【感想・ネタバレ】ギフテッドのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月17日

面白かった。ギフテッドを題材にフィクションにした点にまず興味があり読んでみたが、最後に少し呆気なさを感じるものの、読み始めから引き込まれた。

頭のいい子を持て余してしまう妹の気持ちもわからなくない。T大卒という輝かしいキャリアのお姉ちゃん登場、莉緒を相手にしながら結局は自分、森川凛子も新しい人生を...続きを読む歩んでいく。
初恋?流れ星の君が虐待児で、残念な結果に終わる話がちょいちょい含まれる。ギフテッドでも環境次第なのか…悲しい

凛子と同級生の綾乃さんとの飲み会での会話が面白い。

ギフテッドを、
生まれついての脳の機能として、深く学び、深く考えずにはいられない子どもなのよ p.60

特徴として、
「完璧主義で自分にも他人にも高い水準を求める」「好奇心が旺盛であらゆることを知りたがる」
「感受性が強く不安や悲しみを人一倍強く感じる」
「繰り返しや暗誦を嫌う」
「やると決めたらやり抜く」
「人々やものごとを仕切りたがる」
「権威に批判的な態度を取る」  p.61

モラルハラスメントを行う人間は、自己愛性パーソナリティ障害だと診断されることが多い、それは自分の能力を過大評価して、賞賛を求める一方、他者の能力を過小評価する傾向がある。特権意識が強く、共感性が欠如、自分の優越感のために他者を犠牲にする。  p.66

ギフテッドの子が抱える問題は、「困り感が伝わりにくいこと」 …アピールが下手で、知能が高いと自力でどうにかできてしまうことが多い。だから、他者を頼らない。実年齢以上の利発さを見せるから、周りも助けを必要としているとは思わない。p.74

落ちこぼれ ⇄ 浮きこぼれ(上にはみ出してしまう生徒のこと) p.138

若くて可愛い男なんて鑑賞すべきもので、生活を共にするのは無理があると思う。…推しとは、適度な距離でいたい。認知されるより、雲の上の存在でいてほしい。 p.171



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Posted by ブクログ 2023年05月25日

凛子(主人公)は、地元の高校から東京のT大に進学し、その後一般企業に就職したがなじめず、今はフリーランスで実務翻訳の仕事をしながら、東京都内に住んでいる。
 妹と三人の姪っ子達に会いに行くのを楽しみにして、何かプレゼントを渡すことが恒例になっている。とりわけ長女の莉緒とは特に仲がいい。この子は、読書...続きを読む家で、かなり読み応えがあるような本でも喜んでくれる。論理的思考が得意で、妹よりも口が達者であり、弁が立つ。しかし、所詮は子供だ。軽率な発言が多い。相手を論破したところで、合意は得られず、人間関係が悪化して、自分が不利になるだけである、ということを踏まえた上での立まわり方は、まだ身に着けていないのだろう。凛子が訪問した日も妹と莉緒が対立していた。そして、やれやれというように肩をすくめると、莉緒は二階へと上がっていった。

 妹「お姉ちゃん、助けて」「莉緒の受験に力を貸してほしいの」

 凛子「力を貸す、って、勉強を教えるってこと?」「うーん、家庭教師なら、一応、大学生の頃にやった覚えはあるけど、教えたのは高校受験の勉強だったからなあ…。中学受験の問題は、自信ないかも」

 妹「お姉ちゃん、T大卒じゃん。中学に入るための問題が解けないわけないって」

 岡田(妹の夫)は、整形外科医で莉緒のS女(中高一貫校)合格を希望している…。問題を抱えながら家庭教師を引き受けてしまうのです。

 凛子は友人の精神科医綾子に相談してみた。
確かなことは言えないけれど、「姪っ子ちゃん、たぶん、ギフテッドじゃないかな」

 以上が導入部分のあらすじですが、もう一つの物語が差し込まれています。それは著者が本当に伝えたかったことではないかと思いました。

 多くの問題や障害があるのを知りました。どんなに優れた子供であっても幸せになるとは限らないし、充分な教育を受けられない環境の家庭もあります。
世の中が平和的で明るい未来を望みます。
読書は楽しい。

 いつも原稿の文末に「読書は楽しい」と書いて締めていますが、勿論、惨劇や悲しく苦悩の物語が平和的で楽しいとは思っていません。現実を直視したうえで、「読書を通して知ることが出来た言葉の発露として、「読書は楽しい」と表現しているのです。
ご理解くださいませ。

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Posted by ブクログ 2023年04月01日

ギフテッドは日本の教育の中で見過ごされてきた子どもたち。理解のある環境になければ、平均的な子どもの教育をする公立の学校では居心地の悪い思いをする。発達障がいと言われる子どもたちも学校に居心地の悪さを感じる。その子にとって居心地の良い場所とは?家庭、学校だけでない第3の子どもの居場所についても描かれて...続きを読むいる。

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Posted by ブクログ 2023年02月01日

T大卒で一流企業に就職したが退職し、今はフリーの翻訳者である凛子。
凛子には、結婚し3人の子どもを持つ妹がいる。
どうやら小学生の姪の莉緒が、中学受験を控えているが学校でも塾でも上手くやっていけないらしい。

凛子が莉緒の受験勉強をみているうちにある特性を持っていることに気づく。

発達障害とひとく...続きを読むくりに言われがちだが、先天的に平均よりも頻著に高い能力を備えていて、ある特定の分野で並外れた才能を示す子どものことで、ギフテッド児という。
ギフテッドの特徴として『好奇心が旺盛であらゆることを知りたがる』『完璧主義で自分にも他人にも高い水準を求める』『感受性が強く、不安や悲しみを人一倍強く感じる』『繰り返しや暗誦を嫌う』『やると決めたらやり抜く』『人々やものごとを仕切りたがる』『権威に批判的な態度を取る』

並外れた能力をもつ個人は、その能力が平均的な能力からあまりにもかけ離れているために、幼少時から偏見や無理解の対象になりやすいだけでなく、発達障害や様々な精神疾患と「誤診」されることが多い。

これが莉緒に当てはまるとわかり、凛子が勉強を見ているうちに何が彼女にとって理解でき、向上できるのかを探していく。

莉緒と接していくうちに凛子の人には見せていない心の内側も変化していったように思う。

子どもたちを見ていると新たな発見もあり、教えられることもある。
しっかりと子どもを見ていないと見落とすことになるのかもしれない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月26日

「ギフテッド」のタイトルが最初何の事か判りませんでしたが、人より頭が良い筈なのに日本の教育方針では弾かれてしまう子の事なんですね。

凛子が東大卒でエリート街道に乗れず不器用な生き方をしているのがもどかしかったです。
そして、妹の旦那の東大コンプレックスに辟易でした。姉が東大卒と知って本命になったっ...続きを読むてのを知っていて結婚した妹も、また学歴コンプレックスがあったのでしょうね。モラハラ気味の義家族に良く耐えているなと思いました。

姪っ子の莉緒の本当の意味での頭の良さに脱帽でした。父親を上手く転がして行きたい学校を選ぶ辺りに驚きました。

凛子の初恋の子は、ミスリードで騙されました。ラストの男の子は救われて欲しいです。

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Posted by ブクログ 2023年09月25日

最初は今ひとつ、莉緒のギフテッドぶりが描けていないと思ったが、後半になるにつれ、賢い子だなあと感心するようになった。
最後の最後で、納得の結末に収まり、星四つに格上げ。

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Posted by ブクログ 2023年09月21日

小説というより、ブログでも読んでいるような気になった。ギフテッド関連の蘊蓄は、聞いたことがあるような話が多いが、主人公の考えとよくつながっているので、するっと入ってくる。妹の長女のエピソードは、少し恩田陸の『なんとかしなくちゃ』や、ブレイディさんの『ぼくはイエローで』 を思い出させる。周りをよく見て...続きを読むいる賢い子。こういう子が学校や塾では浮いているのはなんだかせつない。きっと話が合う子がいるはずで、塾をちゃんと選んであげるのは親の責任かなと思う。

この姪の受験の顛末は、納得のラストだった。
藤野さんの作品、久しぶりに手を出したがやっぱり好き。

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Posted by ブクログ 2023年06月25日

今の社会の問題とされる課題をたくさん詰め込んだ内容を、おそらく自身もギフテッドである主人公を通して描いた作品。それも最後に総まとめしてきれいに仕上げてあります。
もうかなり前のことだけど、子供が中学受験をした経験からもちょっと深く読めたかも。久々にちょっと泣いちゃった作品。ある意味怖すぎる程、聡明な...続きを読む姪っ子の兄弟を思う気持ちのところで感動。面白かったよ!

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Posted by ブクログ 2023年06月23日

興味深いテーマで
作者の多方面での知識の豊富さに驚かされる。
しかもその知識をうまく作品中にちりばめてあって
上手にまとめられている。
面白かったです。

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Posted by ブクログ 2023年04月19日

ギフテッド児とは、先天的に平均よりも顕著に高い能力を備えていて、ある特定の分野で並外れた才能を示す子供のこと。そして、生まれついての脳の機能として、深く学び、深く考えずにはいられない子供のこと。
主人公凛子には、ギフテッドと思われる姪がいて、中学受験の勉強をお手伝いするのですが、T大卒の凛子とも対等...続きを読むに会話のできる聡明“過ぎる“子ども。学校でも塾でもうまくいかず、問題ばかり起こしてしまうのです。こういう子を落ちこぼれならぬ浮きこぼれというのだそうです。そして、発達障害と誤診されてしまうこともあるとか。
T大卒の凛子も、学校ではなかなか気の合う友だちができず、就職先でも『T大卒のくせに』などと言われ‥‥
いわゆる普通の人たちからはみ出してしまう人は、やはり生きづらいのですね。発達障害の人たちへの支援は進んできているけれど、浮きこぼれている人たち、特に子どもに対しては、聡明“過ぎる“がゆえに生意気で扱いづらいと思われるだけで終わってしまう。
この物語で何よりも印象に残ったのは凛子の受け答えの素晴らしさ。これこそが聞き上手。おそらく、それゆえに新しい居場所が見つかってゆくのですが、ギフテッドの子たちにも過ごしやすい居場所が見つかるといいなと思います。

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Posted by ブクログ 2023年04月18日

主人公の独身女性の凛子がクリスマスイブの昼下がり姪たちのクリスマスプレゼントを書店で選ぶシーンから始まります。

凛子はT大卒(たぶん東大)で、家で翻訳の仕事をしている30代後半の女性で前職はストレスで辞めています。

姪たちは自分の妹の子どもたちで、長女の小学五年生の莉緒は勉強ができて虫が好き。
...続きを読む次女のまひろはバレエを習っていて音感がいい子。
末っ子の真之介は自閉症スペクトラム症ではないかという疑いが後に出てきます。

凛子が友人の精神科医の綾乃に莉緒の中学受験の家庭教師を頼まれたことを相談すると、綾乃は莉緒が先天的に平均よりも顕著に高い能力を備えていて、ある特定の分野で並はずれた才能を示す子ども、である『ギフテッド』ではないかといいます。

そしてギフテッドの子が抱える問題は「困り感が伝わりにくい」ことだと言います。
そして凛子は莉緒の家庭教師として中学受験に対応していこうとしますが…。

凛子には初恋の男の子で、やはり今思えば『ギフテッド』だった少年『流れ星の君』がいます。
一度だけ二人で流れ星を見て、星座の話を聞いたことがあるのです。
凛子は大人になってもいつもその少年を探していました。
そして、少年の行方がわかり、莉緒の中学受験も決着がつきますが…。


中学受験は本当に大変そうですね。
私が子どもの頃はそんなに流行っていなかったですけど、今、都会の子どもたちにとってはかなり切実な問題なんですね。

莉緒の将来の夢と決断にははっとさせられました。
「国力を強化するための教養と個人が幸せになるための教養は別物だ」
「大人が正しく判断して、決めてあげなければならない」などの言葉が心に残りました。

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Posted by ブクログ 2023年03月21日

ただ嫌悪して批判するのではなく、冷静に相手の気持ちを分析し、共感できる部分、できない部分をきちんと言語化できる主人公は、今までの小説ではあまりなかったタイプでした。とても好感のもてる主人公と引き込まれる文章、好きです‼️

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Posted by ブクログ 2023年03月16日

ギフテッド=神様からの贈り物と言うくらいだから、並外れた天才児を指すという認識だったけど、書かれていた基準が思ったより低くて意外だった。
知能が低いことに対する支援は当然必要と思われるけど、高いことに対する支援は忘れられがち。
こういう子の良さも存分に発揮出来る世の中になったらいいなと思った。
莉緒...続きを読むちゃんがギフテッドかどうかはよくわからないけど、聡明で真の賢さを持った子だと思う。
こんな子が未来の総理大臣になってくれたらいいな。

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Posted by ブクログ 2023年02月03日

一流企業を退社してフリーランスの翻訳者として働く凛子は、3人の子をもつ妹に頼まれて姪の中学受験の指導をすることになる。姪は知能は高いが他者とぶつかりやすいちょっと変わった個性の子供で、彼女たち家族と向き合うことで凛子も成長してゆく物語。
ギフテッドとは、生まれつき突出した知能を授かった人のこと。しか...続きを読むし現代日本ではそれは福音ではなく、標準からずれていることで苦悩も多い。子供の個性、それを育てる親の苦労などいろいろ考えさせられたが、希望を感じさせるラストで読後感は良かった。

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Posted by ブクログ 2023年01月10日

正義感が強く、興味を示すことのみ集中する莉緒。学校に溶け込めないことで何かと病名をつけたがる大人たち。ギフテッドとは並外れた才能を持つ子供のことをいうらしい。学ぶことが多い一冊でした。

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Posted by ブクログ 2023年01月04日

高い知能と潜在能力をもつ子供たちを総称して〈ギフテッド〉と呼ぶ。具体的にはIQ130以上ということになるらしい。が、彼らは一般に特異な行動もするらしく、発達障害をはじめとするなんらかの障害があると疑われることもある。
本書の主人公凛子はT大卒だが、会社に馴染めず退職。今はフリーの翻訳家として暮らして...続きを読むいる。彼女の姪の莉緒は中学受験を控えているが情緒不安定で、案じた母親から家庭教師を頼まれる。莉緒と接するうちに、彼女がギフテッドなのではと思い始める……。
頭がいいことが幸せに結びつかなかった凛子が、莉緒の将来を案ずるのは当然のことで抵抗なく読めた。さらには彼女の過去と現在もリンクしていて、見事な構成に唸った。

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Posted by ブクログ 2023年11月09日

勉強ができない、人の心がわからないという悩みは
物語の中で目にすることが多いけれど
人より勉強ができたり、人の気持ちがわかりすぎてしまう苦しさをストレートに描いた物語は
あまりなかったのではないかな。
人は能力があり過ぎることでもマイノリティーになってしまう。
ひと目見て答えがわかるような算数の問題...続きを読む
授業中ずっと教室で聞いていなければいけない子どもの辛さを
このまま大人は見て見ぬふりをしていていいのだろうか。
多様性を認めるというのなら、何よりもまず
子どもの教育の場にどんどん取り入れてほしいな。

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Posted by ブクログ 2023年08月29日

ギフテッドに興味があるあって読んでみた。
主人公もめいっこもとても頭が良いみたいだが、思ったより変わった人じゃなかったのでどの程度からがギフテッドと呼ばれるのか不思議に思った。
頭が良いと授業がつまらないというのがよく分かる。
早く学校がそう言う子供に対応してくれたら良いと思う。

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Posted by ブクログ 2023年07月06日

ギフテットか〜、うちの子も自閉症スペクトラムと診断されたり、グレーゾーンと言われたりする子で、いろいろ苦労しながら子育てしてきたけれど、年々区分が細かくなってきて、カテゴリー分けして、子どもたちにシールを貼っていくような、そんな環境に疑問を感じていたりしているので、どんな子でも安心できる場所があるの...続きを読むはほんと理想だよな〜と思った。難しいけどね。

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Posted by ブクログ 2023年04月23日

ギフテッド、という言葉を初めて知った。出来ないのも問題だが、出来すぎるのも生きにくいのだろうなあ〜。純粋な子どもがそのまま大人になれないなんて、なんて悲しいんだろう。それにしてもリコちゃん頭いいなー。聡明すぎてちょっと怖いけど。それでもいい読後感だった。

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Posted by ブクログ 2023年04月13日

「ギフテッド」というタイトルからギフテッドと呼ばれる子供の生きづらさや、その子供を取り巻く環境の問題を掘り下げている話かと思いきや、その優秀な子に家庭教師をすることになった東大卒の人生に迷える女性が賢い子供(莉緒)に触発され、影響を受け、自分の生き方を見つけていく物語でちょっと肩透かしの印象。

...続きを読むフテッドである莉緒は小学校六年生とは思えないくらい聡明で、思慮深くとても魅力的な子だったが、主人公の凛子がどうしても好きになれなかった。
東大卒ということへの自意識過剰さ、何でも女性差別に結びつけようとする被害者意識、上から目線と言われたくないと言いながら、常に人を自分の物差しで測り、断罪する傲慢さ。その割に自己肯定感が低くて読んでいてイライラする。

最後まで凛子には好感を覚えず、救いは莉緒の真っすぐさと、その行く手を親が阻まなかったことかな。

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Posted by ブクログ 2023年04月12日

「ギフテッド」とよばれる天才児がメインの話かと思っていたが、虐待やお受験の話、という印象を持った。あと、主人公聞き上手だな~と思った。

頭がいい、賢い≠生きやすい、というのはあまり知られていないというか、理解できない人が多い気がする。多数派が生きやすい日本ならではなのか。各々の個性を生かせる世の中...続きを読むになって欲しい。

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Posted by ブクログ 2023年03月14日

日本はこういう国だよね…とマイナス面の方で思ってしまうシーンが多かった。
折角何かの才能があっても、周りに合わせられなければ「変わってる」扱い。「発達障害」という言葉も昔はなかったが、今はある。自分にもし「発達障害」と診断された子がいたら、どう思うだろうか。診断されなかった方が良かったと思う様な気も...続きを読むするが、明確な診断がされて、そのまま居づらいクラスにいるよりふさわしい場所で学ぶ方が本人にとっては良いかもしれない。

できない子が苦労するだけではなく、できる子も苦労するのが今の日本。
頭の回転が速いため、口喧嘩で正論を言ってしまい、親の感情を逆撫でしてしまうなんてこともある。親も所詮は人間なんだから、子に口ごたえされて苛つくのはしょうが無い。ただ、どんな子にでも、愛情を注ぐことだけは怠らないでほしいと切に思う。

凛子の莉緒への接し方が素敵だと思う。決して媚びず、かと言って突き放したりせず、妹の教育方針には口を出さない。私は自分の知らないことを聞いてこられると嫌なので子どもは苦手だが、凛子は知識量が豊富なので大抵は答えられる。文中で莉緒が言っているように、凛子は安心できる存在なんだろうなと思う。
凛子自身も東大卒であることをネタにされて散々嫌な思いをしてきたからこそ、莉緒の気持ちに沿うことができたのだろう。

生きにくい世の中でも、自分を分かってくれる人がいればそれだけで生きていける。

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Posted by ブクログ 2023年03月06日

『賢さ』も『頭の良さ』も並外れてしまうとメリットばかりではない。
突出した個性を持つ子供の生きづらさ。
IQが高い子には無縁のように思えるけれど、こうして小説として読むと、その深い孤独がよく分かる。

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Posted by ブクログ 2023年02月18日

「神からの贈り物」という意味を持つギフテッド。
並外れた記憶力と理解力を持つ賢い子を指してそう呼ぶが、反面、集団生活に馴染めない等の特徴がある。

本作の主人公は国内トップの大学を卒業し一流企業に就職したものの退職、現在はフリーランスの翻訳者として暮らす凛子。

凛子は妹に頼まれ姪の中学受験の支援を...続きを読むする事に。
ギフテッドの特性を持つ姪の莉緒と、発達障害の疑いがある莉緒の弟を通し、家族の在り方と教育格差について考えさせられた。

一人として同じ人間がいないように子供達もいろいろ。

受容する事の大切さを改めて気付かせてくれる。

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