【感想・ネタバレ】売り方は類人猿が知っているのレビュー

あらすじ

猛獣を怖れる猿人と不況に怯える人間心理は同じだ! 巣ごもり消費、草食系男子……。動物の本能がヒトの「感情」を形成する。進化心理学など、最新の研究成果を紹介しながら、不安な時代に「売るヒント」を探る。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『売り方は類人猿が知っている』 ルディー和子
を読んだ。

ビジネス書のようであって、なかなかどうして人間学のような本。

論理的に物事を判断して、買うか買わないかを決めているのが
われわれ人間である----というのは間違いであることをつぶさに見ていって、
解き明かしてくれます。

同じワインを飲んでも、値段が高いのだときかされれば、
そっちのほうがおいしいと感じるのが人というもの、
といったポピュラーな心理学実験の話もあれば、
嫉妬や妬みが類人猿に発生した段階で、それを解消しようと
平等や公平の考え方、すなわち民主主義の考えが生まれた
という深い論考の話もありました。

主に海外の行動経済学、神経学、進化心理学で発表された
知見をもとにして、それをしっかりと理解している著者が
自分の言葉で編んだ文章でもっておもしろくわかりやすく
伝えてくれます。

なぜ、現代日本人はセックスから遠ざかるのか。
草食系と言われる男たちはどうしてそうなのか。
そういった問いにも答えてくれているばかりか、
性の意識に対する「なぜ?」に割いているページも
なかなか多かったですね。

ポイントはやはり、人間と言ったって、
狩猟採集時代を経て農耕を始めても1万年くらいしか経っていなくて、
それまでの400万年だとかの類人猿の歴史と習慣と生き方が
人間の脳の基本をなしているのだ、というところでしょう。
生存のために、直感的(ヒューリスティック)に判断をしなければならなかった、だとか、
「欲張り」は健全な衝動である、なぜなら食いだめなどをして生存の可能性を高めるから、
など現代人に残るそのなごりの説明が的を射ています。

ぼくは本書を読んで、
進化心理学や行動経済学に興味を持ちました。
とても引き込まれますし、
こういう学問を名も知らずに待望していたようにさえ思います。
高校生だとか大学生だとか、きっと読んでみるとおもしろいですよ。
「不合理な人間」っていうものがだんだんあからさまになっていきます。

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2015年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

100年後でも読める良書。セックス、投資にのめり込む、著名人がエコ活動する、すべては20万年前の類人猿の本能欲求から変わっていない。あらゆるシーンで参考になる本書は考え方だと思います。

0
2011年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マーケティング界隈では著名なルディー和子さんの著書。
気にはなっていたものの、手は出していなかったが、最近新著も出されたようで、その宣伝のブログに興味を持って、読んでみた。

内容は「進化人類学」と「心理学」をマーケティングに活かしたような内容でとても面白かった。
特に過去の進化の歴史と脳の構造。とりわけ報酬系などの論点は大変面白かったし、いい気づきももらえたかなと思う。

やはり小手先のマーケティング論よりも人間の本能や脳の構造から得た論拠はとても説得力があるなぁ。ニューロマーケとか少し前に流行ったけど、やっぱりfMRIとか機材高すぎて、なかなか普及しないよね。ライフログツールとしてそういったものを記録・蓄積できるようになれば、もっと革新的に変化していくんじゃないかな。
とにかく、新著も読みたくなる興味深い1冊でした。

■目次
第1章 不安なホモサピエンスはモノを買わない
第2章 人間もサルも「得る」よりも「失う」を重く考える
第3章 金持ち父さんは貧乏父さんがとても気になる
第4章 自動車の売上と孔雀の羽との関係
第5章 感情と記憶が長寿ブランドをつくる
第6章 人間も進化の歴史から逃れられない

0
2013年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

糸井重里さん( @itoi_shigesato )「この本が売れないのは本当におもしろいからだ」の帯により、購入。

本当に面白かった。
今まで人間の脳の進化の仕方を中心に。
fMRIに頼り過ぎ感というか、根拠薄い感はあったけど。。。

経済というよりも、雑学的な意味で◎

0
2011年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
不況に直面して購買を控える現代人は、猛獣に怯えて身をすくめるサルと同じだ。
動物の「本能」を通して、人間の感情を分析すれば、消費者の行動形態もよくわかる。
興味深い実験を数多く紹介しながら、不安な時代に「売るヒント」を探る、まったく新しい「消費学」の読み物。

[ 目次 ]
第1章 不安なホモサピエンスはモノを買わない
第2章 人間もサルも「得る」よりも「失う」を重く考える
第3章 金持ち父さんは貧乏父さんがとても気になる
第4章 自動車の売上と孔雀の羽との関係
第5章 感情と記憶が長寿ブランドをつくる
第6章 人間も進化の歴史から逃れられない

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[ 参考となる書評 ]

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2011年06月11日

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