あらすじ
「UFO現象は国家安全保障上の脅威である」
アメリカ政府を動かした「衝撃のUFO証言録」がついに邦訳刊行!
2021年6月、アメリカ国防総省は「未確認空中現象に関する予備報告書(通称:ペンタゴンUAPレポート)」を公表した。UAP(未確認空中現象)とは、UFO(未確認飛行物体)に替わる用語である。これまでUFO事件を黙殺あるいは隠蔽してきたといわれるアメリカ政府が、「これらの現象は国家安全保障上の脅威である」と初めて公式に認めたのだ。この画期的ともいえるアメリカ政府の変化に大きく影響を与えたのが、本書であった。待望の日本語版は、UFOファンにとって、まさに必携必読の書といえるだろう。
「UFO(Unidentified Flying Objects:未確認飛行物体)」という用語は誤用され、大衆文化の一部になりすぎたため、本来の(そして正確な)定義がほぼ完全に失われている。……「UFO」という用語には付随する夾雑物が非常に多いため、一部の科学者や他の専門家は、真摯な研究をより軽薄なものから分離するために新しい用語を採用している。「UFO」の代わりに、一部の寄稿者は「UAP(Unidentified Aerial Phenomenon/Phenomena:未確認空中現象)」を使用することを選択した(「はじめに」より)。
原題:UFOs: Generals, Pilots and Govo On tht Officials Go on te Record
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Posted by ブクログ
日本だけでなく、広く世界でもUFO(Unidentfied Flying Objects)と聞くと、本来の定義である”未確認飛行物体”ではなく、”地球外生命体の乗り物”というイメージが定着し、真剣にUFOの事を考察するというのは、ちょっと眉唾物、オカルト的なイメージが先行してしまいます。
しかし、本来の定義に従って過去の発見の記録を精査すると、航空機や人工衛星などの人工物、自然現象の誤認などといった客観的な要因として説明できるケースを除くと、かなりの件数において、”説明がつかない”、まさに本来の定義どおりの”未確認飛行物体”であるケースが相当数残ります。それらは軍関係者、航空管制官、民間パイロット、軍パイロットなど飛行物体の観察眼に長け、客観的な観察眼を持ち、証言に非常に信頼性のおける人たちからの報告で、同時にレーダー記録などのデータも存在しています。航空機の運用ルールを無視して飛行場や飛行中の航空機へのニアミスも報告され、安全な航空機の運用が脅かされているケースも発生している中、それらが”本当に何だったのか”検証されないまま放置されています(本書ではこのような”客観的なデータがそろっている”発見情報を数多く具体的に紹介しています)。
これは1950~1970年代にUFOを真剣に議論することを嘲笑するような世論の形成をアメリカ軍・政府が主導したことが原因であると本書で指摘されています。その名残とも言える状況について本書ではかなり詳しく触れており、現在でも真剣な検討がなされないままとなっていることを著者は指摘しています。
”真面目に”UFOを扱った本、という触れ込みが気になって手に取ってみました。これだけの報告例を集めるのは相当な労力だったと思います。どちらかというと科学的な検証よりは、検証を妨げる世論誘導に力点を置いた内容でした。もう少し、科学的な検証を深堀し、図やデータを盛り込んでもらえれば、もっとわかりやすいのでは、という気がしました。