あらすじ
生の悲哀、人の優しさが沁みわたる、人情ミステリーの傑作。
娘を失った二美男と母親に捨てられた汐子は、貧乏アパートでその日暮らしの生活を送る。このアパートの住人は、訳アリ人間ばかりだ。二美男はある人物から、公園の池に沈む死体を探してほしいと頼まれる。大金に目がくらみ無謀な企てを実行するが、実際、池からとんでもないものが見つかった!その結果、二美男たちは、不可解な事件に巻き込まれていくことになる……。
※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
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Posted by ブクログ
エンタメ33% ミステリ33% ヒューマンドラマ33% くらいの構成
表紙の絵や帯のアオリ文から、悲愴な物語化と覚悟して読んだが、道尾秀介の作品の中ではむしろコミカルでライトなものだった。この作家は何を書いても上手ですね。
遺族をターゲットにした宗教は、道尾作品に何度か出てくるね。
ミステリ部分に関しては、ミスリードを誘うものではなく、道尾さんにしてはヒントが多く親切な書き方だった。
映画化できそうな、ビジュアル映えする作品(もうされてるのかな?)
道尾さん独特の人間の哀しさ、愚かさ、愛おしさがちょうどよい重みで書かれていて、万人受けする作品だと思った。コアな道尾ファンには少し物足りないかも。でも、嫌味もなく、何かが足りないというわけでもなく、基本的に完成度が高い。道尾秀介という作家への信頼度がまた一つ上がった。
Posted by ブクログ
子供を亡くしたオジサンと引き取られた姪っ子が、おんぼろアパートに住むご近所さんたちと騒動に巻き込まれていく。
お祭り、龍、池に沈んでたドクロ、鉱山博物館での大騒動とストーリーは進んでいきますが、中盤までがなかなか展開が進まず、読むのに時間がかかってしまいました。
姪っ子の汐子ちゃんがおいちゃんに「幸せになってもええねんで」って言います。
変わらないものは変わらないから。自分が苦労したって何も変わらないんだから、楽しい方がいいでしょって。
そんなこと、言ってくれる姪っ子が側にいるオジサンはシアワセです。