あらすじ
大嵐で船が難破し、僕らは無人島に流れついた! 明治31年、帆船・龍睡丸は太平洋上で座礁し、脱出した16人を乗せたボートは、珊瑚礁のちっちゃな島に漂着した。飲み水や火の確保、見張り櫓や海亀牧場作り、海鳥やあざらしとの交流など、助け合い、日々工夫する日本男児たちは、再び祖国の土を踏むことができるのだろうか? 名作『十五少年漂流記』に勝る、感動の冒険実話。(解説・椎名誠)
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Posted by ブクログ
たんたんさんの感想を見て読みたくなった本
無人島生活を送った16人のお話
そして、実話⁉︎
有名な物語とかじゃないの?ってのが一番の感想でした。
調査船が座礁で有名なとこで同じ様に座礁してしまい
無人島生活を余儀なくされる
若者やお年寄り(実は、そんなにお年寄りでない)
たちが助け合い支え合い生活する。
夜の見張り番をしてるときに、海を見てたら悲しくなりあらぬ事考えてしまわないよう若者ではなく老人にさせたり
運動や作業をして、常に体を動かす
服を大事に取っておくため、裸の生活を送る
亀の牧場を作り食事に困らないようにする
塩を作る
いろいろな工夫をして生活して無事に全員助け出されてよかった
無人島生活をし怖い思いをした後も、船乗りとしてまた海に出る人たち
強すぎる
Posted by ブクログ
明治の時代に本当にあった『十五少年漂流記』。実際に漂流したのは南方の漁場を調査するために船に乗り込んだ屈強な海の男たちであり、子どもではないのだが、並の大人なら恐らく船が難破した時点で死んでただろうし、無人島に漂着してからも10日を待たずに死んでただろうな、という、壮絶な生活が記されている。
無人島に漂着してからの生活の工夫は最後まで緻密かつ深謀遠慮に満ちていて、明治時代という幕末から文明開化の激動の時代を潜り抜けた直後の逞しい人たちであったということを差し引いても、その忍耐力や統率力、集団で一致団結しての行動力には驚かされるばかり。頁を繰る手が止められず、250ページをあっという間に読み終えてしまった。
このぐらいの胆力のある海の男たちであればこその、冒険とスリルの連続。つくづく、ゴールディングの『蠅の王』にはなるはずも無かったんだね、という安心感というか信頼感が、頁の隅々に満ちている。
Posted by ブクログ
小説のカテゴリーとしたが、実話に基づく話。
いまから100年以上も前に日本の帆船が太平洋で難破、無人島で十六人が生きのびた話。
水がない、食べ物がない中で、なんとか飲み水をつくり、亀をとったり、魚を捕まえて生き延びる。
十六人のうち体弱るものもいたものの、なんとか生き延びる。そして約4ヶ月後に日本の船に救助される。
救助されるために、狼煙の準備や船をみつけるための物見櫓の設置など、万全の準備をしている。
そして無人島でも勉強会を開いたり、色々な仕事を分担したりするなど規律があり、とても偉かったと思う。
明治時代の人のエネルギーを感じる冒険譚であった。
Posted by ブクログ
120年ほど前にある日本の船が難破し、それに乗っていた船員がどのように生還したかを後からまとめた本。運よく珊瑚礁で作られた島に辿り着き、様々な苦労をしつつも偶然通りかかった船に救出されるまでが書かれる。当時の海の男の気風が押し出された海洋冒険譚的な内容になっているが、やはり現代とは少し考え方の違いも感じられた。
難破した船から何とか物資を移動し、何とかやりくりして生活する辺りの内容が面白い。個人的には深く井戸を掘ると海水が出てしまうが、浅く穴を掘ると何とか飲める水が出るという辺りの話が印象に残った。
無線が発達しておらず、200海里も設定されてない時期にはこんな漁をしていたのかと思った。
Posted by ブクログ
明治時代の遭難漂流記。島の絵と簡単な海図があるのでどこにいたのか(特に遭難するまで)がわかりやすかった。殆ど何もない島で元いた船や近くの島で
明治31年の暮れに東京を出港したものの、約1ヶ月後に釣りをしていたら錨が3つもなくなるトラブルでハワイ付近まで流されてしまう。ホノルルで修繕をし4月4日に出港して帰還するはずが5月20日に座礁してしまう。どうにか住めそうな場所に拠点を作り、9月3日に近くを通る船に救助されるまでの3ヶ月強生き抜いた16人。体調不良は出たものの大きな怪我や死者もなく全員が帰還できたのは本当に凄いと思う。島に住んでいたアザラシを手なづけていていざという時は食料にしようとしていたり、冬に備えて食料などを調達していたのが無事杞憂に終わった。
小笠原島に米国出身の捕鯨者が住んでいて明治に入ってから日本の領土になったというのは初めて知った。帰化して日本語名になったとのことだが「日本男児」たちには実は欧米人も含まれていたのがなんとも不思議。