あらすじ
生命の誕生という宇宙最大の謎を、最先端の知見で明かす。
地球だけでなく、この宇宙は生命に満ち溢れている。
ウイルスは人類の祖先なのか?
NHKカルチャーラジオで絶賛放送。
■内容
はじめに――この宇宙は、生命を生む宇宙である
1章 この宇宙に地球外生命が存在する可能性 ――地球外生命探査の最前線――
2章 そもそも生命とは何か
・生命は進化する
・生命とは細胞である
・生命とは生きている状態
3章 生命はどうやって〝生きている状態〟を維持しているのか
4章 生命はいつ何処でいかにして生まれたのか
5章 ウイルスは生命の祖先なのか
6章 地球という惑星において、生命が、なぜ進化したのか ――「地球」と「地球もどきの惑星」の違い
・地球は、なぜ「地球」になったのか
・地球上でなぜ生物進化が起こったのか
・実際、地球上でどのように生命は進化してきたのか
7章 生物進化が起こる惑星の条件
おわりに
■著者について
松井 孝典(まつい・たかふみ)
1946年静岡県生まれ。千葉工業大学学長。
東京大学理学部卒業、同大学院博士課程修了。
専門は地球物理学、比較惑星学、アストロバイオロジー。NASA客員研究員、東京大学大学院教授を経て東京大学名誉教授。
2009年より千葉工業大学惑星探査研究センター所長。12年より政府の宇宙政策委員会委員(委員長代理)。
1986年、英国の『ネイチャー』誌に海の誕生を解明した「水惑星の理論」を発表、NHKの科学番組『地球大紀行』の制作に参加。88年、日本気象学会から大気・海洋の起源に関する新理論の提唱に対し「堀内賞」、07年、『地球システムの崩壊』(新潮選書)で、第61回毎日出版文化賞(自然科学部門)を受賞。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「生命は如何にして産まれ得るか」「地球生命に匹敵する知的生命体は産まれ得るか」という問いを追求していく本。NHKのラジオ講座をまとめたもので、各章で内容が重複したり前後したりはするが、データを元に深い考察が成されていて納得度も高く、面白く読めた。
Posted by ブクログ
アストロバイオロジー 宇宙生物学
パンスペルミア説:地球生命は宇宙から来た
火星 2012年 キュリオシティ着陸 水の痕跡 有機物 メタン
2014年 日本 MMX 衛星ファボスのサンプルリターン 2029年帰還
木星 衛星エウロパ 熱水噴出孔 氷の下には厚さ100kmの海
土星 エンケラドス ガス噴出
系外惑星 5009個発見(2022/3/28) 地球型惑星59個 ハビタブルゾーン21個
天の川銀河1000億個の恒星=1000億個の惑星
生命とは 細胞=生きているいちばん単純な物体
生命=水+脂質:細胞膜+炭水化物:糖)+核酸:DNA、RNA+タンパク質:代謝
電子の流れ、プロトンの流れ、化学反応 地球=電気回路
6つの特性
「炭素」「自由エネルギー」「触媒」「老廃物除去」「境界」「遺伝情報」
海 アルカリ熱水噴出孔 有機物を濃縮 生命の誕生
ウイルスと生物との違い
ウイルスはタンパク質を生むリボソームを持たない
遺伝子情報をmRNAに置き換えタンパク質をつくる
地球のシステム
海がある、プレート運動がある、大陸がある、大気の主成分が窒素、生物がいる
コアの鉄ニッケル合金の対流と自転で磁場が生じ太陽風をブロック
大陸から海へリンなどの養分流入 海の表面で太陽エネルギー利用
光合成微生物 水を分解 酸素を発生 酸素の大気が紫外線遮断
地表の温度=太陽放射-惑星放射+温室効果
大気が無ければ地球はマイナス18℃
炭素循環
大陸が生まれ二酸化炭素を地表に固定、海底に沈殿、火山ガスとして地表に戻る
1m2あたり300W以下の太陽エネルギーなら海は維持できる
シアノバクテリア 水を分解して水素(電子+酸素)を出す 原核生物→
酸素は有機物の反応を高める 真核生物→多細胞生物
左右対称生物 移動可能 6億万年前前後 極移動により酸素の増加
進化 1.既にあるものを利用 2.多機能性 3.反復性 4.モジュール性
生物から知的生命体への進化 ←環境変化
まれな現象で同じ時期に近くで生まれる可能性は低い