あらすじ
「結婚一周年だよ、ミセス・パレンティ」夫サウルのささやきに、ジゼルの胸は幸福感で満たされた。孤独を乗り越え、やっとつかんだ永遠の約束。だが、愛を確かめ合った直後、衝撃の一報がもたらされた。サウルのいとこであるアレジオ国の大公アルドが暗殺事件に巻き込まれ、瀕死の重傷を負ったという。急いで駆けつけたサウルに跡を継ぐよう頼み、アルドは息を引き取る。子供は作らない。それがサウルとジゼルの婚前の取り決めだった。だが大公の座に就けば、世継ぎをもうけざるをえない。喪失感ととまどいの中で、夫婦の果てしない葛藤が始まった。■連続刊行の『アレジオ公国の花嫁』二部作、後編をお届けします。ある事情から子供を持たないことに合意しているサウルとジゼル。とつぜん大公と妃となった二人の愛の揺らぎを描きます。
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Posted by ブクログ
前編の「愛に惑う二人」から読み進めてきて、この後半の「哀しみの宮殿」まで、長編で読み応えがありました。
前編の冒頭では、劇的な出逢いをして、お世辞にもお互いに良い印象を持たなかった二人が恋に落ち、やがて夫婦となるまでを描いた「愛に惑う二人」。
今回は夫婦として幸せに暮らす二人が、夫サウルが突如として大公位に即位しなければならなくなり、「子供は作らない」という夫婦の確固としたルールを変更せざるを得なくなったところから始まります。
ヒロインの戸惑いと哀しみが克明に描かれ、そんな中での予期せぬ妊娠に更に事態は混迷を極め、、、
どのような事態になろうとも、「大切なのは君だ」と言い切る夫の頼もしさ、優しさによって、果たしてヒロインは危機を乗り越えられるのか?
ヒロインが頑なに子供を持たないと決めいる背景には、幼い頃の悲惨な事故がトラウマとなっているからに他なりません。
自分もかつての母親のように、我が子を殺そうとするのてはないかという恐怖心です。
他人から見れば、心配のしすぎなだけではと思う恐怖も、彼女の幼い日の体験を考えれば、仕方ないことなのかもしれません。
夫婦で大きな危機を乗り越えたラストは感動的でした。
Posted by ブクログ
産後鬱を取り上げた話し。と言ってもヒロインの悩みが産後鬱だとわかるのは後半だけど。深刻に悩むヒロインの話しだから硬くて暗くて最後にはハッピーエンドっていうストーリー的には特に何もなしって感じ。だけど、産後鬱の経験者として語りたい。一人目を産んでみたら可愛い赤ちゃんというより人語を解さないエイリアンみたいに思えてそれが夜中にゴソゴソするのが不気味でしょうがなかった。それでも完璧なお母さんしなくちゃと本を片手に頑張ってたら段々と落ち込んできて何も食べられなくなった。少しでも食べなきゃおっぱいが出ないでしょと言われるのが凄く苦痛だった。すぐに主人の両親が飛んできてあれこれと言ってくるのがたまらなく嫌だった。やっとの事で病院に連れていかれて、叱られるかと思ってたら「食べたくなければ食べなくていいんですよ。おっぱいが出なければミルクがあるし、泣いたからといってすぐに抱き上げなくてもいいんですよ。」と言ってもらってものすごく気分がラクになった。今となっては懐かしい思い出で、3人も産めばしょーしょーのことでは動じなくなるもんです。でも鬱ってささいな一言で落ち込むし、反対に励まされたりもするんだよね。世の中のお母さん、頑張れ〜、きっと誰か応援してくれる人がいるよ〜。甘えていいんだよ〜。2013.1
Posted by ブクログ
アレジオの前編を読まないうちに後半が来てしまった。延々子供を持たないようにする悩み、次は持たなくする悩み、持つ為の悩み、HQロマンスはどこだ!延々ヒロインの悩みとのろけに付き合わされてうんざり、前半読んでないから大目に見て★3です。