あらすじ
女優、スリ、夫婦、ベルマン……騙しているのは誰だ?
100年の歴史あるホテル、最後の一夜に一気読み&二度読み必至!
伝統ある超高級ホテル「ヴィクトリアン・ホテル」は明日、100年の歴史にいったん幕を下ろす。特別な一夜を過ごす女優、スリ、作家、宣伝マン、老夫婦、そしてベルマン。それぞれの思惑が交錯したとき運命の歯車が軋み始め――ラスト30ページに特大の衝撃と深い感動が待つ、エンターテインメントを極めた長編ホテルミステリー!
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Posted by ブクログ
伝統ある超高級ホテル「ヴィクトリアン・ホテル」が、明日100年の歴史にいったん幕を下ろす。
ホテルを訪れるのは、女優、スリ、作家、宣伝マン、老夫婦。一貫した主人公のいない、群像劇だ。ただ、仕掛けがある。
女優の印象が変わること、文学賞の回数、震災、パンデミック、どこで気がつくかは読む人次第だけど、いや〜してやられた!
最初は嫌なやつと思っていた人物が、ある人と出会った事で変わったり、心中を考えていた夫婦が踏みとどまったり、スリが更生を決意したり。物語は多岐に渡るが、だいたいが良い方向への変化で、いい気持ちで読み終えることができた。
そして、登場人物の様々な「ことば」がとても良い。当たり前かもしれないけど、これを書いた作家さんの人生観や考え方なのだろう。驚きに満ちた、それでいて深く考えさせられる物語だった。
Posted by ブクログ
終盤の意外な展開。読み進めるたびに迷子になるような、ジェットコースターが下がっていくような、まさに老舗ヴィクトリアンホテルに彷徨ってしまったような、未体験な感覚に陥った。ありふれた感想にはなってしまうが、とてもおもしろい作品だった。
Posted by ブクログ
高級ホテル、ヴィクトリアン·ホテルに泊まる人々のお話。
読み進めていくうちに違和感があったが、そこまで気に留めてなかったら、最後に大きなトリックがあってびっくりした。
腑に落ちるというのはこういうことなのか!という気持ちでいっぱいでした。
もっと疑いを持って読まなきゃいけないなぁ(笑)
唯一、ホテルの従業員に何かあるのかと思ってたが、そこは何もなく。。。
私の疑いはズレているようです(笑)
Posted by ブクログ
群像劇っぽいので深く考えず読み進めていましたが、女優さんの印象が随分変わるなって思ったときに気付くべきでした…!
社会が混乱している描写や作家さんのこと、女遊びが激しいおじさんなどヒントが沢山あって、そういうことかー!と思う材料が丁寧に散りばめられていました。
人間の悲喜交々をホテルはずっと見守ってくれていたんですね。
素敵なホテルを訪れたくなる良い話でした。