あらすじ
人間嘘発見器+演説名人+天才スリ+精確無比な体内時計=4人は史上最強の銀行強盗…のはずが、思わぬ誤算が。奪われた「売上」を取り戻せ!伊坂幸太郎ブームはここから始まった。「陽気なギャング」シリーズ第1作、お手頃価格でお届けします。
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Posted by ブクログ
あとがきにあるように寓意は込められていない。登場人物たちに親しみを感じられる人間味のある作品だった。人間というのはそれぞれが主人を持っていて、常に理性に従って動くわけじゃない、という人間の本質的な部分が描かれていたのだと思う。人間はいかなる場合も内なる主人の精神の満足を求める機械である、というマーク•トウェインの人間観が思い起こされた。
Posted by ブクログ
とても上手に感情移入させてくれて、確り伏線回収もしてくれて、イヤミスより陽ミス?こそ読書の醍醐味だと心酔させてくれる、社会のどこかにあってほしくなる"勧戯懲悪⁉"の物語でした!
チーム名をつけて呼びたくなる奴らです♪
Posted by ブクログ
本作を読んで最も心に残ったのは、成瀬・響野・雪子・久遠の四人のやりとりに漂う、穏やかで揺るぎない信頼関係でした。言葉を交わすたびに、互いを尊重し合う姿が感じられ、読んでいる自分までその輪の中に入れてもらえたような温かさがあります。
中でも中心となる成瀬は、まさに“頼れるリーダー”そのものでした。状況を冷静に読み、仲間の気持ちを誰よりも理解し、鋭い判断力で道を開いていく姿は、ページをめくるたびに「さすが成瀬だ」と唸らされます。特に、雪子の元夫である地道の裏切りをあらかじめ見抜き、あえて仲間に引き入れたうえで偽の会議情報を流す場面は圧巻でした。
しかしその一方で、地道の携帯に盗聴器が仕掛けられ、神崎に嘘が見破られるというハラハラする展開もあります。けれどそれすらも成瀬は読み切っており、すべてを把握したうえで、雪子をほんの少し驚かせたいという茶目っ気を忘れない。そのギャップが魅力的で、仲間たちが彼を信じてついていく理由がよくわかります。
読後、私は「自分も成瀬のようなリーダーを目指したい」と強く感じました。厳しい状況を的確に判断できる鋭さと、仲間を大切にする優しさ。その両方を兼ね備えた成瀬の姿は、これからの自分の仕事や人間関係において目標となる存在です。
本作は、ただのドラマチックな物語ではなく、信頼とは何か、仲間とどう向き合うかを教えてくれる作品でした。
仕事は手早くをモットーに犯行中は演説で巻き込まれた人々のケアも忘れないなど、鮮やかな手口で犯行を重ねるどこか憎めない強盗団の活躍が痛快。
今回も軽妙な会話の中に巧みに伏線が仕込んであるのが最後に繋がって面白かった。
タダシの電話が予言のようだったというのが、グラスホッパー幻覚説の元になった田中の話みたいだなと思った。
Posted by ブクログ
銀行強盗なのですが、愛すべきメンバーで、実害がない分応援態勢で読んだ。ガンバレ四人組 m(__)m
伊阪さんの作品は「死神の精度」もそうだが、ピリッと気の利いた反面とぼけたところもある面白い短編集が好きだ。
読後の安心感と、お得感がある。
文章(会話)もおしゃれで、ウイットもユーモアも、テンポもキレもいい。
スピードも緊張感もある。
深刻な世界観を様々な形にくるんで、時々は幻想的な風景に紛らせて作り上げてくれる。
好き度マッハな作家に入れている。
楽しいという「面白い」もあるが、これには文章や内容、設定人物が興味深いという面白要素が多分にある。
主人公たちは実際ならアウトロー。泥棒だから。それも銀行強盗が主。
フランス映画の名作「地下室のメロディー」のように、ちゃんと綿密な下調べをして計画的に実行する。
「地下室のメロディー」に習ったわけではないが、今回はさっそくやらかして、せっかくの獲物をかすめ獲られてしまうが。
4人組だがそれぞれ特技がある。一人は真面目な公務員で、相手の考えが即座に読めて嘘を見わける。もう一人彼の同級生の仲間は、喫茶店主で演説が巧い(と本人は思っている)機会があれば一席でも二席でもぶちたい、特技は時間きっかりに終わらせることができること。この襲撃中にも、得意満面、欣喜雀躍という体で銀行のカウンターに上がって喋り始め、仲間が仕事を終わる4分きっかりで終わる。自信満々でハチャメチャな演説がまた実に可笑しい。
次は正確な体内時計を持っている女性。だから逃走ルートを走って行けば予定通り赤信号にもかからないで爆走することができる。
最後の青年はスリの名手で、テクは神業に近く、日ごろは動物をこよなく愛し(人間よりも)盗んだ金はニュージーランドで羊と過ごすために使う。
だがなんと、無事盗んだ金をバッグにつめて逃げていたら、横からフイに出てきた車にあたり、しっかり上前をはねられというか全額盗られて大失敗。
盗まれた金を取り戻そうと復讐心に燃える、というお話でした。
それぞれ癖がある愛すべき人物たちが実は泥棒集団で、それでも表向きは真面目に生活をしている。
このギャップにいい味がある。
泥棒たちが主人公で、警察は出てこない、あくまで計画的な物盗りを余技にする4人組の話は、面白おかしく展開していく。
肩の凝らない、楽しい話を読もうかなと思って古い山から掘り出した。
コレは映画にもなって
ボスの公務員は大沢たかお、喫茶店主は佐藤浩市、体内時計の女性は鈴木京香、羊君は松田翔太で、結構豪華キャスト。だったらしい。若い。
Posted by ブクログ
主人公4人組のキャラが皆立っていて、それぞれの人物像がイメージしやすかったです。特に頭脳明晰で絶対に嘘を見抜ける成瀬さんがお気に入りです!全ての謎を見破っていて、綺麗に裏の裏をかいていた様にはスカッとしました。成瀬さんの息子のタダシ君を通した筆者の自閉症への解像度も高くて驚きました。自閉症に詳しくないという久遠さんの「タダシくんは必死で手探りでコミュニケーションを取ろうとしている」という発言は正にその通りだと思います。この仲間達の活躍をこれからも見守っていきたいです。
サクサク読める
殺し屋シリーズが好きな人は多分好き。
どんでん返しとかは無いけど、ちょっとした伏線が多くて面白い。この4人が揃ったら無敵だなって安心しながら読める。どうせ成瀬が裏の裏まで見通してる、人生の解説書を読んでる男大好き。