【感想・ネタバレ】なぜ日本人は学ばなくなったのかのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

中高生にも読めるように語尾が、ですます調になっています。また、いかにも教科書や入試に出そうな感じな文章だなという印象を受けました。しかし、書かれている内容はなかなか納得できるものでありました。学問へのリスペクトがなくなってきているという指摘。モンスターペアレントなどにみられる先生への尊敬の欠如や、少し驚いたところでは就職の際の学歴不問という募集についてもなるほどと思わされました。確かに、学歴だけでは十分な評価はできませんが、学問をある程度頑張った、もっといえば学問を身につけた人へのリスペクトがないんじゃないのかという指摘には少し考えさせられました。

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2012年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・日本人=勤勉?
かつては、日本人と"勤勉"は必ずセットだった
現在では学ぶ意欲が衰退し、"おバカ"をウリにする番組も目立つ状況
世界的に比べても、明らかに学力は下降している

生きる力は、学ぶ意欲とともにある
バブル経済の1980年代に日本人の学びへの意識が変わってしまった

・リスペクトの精神
なぜ学ばなくなったのか、それはリスペクトの精神が失われたから

リスペクト:
自分より優れたものがあることを認識し、それに畏怖や畏敬の念を持つこと
何かに敬意を感じ、あこがれ、自分自身をそこに重ね合わせていく心の習慣

リスペクトの精神が失われ、バカでもいいじゃないか、という空気に
開き直り社会、バカ工程社会、ノーリスペクト社会に

・垂直志向から水平志向の世の中へ
かつての日本 = リスペクト社会
 教師・意思・親・先人に対する尊敬・感謝の念
 学ぶことへのリスペクト = 学びへのあこがれ

現在の日本 = ノーリスペクト社会
 尊敬・感謝の喪失
 モンスターペアレンツ、ペイシェントの出現
 勉強嫌い、活字文化の衰退、読書離れ

・やさしさを重要視
真善美を求める、正義を突き詰める、天下国家を論じる考えから、
やさしさが価値を持つようになった

やさしさはカウンターカルチャー
親が子供を鍛え、社会が人を鍛え、厳しさのなかで何かを生み出す価値観、
だれもが努力し、我慢し、作り上げてきた資本主義社会に対抗して、
それを受け入れられない若者を中心に広がってきた

人に対しても、自分に対してもやさしく、本当の自分を見失わない生き方を求める
永遠に若者でいたい症候群、責任を大人として引き受ける意識が希薄になる

・学びをうばったアメリカ化
戦前はアメリカよりもヨーロッパ、ロシアの影響を強くうけていたが、
戦後はライフスタイル、思想的にもアメリカ文化に支配された
特にロックがその普及に大きく貢献した

アメリカの若者文化はカウンターカルチャーであり、
無から何かを生み出すのではなく、現在あるものへ対立する考え

伝統的な知 = ヨーロッパの古典主義への対抗
文化、知的遺産、教養への対抗意識

アメリカ人には1日でなれるが、フランス人には1日ではなれない
思想的な教養が要求される敷居の高さ

一方で、アメリカのフロンティアスピリット、インディペンデントな気概という
文化の優れた面は取り入れられなかった

教養主義を失い、中途半端にアメリカ化し、
寄りかかる柱を失ってしまい、金銭至上主義へ走ってきた

・自己形成から自分探しへ
自己形成
 学びの積み重ねによる自己形成
 旧制高校的教養主義
 垂直願望
  自己を掘り下げる、自己を向上させる、構築する

自分探し 1980年代~
 自分への不安感から瞑想
 水平願望
  どこかで幸運で出会いがあり、自分が一気に変わる

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2012年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

知へのリスペクトの低下を嘆くあまり、序盤から多少強引だなァと思う展開が気になる。ロックが嫌いなのは分かるが、アメリカ文化の輸入によって、まず既存の主流文化への抵抗から「時間をかけてやっと得られる教養」を志向しなくなり、そのうえ代わりにすぐ得られる快楽を選択するようになった、てのが特によく分からない。

でもこういう熱いひとが現状を嘆いてくれないと何も変わらない。知識がなければ、不利益を被ることを知ってほしい。その啓蒙のための入門書としてであれば使えるような(文章はさすがに読みやすい)。

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2013年06月06日

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