【感想・ネタバレ】泣き娘のレビュー

あらすじ

可憐な姿のそのひとは、哭女として今日も葬儀で涙を流す――。中国唐代、神都随一と噂される“哭女”の泪飛は葬式に引っ張りだこ。涙をもって故人の功績を称え謳われることが家の格を表すため、いい家柄の葬儀では優秀な哭女が雇われるのだ。しかし泪飛は妹弟を養うため、性を偽り「哭女」として葬儀で泣くことを職にしたのだった。身分を偽りながら様々な事件や謎に立ち向かう泪飛の思春期の苦悩と成長、そして年上の貴族青年・青蘭との奇跡のような関係を描く、歴史青春ミステリー小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

再読
単行本版感想から転載

武周時代、両親が亡くなり路頭に迷う所を、哭女として弟妹を養う事となった少年の成長と、挑む葬儀の死の真相を追うミステリー

過酷な環境と未熟な子どものできる事、考えられる事は限られていると痛感します

忌まれる職業であり女性しかなれないけれど、10才の少年という事で女装をして、13才で都一の哭女となった泪飛と、そんな彼に訪れる運命の出会いの物語

最終章で、成長した彼が鏡の中の自分に語りかける一言に号泣しました

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2022年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 まだ年端もいかない子供の頃、ちょっとしたことでピーピーと泣く私は親戚の叔母や叔父に大きくなったら、泣き女になればいいとからかわれていました(今思えば、そんな大したことでもなかったんですが、幼稚園にも行っていない幼児をからかいおって)
 そんな経緯もあり、こういう仕事があったということだけは知っていました。

 この物語の主人公、泪飛こと燕飛は少女ではなく、少年。早くに両親を失い、幼い妹と弟を養うためにいやいやながらも哭女をしているのですね。

 男子だと知られるわけにもいかず、父親が役人だったために科挙を受ける準備をしていた彼は無理をしていた母の死に目にもあえず……。

 そんな時に葬儀の帰りに泪飛は一人の青年と出会います。

 青蘭と名乗る青年は親友であった張飛が陰謀から殺されたのではないかと思い、張飛の葬儀に哭女として泪飛に出てほしいと頼むのです……。
 ここから始まる青蘭と燕飛の物語。

 それはこの時代の闇を見ることでもあり、燕飛には自らの身を顧み、新しい道へと踏み出す始まりでもあったのです。

 中華関連の作品で則天武后の時代は珍しいなぁと思いつつ、物語に引き込まれてのあっという間に読んでしまいました♪

 舞台がどの時代であっても中国はその広い大地に多くの民族を抱えていることが問題になるのだなぁとしみじみ。

 民族の違いを相手を否定する理由にしてはならないと強く思いながら、理不尽というものはいつの時代にも私たちの背中に張り付いていて、私たちがそれをはがさなくてはならないのだとも思いました。
 幼い頃の記憶と共に、たくさんのことを考えさせてくれる一冊でした。

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2022年10月21日

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