【感想・ネタバレ】「患者様」が医療を壊すのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年10月19日

特に第1章が面白かったです。
医療の話というよりは、他者との関わり方について多くのことを
教えてもらいました。
結局は医療行為も医者と患者の関係性の中でしか実施されない訳ですから
より良い関係性をつくっていく事は治療上不可欠な訳です。

医者と患者が対等でないという著者の意見にとても賛成です。

...続きを読むまに病院に行く時があります。
病院に行ってどの科を受診するか分からない時などは
正直教えてほしいです。何故なら相手はプロだからです。
ですから、受付で「どの科を受診ですか」と聞かれると
時々戸惑います。逆に教えてと言いたくなります。

患者さんの意思を尊重するのは良いと思いますが、
病院は病気に対応する専門家の集団ですから、
病気に対する情報の量・質は患者と非対称で然るべきです。

お医者さんに対して卑屈になる必要はないですが、
プロなんですから「お任せします」で、ある程度済む話ではないでしょうか。

そもそも「医者と患者が対等」とはどのような状態かイメージしにくいです。
同じ人間というの当り前で、医者ー患者の枠組みで考える必要もありません。
よく見かける「患者様の権利」なのでしょうか。
それは患者については述べられていますが、医者ー患者の関係性を謳っているとは思えません。

ちょっとした気遣い、配慮なのかと思います。
少なくとも自分自身が医者でない以上、病気の事は医者が圧倒的によく知っています。
しかも、その知識と経験を持ち寄って、自分の病気を診てくれる訳です。
謙虚な気持ちで「よろしくお願いします」ではダメですか?

これを著者は「お医者さんごっこ」という表現で伝えていると思います。
「お医者さんは偉い」という幻想と著書は言いますが、
相手に対して敬意を払うという、コミュニケーションを円滑に進めるべく
必要不可欠な自分自身の立ち位置だと思うのです。

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