あらすじ
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ロードムービーはいつ誕生し、どんな背景のもと、どのように発展してきたのか。アメリカに偏らずグローバルな視野で作品を捉えなおし、〈自由〉や〈抵抗〉といった通り一遍の言葉でロードムービーを捌くのではなく、旅がもたらす魂のゆらぎに分け入っていく。これまでほとんど書かれてこなかった、ロードムービーに焦点をあてて書かれたジャンル研究の新たな地平を拓く画期的な一冊。
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Posted by ブクログ
ロードムービーはなんとなく好きなジャンルだと思っていたが、この本を読んで自分がロードムービーだと思っていたものが、かなり限定されていたなと思った。どういうわけか、イージーライダー的なものしかロードムービーというジャンルで捉えたことがなかった。宇宙戦争とかも言われてみればロードムービーか。
優れたロードムービーの基準を作って、何年代がすごいとかを言う本ではなくて、ロードムービーというものが、いかに生まれ変遷したかをフラットに記述していくから、単純に言及された映画を見たくなる。
特に4章で言及されている映画は知らなかったものも多い。ロードムービーというジャンルの流れの中に位置付けることで、これまで知らなかった映画が興味を引くものとして浮かび上がってくる。
印象に残ったのはロードムービーというジャンルを男性のヒステリーと述べた、ティム・コリガンの言葉
これはつまり男性主人公が、乗り物の恩恵による「冒険」を通して、移動を禁じる一切のもの–家庭、責任、単調な仕事といった「女性的」に過ぎるとされるものを含む–から逃避する、という事態をさす。
最近、オールドジョイを見て、なんだか心地よかったのは、こういう快楽だったのか。