あらすじ
「ソース(創造の源)は誰か?」に目を向ければ
チームが息を吹き返す
トップダウン×ボトムアップ
2つの力を創造的に活かす
新たなリーダーシップ
「もし私が事前に知っていたら、必ず『ティール組織』で紹介していた」
by フレデリック・ラルー
◆ソース原理とは
500人以上の起業家・経営者による研究からピーター・カーニックが見出した、
「人がビジョンを実現しようとするプロセス」を捉える原理原則。
「ソース」とは、「アイデアを実現するためにリスクを負って最初の一歩を踏み出した個人」であり、必ず1人しかいないとされる。
最初の一歩を踏み出した瞬間に「クリエイティブ・フィールド」(創造の場)が生まれ、
そこに惹きつけられた人々が集まり、さまざまな役割を担いながらビジョンの実現に向けて
共にイニシアチブ(創造活動)に取り組む。
本書は、起業家のトム・ニクソンが自社やクライアント向けにソース原理を実践した経験から、
イニシアチブの立ち上げから、組織づくり、採用、事業承継、お金との向き合い方まで
具体的な実践方法を示した一冊。
近年注目を集める『ティール組織』著者のフレデリック・ラルーが、
「もし私が事前に知っていたら、必ず『ティール組織』で紹介していた」というほど
重要な概念として紹介されたため、世界中の次世代型リーダーが学び、実践しはじめている。
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Posted by ブクログ
まず最初に巻末にある用語集やコンセプト概要を読んだ方がわかりやすいかもしれない。これらを踏まえて気になる章から読んでいくのが良さそう。
個人的に刺さる内容だったところは以下。
第5章の「ソースとしての振る舞い」ではソースコンパスに基づいた説明の後にある4つの行動「耳を傾ける」「ホストする」「分かち合う」「決断する」のどれもが欠けてはいけないことだとわかる。
第7章の「ビジョンを明確にする」ではまずそもそも類似であるミッションやパーパースなどがあるが、言っていることはどれも同じで、違いは「WHAT」に対して短期なのか長期なのかの時間軸のみであるということと、その「WHAT」に対する「WHY」と「HOW」の使い方がとても参考になる。
第8章の「ソースと文化の深いつながり」で文化は固定的なモノではなくて、相互交流で生まれる動的な現象だと捉えるということと、その中でやはりソースの振る舞いが重要なポイントになっていることがわかる。
また個人的にはPart2の後半にある「財務を問い直す」「ソースの継承」「合併と買収」やPart3の内容全体的が、今改めて自分にとって考えないといけない転換点の要素なのではないか、という気づきのある内容だった。
Posted by ブクログ
・ビジョンを実現するには、組織そのものではなく、その奥にある「アイデアを実現するという創造的なプロセス」に焦点を当てること、そして、そのプロセスにおいて一人の人物が特別に持つオーサーシップや責任=ソースの役割」を認識すること
・ソース熾仁は、まだ存在しない未来を思い描き、それを現実化させる人間の素晴らしい力を発揮する。今この瞬間、充実して生き、存分に創造性を発揮している、そしてそれを楽しんでいる人なのだ
・ソースの役割は、1人の個人が、傷つくかもしれないリスクを負いながら、最初の一歩を踏み出し、アイデアの実現へ身を投じたとき、自然に生まれるものだ
・自分の人生においては、自分が完全なソースであることを認識しなければならない。ソースでないと気づいてソースをサポートすることも愛に満ちた行為だ
・誰がソース化を率直に明らかにすることで、軌道修正のプロセスを始めることができるだれが何の役割を自然と担っているかを理解し、その役割へと各人が踏み出していけるよう後押しすることは、非常に効果が高い施策だ
・組織とは、私たちの想像から成り立つものだ。客観的な現実に存在する実態というよりも、物語である。組織を尊重するがゆえに個人のビジョンや願いが押さえつけられてしまうと、自分の代わりにビジョンや願いを組織に実現してもらおうと考えるようになる。その結果、どんなにパーパス志向の組織であったとしても、混乱や、不満や、権力闘争が生じる
・コーラーは、工事のものに呼びかけられている感覚を持ち、たいていは何人かと会話していくうちに人に呼びかけたい問いが形成され、その問いがきっかけとなってさらに多くの人を巻き込んだ探求プロセスが始まる
・組織が「生産性のために集う人の集合体」から、「かけがえのないことなる人生の旅路を送る仲間が集まり、その旅路を応援しあいながら、共通の目的に向かって力を合わせて動く集合体」に変わっていき、一人一人の人間性に目が向くようになる
・ソース原理の大前提は「一人一人が自分の人生のソースである」
・ソースとは、たとえば「本当に始めよう―あなたは参加する?」といった発言をする人物だ。あるいは最初に具体的な形で周りに助けを求める人物だ。つまり、ただアイデアについて語るだけでなく、実際の行動に移そうとした人物だ。
・ムーブメントを立ち上げたいという気持ちをもって、ブラッドブルックは自分をさらけ出した。彼女が持っていたのは答えよりもたくさんの問いだった。周りの人たちに耳を傾けて、クリエイティブフィールドを作り、ビジョンを明確にして次のステップへの準備を進めていった。はらむは、その答えの提供に一役買った。彼から提供された情報の価値は計り知れない。それでも、はらむではなく、ブラッドブルックがソースであると認識することは非常に効果的だ
・わからない状態は自然だし、避けられないものだ。その状態を受け入れたほうがいい。わからない状態と仲良くなろう。それと付き合いながら、明確さをもたらすスキルは練習しながら伸ばしていこう。
・明確さが訪れるまでは、重要なステップに取り掛からないようにしよう。明確でないまま進んでしまうと、必ずといっていいほど痛々しくて大証の大きい軌道修正に迫られる。心を決めれば恐れは減る。何をすべきかを知れば、おそれは消え去る
・ソースが取るべき4つの行動
1.耳を傾ける
2.ホストする
3.分かち合う
4.決断する
・ソースが真に明確であるなら、メンバーに強制する必要はほとんどない。自然と周りの合意が取れるはずだし、そこに至った経緯はみんなで決めていったと解釈されるだろう
・各イニシアティブは完全に領域の内側化外側に存在しなければならない。ビジョンを妥協してイニシアティブの形を曲げると全員にとって困難が生じてしまうからだ
・業務協力者とサブソースへの接し方を混同してしまうと問題が生じる。イニシアティブのなかでは、準備が整った業務協力者が創造性を発揮していけるような機会を積極的に作り出していくといいだろう
・具体的に何をしているかはどのレベルでも動詞として記されているべき
・チームとしてサブイニチアティブが立ち上がっていく中で、全体ソースは、それらがアウトプット、つまりビジョンの実現に貢献するような形で生まれているかに注意しよう。
・どんな対立であっても、その背景には「誰かに何かをしてほしい・やめてほしい」というリクエストや期待がある。
・数値による指標だけで進捗確認を行うべきではない。そのビジョン実現において、ソースやサブソースの持っている感覚なども含めた、多面的なアプローチを行うべきである
・心躍る一年というのは、ビジョンが実現へと近づき、社会や環境にいいインパクトを生み出し、そのプロセスを自分たちが楽しんだ年のはずだ
・感情は「切り離せない自分の一部」や「外部の状況によって翻弄されるもの」ではなく、関心をもって観察できる対象。「自分自身が感情だ」という認識から「自分はこの感情を経験しているのだ」という認識にシフトさせる
・「私は不安だ。それでいいんだよ」から「私は不安だ。それはいいことだ」に移っていく
Posted by ブクログ
ミュージシャンがバンドを始めるような時のエネルギーと似ているように思った。経営や組織論と合わせるから難しく感じるがプロジェクトと捉えるともっとすんなり入る。この本の場合、プロジェクトのソースは主にサブソースに当たることが多そうだが。
役職と必ずしも合わさらないというのは非常によくわかる。きっとM&Aとか任命社長とかになるとよりよく体感できそう。
ティール組織の問いが、いかに魂が宿る組織を作るか だとすると、ソース理論は アイデアを実現させるにはどうするか? という問いという整理はわかりやすかった。
Posted by ブクログ
ビジネスやプロジェクトを遂行する組織、戦略、チームなど、成果を出し続ける仕組みや意欲の源泉を「人」、特に「創業者」に着目して分析したもの。組織作りの(現時点の)頂点がティールだとすると、これはそのティールを作る上で必要な「人」ということになるのだろう。これまで、オーラとかカリスマとか、創業者の志という表現で扱われていたものを詳しく説明してくれている。確かに、全てのアイディアやプロジェクトは人から生まれるものだし、その人についていくことでチームが作られるのだろう。反対に、AIが出したアイディアについて行ったり、共感したり、AI社長の会社で頑張ろうというふうには思えないだろうなあ。ソース人材の有無が組織の成否に関わるなら、投資評価とか起業支援にも使えそうな考え方。