【感想・ネタバレ】水底のスピカのレビュー

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Posted by ブクログ

高校生という多感な時期に、それぞれ抱えるコンプレックスに向き合う5人の登場人物の葛藤や成長が鮮明に描かれ、読んでるこっちまで心が苦しくなってしまった。みんな抱えるものがあるし、辛いことも多いけど、和奈、更紗、美令の3人のようになれたらいいなと思った。

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2023年11月05日

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舞台は札幌のある高校、東京から容姿端麗にして頭脳明晰の女子が転入してくるところからストーリーが始まる。
もしかして白麗ってあの高校がモデルなのかしら?と思いつつ読み進める。

修学旅行や文化祭、真冬の吹雪の中、新港まで海を見に向かった美令を自由行動組の4人+藤宮先生が必死で探しに行ったり、春休みに夏月の実家の農家へアルバイトしに行ったりと、様々な出来事を重ねる中で、徐々に近づく距離感にドキドキし、育まれていく登場人物たちの友情が美しかった。
あーあ!青春って瑞々しくていいな!私も高校生の頃に戻れるなら戻ってみたいよ!と思っちゃった。
和奈、美令、更紗、萌芽、清太の友情が末永く続きますように、美令が自由に生きられますように…と願うばかりです。
読後感爽快でした。
物語の世界をより鮮明にイメージさせる雪下まゆさんの装画も素敵でした。

乾ルカさんの本を読んだことがない人に勧めるなら、これまでは「てふてふ荘」って言っていましたが、この本も勧めたいと感じました。

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2023年07月25日

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 北海道札幌市内の高校に通う3人の女子高生の成長を描く群像劇。

      * * * * *

 スポットは美令、和奈、更紗の女子3人に当てられていますが、ヒロインは和奈で美令と更紗は準ヒロインという位置づけ。時おりクラスメイト男子の萌芽の視点が挿まれるのは、彼が和奈との淡い恋の相手だからでしょう。


 それにしても、なかなか重厚なストーリーでした。

 キャラ設定からしてよく練られている印象を受けました。特に脇を固める人物がすばらしかった。

 何と言っても、準ヒロインの2人の少女がいい。
 
 転校生の美令はミステリアスな雰囲気を持つ美少女で、超然とした態度を崩さないクールビューティ。
 更紗はクラスカーストの上位者で明るさと要領よさを持った女生徒です。
 この2人の存在感の大きさが、常に「観察者」でいようとする和奈の地味さを絶妙にカバーしているように思いました。

 さらに2人には心にのしかかる重い事がらがあります。
 美令はヤングケアラーであり、更紗は6年前に東日本大震災で被災し父親を津波で亡くした経験を持っています。
 そんな内面に影を落とさざるを得ない事情を抱えながらも、2人はそれを表に出さずに学校生活を送っているのです。
 
 ともすれば重く辛気臭い展開になってしまうところですが、そうならないのは美令と更紗に通ずるところがあるからでした。
 どちらもまっすぐで潔い。そんな芯の強さを持った2人の人間的魅力が、コンプレックスが強く殻に籠りがちな和奈を変えていきます。見事な筋立てだと思います。
 ( 目立たないながら夏月の存在も大きかった。個人的にはいちばん気になる人物なので、もっと登場させて欲しかったと思います。)

 次に、ストーリーに盛り込まれた出来事も、これ以上ないほど重要な役割を果たしていました。
 北海道胆振東部地震によるブラックアウトと猛吹雪によるホワイトアウト。実際にあったそれぞれのできごとが、物語にリアリティを与えるだけでなく、少女たちの成長と覚醒を促すポイントとなっています。

 さらに、タイトルにもなった和奈のハンドルネーム「スピカ」。
 和奈と直接関係する、乙女座や豊穣という意味あいのほかに、「他者との違いに強い拘りを持つ」という星言葉もあることを知り、乾さんの構想の緻密さに脱帽。こんな作品をもっと読みたいと思いました。

 ところで乾ルカさんは『動物のお医者さん』のファンなのですね。作品中のそんな何気ないセリフもとても嬉しかったです。また、『ちはやふる』でお馴染み「下の句カルタ」が出てきたのも笑ってしまいました。もしかして、マンガ全般が好きなのかな。

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2023年01月23日

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高校生青春ものか〜、と思って読み進めましたが、さすがは乾先生。得意の神を少しだけ入れ、ありきたりの青春ものをちょっと違った雰囲気にしています。あっというまに読んでしまいました。

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2022年12月17日

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ネタバレ

人には言いたくない秘密、トラウマ、劣等感を抱えた女子高生 美令、和奈、更紗の青春物語。

人は誰しもが心に何かを抱えていて、他人とどちらが不幸か比べながら生きている。
その中でも、海、空、星等を感じて晴れやかな気持ちになれることもあるし、秘密を預けられる存在に出会えたり、人生なんだかんだ楽しいなって思わされる作品。

●心に残った文
人ってつい比べちゃうよね。悲しみや痛みの強さ大きさを測って、自分や他人と比較してしまう。ペットが死ぬより人が死ぬ方が悲しいとか、年寄りが死ぬより若い人が死ぬ方が悲惨とか、死なれるよりも生きて介護が続くほうが辛いとか。共感するつもりでじぶんだったらって考えてみても、やっぱりあなたの状況より自分の経験の方が辛かった、だから大したことないって判断に行ってしまったり。より強くて大きな悲しみが他の人にあったとしても、本人の悲しい気持ちが消えて無くなるわけではないのにね。

でも、きっと犬はそうじゃない。察した悲しみや辛さを、そのまま受け止める。痛みがどの程度なのか、他の誰かよりも強いのか激しいのかなんて全部どうでもいい。ただ誰かが悲しんでるから悲しい、悲しいから寄り添う、それだけ。→人間も、そうなれたらいいのにね。

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2022年11月28日

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良い、好き。北海道の高校という舞台設定がピッタリのひんやりとした青春小説。札幌にある中堅どころの高校に東京からの転校生、美令が現れる。容姿端麗、頭脳明晰、毅然としていてミステリアス。クラスの皆は近寄りがたくて遠巻きだが、和奈と更紗は徐々に美令に好意を持ち友人になる。どちらかといえば淡々としていてテンション低めの展開だが、登場人物の心情を掬った文章が丁寧に伝わる。また秋冬の北海道の情景描写が美しかった。特別感のある美令と接するうちに、和奈と更紗は成長する。もちろん美令自身も。ラストシーンは爽快で眩しい!

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2022年11月28日

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ネタバレ

東京からきた、芸能人レベルの容姿端麗な転校生。
心をざわつかせる美令の存在に、変わっていくクラスメイトたち…。

他人の辛さを正確に理解することは難しい。
その辛さを自分と比べずにいることも難しい。
自分はもっとしんどい思いを知っているとか、
逆にこの程度でしんどいなんて言うわけにはいかないとか、無意味な比較をしてしまう。

大人になれば世界の多様さがわかるけど、
学校という場所は特に比較の物差しが限られているから、クラスの中の自分、が際立ってしまう。
この、学生時代ならではの痛々しさ。

それぞれが抱える鬱屈を乗り越えていくラストがよかった!

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2022年11月16日

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登場人物のほとんどにどこか共感できてしまうところがあり、学生時代とはこういうものだったかもなと懐かしくなった。そういう意味でただのキャラクターで終わらせない造形の厚みが、展開の奥行きにもつながってのめり込んでしまった。読後感も素晴らしかった。

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2022年10月19日

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アオハル!青春!!友情!!

特別な何者かになりたい和奈。自分は孤高だと思いクラスの皆を見下しながら高校生活を送る。
そんな和奈だったけど、特別な魅力を持った転校生と友達になり、苦手女子だと思ってた子とも友達になり3人で過ごすうちにどんどん変わっていく。
スクールカースト、ヤングケアラー、震災、と多々ありながら、大人でもない子どもとも違う高校生の特別な時間をいろいろ悩みながらもラストはキラキラで眩しかった。

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2024年02月26日

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ネタバレ

皆底から空を見ているみたいにきらきらした一冊だった。
3人の友情がとても素敵。
和奈は自分を特別じゃないと思っていたけど、隣に立てる人になりたいと思ったり、美令の両親に訴えて友人を守った和奈は特別で素敵な人だと思う。私もこの両親嫌い。

人間も誰かの悲しみを比較しないで、犬のように「察した悲しみや辛さを、そのまま受け止める」ができたらいいな。

読み進めているうちにアヤミが仲良くなりたい人が誰か分かったり、点が結ばれていくのも面白かった。

10年後もみんなで友達でいられたらいいなあって感じる青春だった。

他の方の感想を読んで前作があったことを知る。そちらも読んでみよう。

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2024年02月24日

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読んでよかった。
青春コンプレックスの様な内容なのかなって思ってたけど、刺さることもあった。
共感出来るところもあって、
また読みたい。秘密って難しい...。

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2023年09月02日

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美しく謎めいた転校生、彼女は最初「東京の人」と言われて孤立していた。だが次第に打ち解けていく。しかし……。
胸がきゅっと痛くなるような青春小説だ。
いつだって青春時代を振り返るとどこか痛くて、甘酸っぱい。
本書もその例に漏れておらず、そういった感情がよく描かれている。

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2023年08月27日

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美しい転校生と、去勢中の男女の交流を描く。著者らしく北海道の高校が舞台だ。
多分表紙は、その美しい高校生とその同級生x2が描かれているのだが、イラスト上は全員画一的に美しい…イラストは美しか描けないものなのか、それとも美しい高校生とモブ女子高生にそれほどの差はないということなのか。

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2023年08月07日

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舞台は北海道立白麗高校。

東京から転校して来た頭脳明晰な美少女・汐谷美令、クラスカースト上位の城之内更紗、クラスで孤高を演じる松島和奈、三人の女子高生を中心に物語は展開する。

多感な時期特有の自意識や承認欲求などに囚われる姿がリアル。

美令と更紗に至っては誰にも話せない大きな秘密を抱えている様で、それが一体なんなのか気になり頁を捲るスピードが加速した。

最初は相容れない関係に見えた彼女達が少しずつ心を開き近づく距離感が微笑ましい。
美令の両親に対し美令と和奈が本気でぶつかった場面も良かった。

ラストシーンはザ・青春。

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2023年04月19日

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それぞれに秘密を抱えた3人が支え合いながら友情を育む物語。恋愛要素を極力排したのがむしろ良い。石狩の風景が目に浮かぶ綺麗な描写も秀逸。表紙絵の場面が出た時はスカッとした。

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2023年03月15日

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何者にもなれる世代 - 乾ルカ「水底のスピカ」★★★★☆

素晴らしい結末だった。ドイツ映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」のような心をえぐってくるようだった。
他人をうらやむことは悪いことじゃない。あなたにはあなたの魅力がある。その魅力を伸ばすのも抑え込んでしまうのも自分自身だ。それは可能性も同じことだ。
いつまでも秘密が明らかにならずにもどかしかった。
気になったのは、札幌の高校なのに修学旅行で東京へ行くのに青函トンネルを通った点と、帰りはなぜか関空から飛行機だった点だな。札幌から函館の時点でかなりの旅行でそこから電車、挙げ句に東京大阪を旅行は無理だろー。
#引用
・人の秘密は借金みたいなものだよ。連帯保証人になる覚悟はある?ないなら、知る資格もないんだよ。

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2023年10月27日

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思春期の劣等感、自分には何もないという焦り、優れた人への憧れと妬み。自分は平凡だと思いながらも、何かあるはずと諦められない和奈は、美しく成績トップの美令と、クラスカーストの上位グループにいる華やかな更紗と友達になるが、自分は水の底から水面にいるキラキラした二人を眺めているようだと思う。それでも、悩み行動し、間違えて傷つきながら成長する和奈は、目指してみたいと思うものを見付ける。「明日を信じること。種を蒔くこと。青い鳥が近くにいたようにその道は最初から近くにあった。けれども、一人では絶対に見えなかった。」卒業間近、女子三人と、仲の良い男子二人を合わせたい五人で海を目指すのは、いかにも青春という感じでキラキラ眩しかった。

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2022年12月18日

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美令や和奈、更紗其々が抱える苦しみや痛みに共感した。感受性豊かな年齢で痛みを分けあい共有できる親友に出逢えたことは宝物。互いが独自進化をするので生涯の友は不可能という道理に妙に納得。

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2022年12月11日

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私は思いっきり和奈タイプだな…自分はみんなとは違う、特別なんだ、って思いたくて…でも実際は何もかも中途半端で普通の子以下だった。でも認めたくない…今考えると子供っぽくて恥ずかしくなりますね。和奈は美令や更紗みたいな友達ができて良かった。ところどころ涙しながら読みました。ラストは少し物足りなかったのでその後の話も読んでみたいです。和奈と萌芽はどうなったのかな?

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2022年11月12日

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才色兼備の転校生・美令。クラスカースト上位の更紗。孤高を気取る和奈。ふとしたことから親しい友人になった三人の少女を描いた青春小説。微笑ましく、楽しそうで、爽やかで、ちょっと苦い物語です。
自分が平凡であることに劣等感を覚え、そしてそれに気づかないふりをしている和奈の気持ちがなかなかに痛くてつらいです。たしかに中高生の年頃って、自分が特別でありたいものなのかも。高い自意識を持ちながらもその一方で冷静な視点も持っている和奈だからこそ、彼女をただ愚かだと笑い飛ばしてしまう気にはなれません。わかってるんだよね、だけど受け入れられないんだよね、と切ない気分になりました。
しかし特別に思えた美令や更紗ももちろん完璧なわけではなく、それぞれに事情を抱え、悩み苦しんでいるし傷つきもするんですよね。結局誰もが誰かとまったく同じなどではないのだし、その点では誰もが「特別」になり得るのだということ。そして人の悩みや苦しみを比べることもできないのだということには、きっといつになってもなかなか気づけないんだろうなあ。頭でわかっていたとしても、感情で受け止めるのは難しいのかもしれないな、と思いました。
本当に「一生の友達」と思っても、続けることは難しいのですが。お互いを認め、さらけ出し、支え合う彼女たちの友情はきっと永遠だと信じられそうです。

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2022年11月06日

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北海道札幌市の公立高校に、汐谷美令が転校してくるシーンから始まる青春群像劇。美令はその美貌と存在感で他者を圧倒する。それゆえに孤立する美令は、ひょんなことから親しくなった和奈に、「私、神様の見張り番してるの」と言うのだが……。
乾さんといえば、昨年の『おまえなんかに会いたくない』を思い出すが、本作はぎこちなく友情を育むティーンを温かな筆致で描いた作品だ。クラスカーストも、嫉妬や反感もある。そんな負の感情さえも丸ごと飲み込めるような友達に出会い、人として成長していく彼らの姿は素晴らしかった。

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2022年10月27日

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自分のことを大切に思ってくれる友達を一生の中で作っていきたい。
誰よりも大切に思える友達を作りたいと思った。

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2023年08月02日

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人に言えない秘密を抱える3人の女子高生。

一人は痛みを隠して周りに敢えて溶け込み、
一人は平凡を蔑み孤独を孤高に置き換え、
一人は鎖を達観したかのように背を伸ばす。

違いを嫌悪する心と特別を切望しする気持ち。

水中に揺蕩う泡沫のような儚さと、
自他を傷つける諸刃の剣のような危うさ。

さまざまな角度に化学反応を起こして変化する、
無数の可能性と輝きの瞬間を切り取った物語。

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2022年12月29日

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ネタバレ

 北海道立白麗高校2年8組。
 校内カースト、マウンティング女子が幅を利かせる世界に投じられた一石 ―― 東京からの転校生 ―― 汐谷美令。
 和奈、美令、更紗、そして萌芽、清太の物語が和奈、更紗、美令、萌芽、それぞれの一人称で語られてゆく。


「人の秘密は借金みたいなものだよ。連帯保証人になる覚悟はある?」(181頁)

「海の底に沈んで、上を見上げているの。そうやって、水の上にいる美令と更紗を見ている。二人とも、夏月も、他の楽しそうだったり満ち足りてそうだったりする人たちも、みんな私と違う眩しいところにいる。ずっとそういう感じなんだ。二人と出会う前から、今もそう。私の目に見えるのはそういう感じ。そんな世界にいるんだ」
「見てきたよ」
「は?」
「すごく綺麗な世界にいるんだね」
 美令は手で水面を払って、和奈と更紗に飛ばしてきた。(350頁)

「私も見たいな。ねえ、いっせーのーで!」
 言い終わるや、更紗は先ほどの美令と同じことをした。水音。ほとんど同時に、美令もまたやった。水しぶきが雨のように落ちる。和奈は一瞬迷い遅れた。
 でも一瞬だけだ。二人はまだ水面下にいる。
 和奈はもう何も考えなかった。
 水面を叩いた背中は少し痛かった。息を堪えて浮力に逆らい、水底の砂地に沈む。海の中で髪の毛が揺れるのを感じる。水は温かで、低く柔らかに歌うような音が聞こえた。
 目を開ける。水の上に空が見える。青が揺蕩っている。息を吐いた。
 吐いた息の気泡が、光の膜に包まれて立ち上り、水面の上の空に溶けていく。
 美令の言ったとおりだ。
 ここは綺麗だ。 (351頁)

 章立ては以下の通り。

美令:3頁/美令:49頁/美令:181頁(3章)

和奈:10頁/和奈:25頁/和奈:72頁/ 和奈:116頁/和奈:155頁/和奈:185頁/和奈:197頁/和奈:222頁/和奈:235頁/和奈:258頁/和奈:302頁(11章)

更紗:18頁/更紗:88頁/更紗:133頁/更紗:247頁(4章)

萌芽:52頁/萌芽:99頁/萌芽:207頁(3章)

九月六日:275頁

海へ:323頁

(内容紹介)
 その転校生は、クラス全員を圧倒し、敗北させた――
 夏休み明け、北海道立白麗高校2年8組に、東京からひとりの転校生がやって来た。汐谷美令――容姿端麗にして頭脳明晰。
 完璧な彼女は学校中から注目を集めるが、些細な事からクラスで浮いた存在になってしまう……。
 学校祭準備で美令と友人となった、クラスで孤高を演じる松島和奈。
 そして美令が孤立する原因を作ってしまった、クラスのカースト上位である城之内更紗もまた、美令、和奈と深く関わってゆく。
 それぞれ秘密を抱える三人が向かう先に待つものは、そして美令の「私、神様の見張り番をしているの」という言葉の意味とは……。
 今、彼女たちの人生で、もっとも濃密な一年が始まった――。
 誰もがあの時を思い出す、青春群像劇の傑作!
 最高に美しいラストシーンを、ぜひご堪能ください!!
 「 今、私がひとりではないことが、奇跡なのだ――」

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2022年12月10日

Posted by ブクログ

自分は特別ではないただのモブだはないのか、、。わかるー!学生の時そんな思い抱えてたなぁ。色々高校時代を思い出して読みました。
震災表現出てきます。でも大半は青春群像劇。

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2022年12月04日

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ネタバレ

札幌市の公立高校を舞台にした友情と過去のトラウマや家族のあり方を描いている。転校してきた才色兼備の美令、クラスカーストの上位にいる更紗、田舎から出てきて一人暮らししている和奈、後男子二人を加えた5人の視点で語られ、それぞれの悩みがお互いを成長させていく。若々しさが眩しい青春物語。男子二人がとても爽やかだった。

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2022年12月04日

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ネタバレ

窓から白樺並木が見える札幌の高校。
美令が「私、神様の見張り番をしてるの」と言う。
高校生時代の、微妙なカーストが難しいところに転校してきた美令。
美令を含む3人の友情が、良いものになっていく過程が、清々しくて青春。
修学旅行が楽しそう。
スピカは五連星。
男子2人を入れて、自由行動組も5人。
星座手ぬぐいをみんなお揃いで買った。

ヤングケアラーの話だった。
毎週、海へ行く不思議も、どのような理由なのかと。(螺旋シリーズが頭をよぎったり)
そうとは思わず、ワクワクしたが、
大変だったことを隠していた美令は、偉い。
成績もいつも1番で、いつ勉強していたんだろうか?
美令の家に行った時に、和奈が美令の両親に反論したのは、偉かった。
そう思う。
押し付けてるよね?

ラストのシーンが印象的。
表紙の絵だね。
同窓会で会えますように。
雪下まゆさんの装画は素敵。

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2022年10月30日

Posted by ブクログ

海って身近に感じてるようで、高校生まではけっこう縁遠かったわ。あのころチャリしか乗れないから、10キロは離れてる海辺まで自走して行くのは辛い。でもやっぱり山より海に憧れた。あの大海原と水平線を眺めてるだけで気分が晴れる。潮風と磯の香りが心地いい。岩場で潜れば海底の神秘に高揚し、三次元を浮遊する愉しみ。そして浮き上がるときに見る海面は輝き、時間にして数秒なのに到達までが長く感じる。しかし、海を恐れあるいは忌みするあの娘たち、いきなり海中に身を委ねるって…。と、青春群像におよそレビューが描けずまたも誤魔化し。

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2022年10月26日

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