あらすじ
【内容紹介】
「地域から若者がいなくなる」
「空き家がどんどん増えていく」
という課題は、いまや全国各地どこに行っても存在する共通の課題ですが、その解決策は地域ごとに異なります。
あの地域でうまくいったからこっちの地域でもうまくいく、ということはありません。
地形も歴史的背景もそこに暮らす人も、地域によって条件がすべて異なるからです。
大事なのは、簡単には揺らがない仕組みづくりです。
それが、「NIPPONIA」事業で少しはかたちになっているのではないか、と僕は考えています。
【著者紹介】
[著]藤原 岳史(ふじわら・たけし)
株式会社NOTE代表取締役社長、一般社団法人ノオト代表理事。1974年生まれ。兵庫県丹波篠山市出身。外食企業での勤務を経て、アメリカのIT企業でインターンを経験。帰国後、IT企業勤務を数社経てシナジーマーケティング株式会社に入社し上場メンバーとして寄与。
その後、自身の故郷の活性化に取り組みたいという思いが強まり、故郷の丹波篠山市にUターン。2010年に一般社団法人ノオトの理事に就任し、古民家再生によるまちづくり事業に取り組む。2016年5月に株式会社NOTEを設立し代表取締役に就任。
現在は古民家等の地域資源を活用した地方創生・地域活性化事業である「NIPPONIA」事業を全国で展開している。
【目次抜粋】
はじめに
プロローグ すべての学びの原点──「集落丸山」プロジェクト
第1章 全国に広がるNIPPONIAという“まちづくり開発事業”
第2章 地域を変革する古民家を活用した再生事業
第3章 地域再生のカギを握る「体制づくり」
第4章 NIPPONIAがもつ“革新性”とは?
第5章 人口700人の山奥の村に見る「地域運営」とは?
第6章 20組以上の移住者が開業。丹波篠山・福住地区に見る「エリアマネジメント」
第7章 観光まちづくり事業が進む愛媛・大洲に見る「官民連携のあり方」
おわりに
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Posted by ブクログ
【分散型古民家再生】
興味深く読んだ。地域活性化のために必要な、地域の資源を活用し、地域の経済を持続的なものにするための、本当に具体策だった。
著者は現在、民間企業を通して、地域活性化を実現するための分散型古民家事業を全国約30カ所で実施していて、この本ではそれまでのいきさつや、実際にどのような手法で取り組んでいるのかというステップ、アプローチを具体的に紹介している。特に重要視されていると思ったのは、地域住民との関係性。地域それぞれの状況や人間関係に取り組む作業でもあるとのだと学んだ。
個人的に経験をした国際協力等での開発支援の現場と、似ている部分が多々あるのだと思った。やはり、外部からその地域を開発・振興しようという農村開発などの滑動は、実体験を積んで学んでいくものも多く、著者の約10年のこれまでの経験をもとにした知識の共有がなされていた。
社会課題を解決するために設立されたソーシャルビジネスとしては、地位活性化の分野において、既存の民間企業と公的セクター両者をつなぐという重要な役割があることも分かった。一人ひとりの人間の力、そしてそれらのユニークな経験や能力がうまく集まってできることってすごいと改めて思った。