【感想・ネタバレ】ロウソクの科学のレビュー

あらすじ

ロウソクが見せる物理現象について学ぶことが、自然科学に入門するための、もっとも入りやすい最良の入り口だ。イギリスの科学者ファラデーが少年少女を相手に行った連続講義録。ロウソクの種類、製法、燃える仕組みから、燃えるときに起こる物理・化学現象までを、さまざまな角度からやさしく解説する。原著出版から160年以上経たいまでも、ノーベル賞受賞者ほか世界中で読み継がれてきた不朽の名著。

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Posted by ブクログ

齋藤孝だったかの本で科学の入門書とあり読んだ。
光文社シリーズだけあって訳のおかげかとても優しい語り口。理系なので何の話をしているかはだいたいわかるが、挿絵はあるものの全てではないので、こういうのは動画や実演にはかなわないと思った。

科学者というと偏屈で子ども向け講義をするようなイメージがなかったが、あとがきを読むとファラデーがこの講義をするに至った背景もわかり興味深い。

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2024年04月28日

Posted by ブクログ

これは著者の一般向けに行った講義ををまとめたものらしいが、その実験内容もさることながら、若年層にわかりやすく、そして面白く伝える、という配慮が行き届いた内容に感動する。

無駄のないロジカルな筋立ても素晴らしいし、聴き手を楽しませようというサービス精神が感じられるのが感動してしまう。ファラデー氏は科学者でありながらプレゼンテーションの神なのだ。
著者の講義が当時大人気で所属していた組織を支えていたのもわかる。

科学の知識よりもその「伝え方」の巧みさに感動して読んだ本だった。
もちろん「ロウソクの科学」の科学的知見そのものも面白かった!

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2024年04月08日

Posted by ブクログ

 サイエンスの啓蒙書において説明をどのように工夫しているのか関心があり、昔から読まれている一般向け科学書として有名な本書を読みました。
 本書はロウソクが燃える際の燃え方や燃える際に発生するガスなどに関しての考察を通じ、基本的な化学の概念を説明している文章です。実際に行った講演の実録という体裁で作成されているため、語っている内容や説明の順序などに臨場感を感じます。現代の化学を多少なり修めた私が読むとさすがに回りくどく退屈に感じる部分もありますが、必ずしも化学の知識が一般的でなかった当時においては非常に刺激的な講演だったのだろうと推測できます。講演の最初に言及されている通り、ロウソクの燃焼ではかなり多くの科学的現象が同時に生じていて扱う範囲も意外に広いです。その他に見るべき点として、実際に起きている現象の観察が精緻であるということがあります。素朴な実験であっても、優秀な実験家の目を通すと非常に詳細な描写になることがわかりファラデーの偉大さを感じました。
 一方本書では実験のセッティングや化学反応などがほとんど言葉だけで説明されているため、状況を理解することが難しいです。実際の講演だと黒板などがあったのかもしれませんが、文面だけで追っていくには厳しいなというのが正直な感想です。現代では本書よりもっと読みやすく整理された書籍が多くあるため、啓蒙書や入門書としての寿命はすでに終えているのかなとは思います。

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2024年08月26日

Posted by ブクログ

なんだかんだ読む機会がなかったのでこの機会に。

と思ったものの、講義の実空間と書籍で読む科学講義とでは隔世の感が拭えないようにも感ぜられる。
解説やあとがきの補足情報は、いっそうリアルな場での科学教育の躍動が垣間見えるものの
一部の挿絵を糧にして字面を追う中ではどうにも、こういった書物への態度として即時的すぎるという自戒もあるが、このメディアの個人化が進む昨今では、あるいは科学的探究の道程を突き進んだ研究者の振り返りに郷愁の念を添えるには適している代物なのかとも思われる。

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2022年11月02日

Posted by ブクログ

ロウソクを題材にして化学や物理の基礎を解説している。解説や実験の内容自体は教養的で良いと思うが、単に活字を読むのは退屈だったため、マンガや動画の形式の方が向いているかもしれない。
退屈な理由は2つ。1つ目は内容自体への興味が湧きづらい点。基礎的な話はわかりやすくて良いが、すでに知っている点も多くて発見がない。一方で発展的な話も含まれておりこれは発見もあるが、基礎的な話と比べて難しすぎてつまらなくなってしまう。
2つ目は実験の様子を文字と少しの挿絵だけでは理解が難しい点。図解はあるが十分とは言い難く、まったく知識のない状態では何をやっているかを正確には理解しづらい。すでに知識がある状態であれば理解できるが、この場合は1つ目の内容自体への興味がない方の問題がある。

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2022年10月08日

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