち
●若者にとって「個性的」が否定の言葉である理由
●なぜご飯は「悪魔」になったのか?
●「ていねいな暮らし」ブームと「余裕なき日本社会」
●災害大国の避難場所が「体育館」であることの違和感
●女性に大人気「フクロウカフェ」のあぶない実態
●性暴力加害者と被害者が対面したらどうなるのか?
●アフリカ人と結婚した学者が考える「差別とは何か」
●“褐色肌・金髪・青い眼”のモデルが問う「日本社会の価値観」

「『移動できる者』と『できない者』の二極化が進んでいる。かならずしも地方から出る必要がなくなるなかで、都会に向かう者は学歴や資産、あるいは自分自身に対するある種無謀な自信を持った特殊な者に限られているのである。
問題は、そのせいで地方社会の風通しが悪くなっていることである。学歴に優れ、資産を持つ『社会的な強者』だけが抜けていく地方になお留まる人びとには、これまで以上に地元の人間関係やしきたりに従順であることが求められる。
結果として、地方では『地域カースト』とでも呼べるような上下関係が目立つようになっている。移動の機会の減少は、それまでの人間関係を変え、ちがう自分になる可能性を奪う。その結果、親の地位や子どものころからの関係がより重視される社会がつくられているのである」――「日本人が『移動』しなくなっているのはナゼ? 地方で不気味な『格差』が拡大中」より

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Posted by ブクログ

日本の様々な死角を列挙しておりどれもそうだなと感じたが、「いじめ」に関する考察が面白かった.「いじめ」と言われる行為は実際には侮辱、名誉棄損、暴行、強要、恐喝であり、学校自体が有害な環境になっており、隔離されることによりオープンにならないところに問題がある との指摘は素晴らしいと感じた.学校、オウム真理教、連合赤軍はそれぞれ教育、宗教、共産主義という膜で包み込んで内側しか見えない閉じた世界を作った と考えると問題点が明確になる との指摘もうまいと感じた.

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2025年01月20日

Posted by ブクログ

いま日本はどんな国なのか?私たちはどんな時代を生きているのか?本邦の状況をどう捉えればいいのかと思って読んでみた。現代ビジネスで連載されていたものを1冊にまとめた本だった。いずれの記事も納得したけれど、連載時のタイムラグのせいかすでにわかっている内容のことも多かった。できればそれぞれの記事を通して総括的なものを最後に書いてくれればどういう意図を持って本にしたのかがわかるのかなと思った

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2024年06月16日

Posted by ブクログ

起業を夢見る若者が早々に海外での仕事を探すことは賢明な選択肢だと言える。日本は団塊世代が築いた安定社会であり、変化を望まない傾向にある。しかし、少子高齢化の影響で政府は増税や新税の導入を余儀なくされており、これらの対策は長続きしないと思う。 また、自然災害対策における国の支援予算は「人への支援」が不十分で、「物への支援」に偏っているという問題点も指摘されており、被災者は世界の「人道憲章」に則り、国民の権利として主張すべき立場にある、と思う。

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2024年03月31日

Posted by ブクログ

日本の学校から「いじめが絶対なくならない構造」
災害大国の避難所が「体育館」であることの違和感
女性に大人気「フクロウカフェ」のあぶない実態
アフリカ人と結婚した学者が考える「差別とは何か」

上記4つがとても興味深かった。特にフクロウカフェの章は、動物がいるカフェに足を運んだことがあるので、身につまされる思いで読み進めた。少し考えれば分かることなのに想像力が足りなかったな……と当時の自分の行動を悔やむ。

多角的な視点で日本の問題点を語っていて、わたしにとっては新しい知識だったので読んで良かったなと思う。

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2024年02月20日

Posted by ブクログ

朝日新聞の記事だったかなんだったか忘れてしまったが、こちらの本が紹介されていたので購入してみた。
普段は全く手を伸ばさないジャンルで、各人の意見を読んでいると、時々頭をハンマーで叩かれたかのような衝撃を得た。
特に避難所運営の話は、今まさにというタイミングであったし、今後必ず大きい地震が来ると言われている中で、国の避難生活に対する取り組み方を改めるべきではと疑問に思うきっかけとなった。

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2024年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今の日本にはいろんな問題がある。日本人は今個性的だねが悪口になる時代になってきている常にまわりと同じでないと不安になる。かなり窮屈になってきている

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2024年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本の深刻な問題を世界と比較することで解決のヒントを与えてくれる本。いじめは先生や家庭だけに責任があるのではなく、学校という特殊な環境が生み出しているものでもあると著者は論じている。また、暴力を振るって相手を傷つけたりしない限り刑法で罰せられず、「いじめ」という言葉で片付けられてしまうことも原因にあると言っている。たしかにと思った。
 高校、大学と大人になるにしたがっていじめは減っていく。そう考えると、小学校、中学校でいじめに遭っている人は、中学校を卒業するまでは卒業認定をもらえるフリースクールに通うのも手である。一方で学校側はいじめを防ぐために、もっと対策を講じていくべきだ。詰め込み教育ばかりしていてはダメだと思う。ヨーロッパ1いじめが少ないと言われているデンマークは日本にない2つの対策がある。1つは悲しんでいる子どもに熊の人形を渡すこと、もう1つは「共感」という授業を取り入れることである。熊の人形を渡すことは実験的にいくつかの学校で取り入れてみて変化を調査してみてもいいと思う。日本の詰め込み教育を今一度見直す時ではないか。

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2023年10月22日

Posted by ブクログ

2017-2018年に、デジタルプラットフォーム『現代ビジネス』に掲載された論考16本。日本人は集団主義というのは幻想、日本人が移動しなくなっているというより地方では移動できる者とできない者の二極化が進んでいる、など。

多様な立ち位置、経験、認識、主張の中に、なるほどと思えたり、今までにない視点があったりで、興味深く読めました。

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2025年10月06日

Posted by ブクログ

日本の「死角」というと、日本人が見落としている「盲点」を鋭く指摘するような本を期待するが、これは中々自由なエッセイで、ほとんど視界に入っている社会課題という印象。その課題に向き合う発想の一部に、見落としているアイデアがあるという構成だ。

「日本人は集団主義」という幻想というテーマでは、アメリカも案外集団主義だよ、という盲点。死角ではない。他には、なぜ若者は結婚しないかという問いにおける本質的な理由。日本の学校から「いじめが絶対なくならない構造」、地方で拡大する「移動格差」など。

ー 仮に一部の狩猟採集民が肉ばかりを食べて生きていたとしても、そのことと、かれらにとって肉食が最適かどうかは別の話であると述べる。さらに、「農耕が始まってから1万年余しか経過していないため、人間の身体は糖質過多の食事に適応できていない」というパレオ派がよくなす主張に対しては、「1万年は十分な時間である」と喝破する。チベット人が標高数千メートルの高地で生活できるようになったり、乳製品を効率よく消化することのできる、進化したラクターゼ活性持続遺伝子を持つ人々が現れたりしたのはこの数千年であることからわかるように、人間の身体はもっと短いタイムスパンでも変化しうるからだ。

確かに、進化するに十分な時間は過ぎているはずではという無邪気な指摘には共感する面もある。学術的な本ではないので、この「無邪気な指摘」を私は盲点を見抜いた!という著者のカタルシスとして味わうのが本書の楽しみ方だろうか。

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

数多くのテーマを扱うが、どれも10頁程度で、読みやすいものの深みに乏しい。

但し、日本人は集団主義ではない、格差で移動しなくなった日本人、学校に残る全体主義の不思議、結婚率の低下は下降婚率を上げることにある、アフリカ人との婚姻から見えた無意識の差別・区別意識といった目から鱗的な珠玉のテーマもある。一方、30秒で見るのをやめたような駄作もある。

但し、普段読まないテーマに接することができたのは良かったかなと思う。

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2024年11月02日

Posted by ブクログ

対外的な視点を見るとき、中国というフィルターが間に入って西洋を見るようになったと感じること。日本の勢いがなくなった。このままではいけないという危機感がある。対内的には、世界からの批判が根強い人権に対する意識の問題。今回、被災地の体育館避難の常識が問題ということにハッとされた。避難者は援助を受ける客体ではなく、援助を受ける権利者でなくてはならない。言われたらそうだなあと思う。国費によるホテル避難など、イタリアにできて日本できないことはないだろう。でも何か違和感もある。うまく言い表せないが、その違和感が消化できていない日本の人権意識の問題点なんだろうと思う。

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2023年11月05日

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