感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
初・豊田徹也
なんだこれ
凄まじい緊張感、迫力が全ページ、どのコマにも満ちている。
シリアスなトーンが通底していながらも、ところどころでコミカルな描写がしっかりと差し挟まれており、それらがシリアスさを中和するのではなく、むしろひとつの雰囲気の醸成に奉仕しているようなのが凄い。
主人公の描き方が良すぎる。
ジェンダーレスでハードボイルド、格好いいのもそうだし、人と改まった形で会うとなった時には「女性的」な身なりをしなければならないことの、なんとも言えない哀愁と切なさよ。
最後、出かける前に口紅を手に取っても結局つけなかったこととか、ビンタすると言ってマフラーをかけてあげることとか、凄まじいとしかいいようがない。
誰も幸せになるわけでもなく、しかし単なる薄っぺらい「鬱」だとか「狂気」とかでもなく、ただただ、そこに常にある暗流を見つめて、それでも生きていくしかないことの弱さと強さをともに感じさせる物語だった。
Posted by ブクログ
“人を理解するということ”
ただ長く一緒にいるから、たくさん話をしたから、家族だから、、それでも「わかる」ということにはならないんだな…
哲学的であり、様々な感情を抱かせる作品
Posted by ブクログ
ネットで評判になってて、ずっと気になってた漫画。
けど、近くの本屋でなかなか見つからなくて……。
この前寄ったときに見つけたのは嬉しかった。
なんか淡々とした感じの話だと思った。
初め、失踪した旦那が新しく派遣されてきた人だと思ってたけど、全然そんなことなかった。
途中でラブコメ入るのかなと思って、少しわくわくしたけど全然違ったよ。
脇役さんたちもいい味出してた。モブにならない。
最後の結末は、彼は再び主人公の元へ戻ろうとしている、という意味で取ったけどはたしてどうなのかしら。気になる。
いいお話でした。機会があれば、同じ作者さんの別の話も読んでみたいなあと思う。
Posted by ブクログ
静かで、ともすれば盛り上がりに欠ける作品だけど、どこまでも映画的で、繊細な描写で、タイトルやイメージのとおりにじわじわと水に沈められて行くように胸に迫ってくる読後感。
人間ドラマ。本当にそのまま人間ドラマ。自分と他者を理解することとは?常にその問題を投げかけてくる。
淡々と進むしキャラクターの感情も希薄だけど、繊細な描写や構図でぐいぐい引きこまれて、些細な描写の中からも色んな意味を汲み取ろうと自然に見入ってしまう魅力があった。
Posted by ブクログ
突然失踪してしまった優しい夫。何も分かっていなかった自分。そして過去の傷との対面。ほのぼのした情景の中にチクチクと骨が刺さっている感じ。ミステリー要素も漂いつつ静かにでも確実に時が流れていく。ラストは賛否分かれるところだけど、あえて私は白黒つけず読者にゆだねる結末でもありだったのではないかな?と思う。そういう雰囲気でも許される作品であったと思う。