あらすじ
ACPで患者の価値観や選好を汲み上げても、経済・法的な理由から実現できない――。こんな悩みに、豊富な事例をベースに答えます。
アドバンス・ケア・プランニング（ACP）の考え方と、その実践技術を紹介した「ACP入門 人生会議の始め方ガイド」の姉妹本です。本書は、ACPの実践の中で直面しやすい経済的な課題と、その課題への対応に役立つ制度について分かりやすく解説した上で、法律専門職との協働の進め方を紹介します。「人生の最終段階における患者・利用者にとって医療選択は、たくさんある気がかりのほんの一部でしかありません。加えて、患者・利用者の経済状況を無視してはACPは実践できません」。ACPに取り組み始めた現場スタッフが肌で感じている不都合な真実に真向から挑み、その解決策を提案します。
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Posted by ブクログ
短い中でもACP の要素を取り入れていきたい
ご家族の介護、終活に関わる仕事をしている中で、あっまさにACP（人生会議）の視点は必要だよなと気づきをもらいました。
なんとなく、感覚としては必要と感じていたことを「ピース」というカタチで、体系的に論じられていてパッと明るくなった感覚です。
認知症が進みなかなか聞き出せない方、法定後見人のもやもやについてもそうだよね、そうだよねと頷くものでした。
勉強になった箇所
・意思決定支援に重点を置き 人と人 人と地域をつなぐ 専門職としての自覚を持ち、患者一人を生活者として見る視点を心がけています
・そのため 私たちは 患者 利用者さんと ACP について考えるとき 将来 選びたい あるいは 選びたくない 医療ケアだけでなく 価値観 近しい人との関係 生活や人生そのものについてもお伺いをする努力をしています。私たちはそれらを「想いのかけら（ピース）」と呼んでいます
・医療ケアペーストは医療洗濯に関する ピースを指します 延命治療の選択 などです
・価値観 ピースとは 患者 利用者さんの譲れないものなどを指し 例えば「最期まで自宅で過ごしたい」などが含まれます。
・関係性 ピースが家族や友人との関係性でこの関係性は「最期まで自宅で過ごしたい」という価値観 ピースにも影響します
・生活（お金）ピースは経済的な状況に関する ピースで、お金がないので介護施設に入所できないなど患者 利用者さんの希望を叶える上で問題となることが多いです
・患者 利用者さんの発した言葉を「これは 関係性 ピースだな」「今のは価値観 ピースだ」と受け止めることで、想いを整理して理解しやすくなりますし チームでも共有しやすくなると感じています
・患者 利用者さんの気がかりの大半を占めるのが、生活（お金）ピースであることも見えてきました
・ACP は 医療ケアに重きを置いた考え方ですが、ALP とは 生活 やお金に重きを置いています
・ACP の実現≒ACP ✕お金≒ALP
・実は 依頼者さんとお話する際「○○さん はあと何年ぐらい生きたいと思っていますか」といつも聞いています。人間 永遠に生きることはできず 必ず死が訪れるわけですから 法律職も死をタブー視せず、本人が「あと○年はこの生活を続けたい」という希望をお伺いしたうえでその年月を希望通りに過ごせるよう ライフプランを提案しています
・その歴史は事前指示書にあります。事前指示書は将来受けた医療ケアあるいは 受けたくない 医療ケアを記載するものでいわゆるリビングウィル です
・そのため 本人の価値観や 選好をよく知り本人に代わって 医療ケアを選択をする 代弁者にはなれません。一方 任意後見人は本人をよく知っており 本人が代弁者にも指定している場合は 任意後見人であり 代弁者と考えることができます
・忘れてはならないのは 制度を学ぶ目的です。それは 患者 利用者さんの願いを叶えること。制度という手段を活用し 人生の最終段階にある方々の願いを叶えましょう。あなたの ACP は より充実するはずです
・そこで MSW が市区町村役場の担当者へ連絡し、「墓地 埋葬 などに関する法律」の下、対応を依頼しました。同法律は第9条で「死体の埋葬 又は火葬を行う者がないとき 又は 判明しないときは 死亡地の市区町村がこれを行わなければならない」と定めています。葬儀は行政に依頼し 入院費用は 未納のまま となりました
・エンディングノートはあくまで 自分史であり 思いを残すものだと思います
・もちろん 遺贈を受ける相手である 動物愛護団体による遺贈の承諾も必要です。遺言執行者を定める 遺言執行者のて 出会い系を動物愛護団体に引き渡すこととしました。具体的には ようこさんに万が一のことがあった場合 その日中に さくらちゃんを 動物愛護団体に引き渡す 段取りとしました
・保険や健康保険 自動車保険の弁護士特約 といった いざという時の備えがあり この特約を使って遺言書を作成できます
・「親子の縁を切りたい」「自分が亡くなっても相続人に連絡して欲しくない」という相談を受けることがありますが法律上 実の親子の縁を切ることはできず 市町村から何かしらの形で連絡が入ることになります
・「死亡届」お大家さんに提出してもらうことにしました
・法定後見。すなわち 本人のことを知る 知らないは関係ありません。さらに本人の判断能力が衰えた後に人生が行われるため 本人の意思を推定することはとても難しいのが現状です
・任意後見のように本人の判断能力が低下する前から 関係性を構築していくのであれば別ですが、判断能力が低下した後に関与する法定後見では、本人が大事にしている ピースがわからないのも 実情です
・しかし 七郎さんのように 身寄りがいない ケース では ピースを集めることが非常に難しいのが実情です。福井県のエピソードがご本人にとってどんな意味を持っているのか 最後まで推定することすらできませんでした。
