あらすじ
大都会の賑わいをみせるハノイやホーチミンには優雅なフランス建築が建ち並び、中国人街が残る一方で、古い町屋が今も使われている。グエン朝の都フエの王宮や日本人町のあった国際交易都市ホイアンなどの世界遺産、メコン川流域の民家など、ベトナム各地の個性豊かな町並みと建築を楽しむための、一歩進んだベトナム案内。
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Posted by ブクログ
ベトナムの民家調査と保存修復に携わってきた日本の大学の建築学の先生方が、建築を主な切り口としてベトナム各地の見どころを解説した読み物。
観光ガイドブックの体裁になっているけれど、はや20年以上前の本だから、今そのままガイドブックとしての使い方をするのは難しいのかなとも思う。ただ、文化財である町並みの中で生活する現地の人々が、その文化を誇りに思っていることを多くの人に知ってほしい、という編者の狙いはよく伝わる。特に、調査研究を通じて現地の人々と信頼関係を築いた著者たちが、ぽっと出の観光客が土足で踏み込むわけにいかないような生活空間の魅力をも紹介してくれているのが貴重。
中国やフランスの影響を強く受けた建築も多く紹介されていて、読みながら、ベトナムらしさってなんだろう? とちょっと混乱してきた。そして、日本との関わりも、古くは朱印船貿易、近年では著者たちの町並み保存プロジェクトのようにポジティブなものももちろんある一方で、旧日本軍の仏領インドシナ進駐も無視できず、重い気持ちにもさせられる。本書では、現代の町並みの形成の背景にある地理や歴史についても、要所要所で紹介されていて、歴史が苦手でも分かりやすかった。