【感想・ネタバレ】若葉荘の暮らしのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

40歳以上の独身女性だけが住めるシェアハウス「若葉荘」
を舞台にした小説

洋食屋アネモネのアルバイトをして生計を立てる主人公ミチル、コロナによる行動制限で彼女の生活に危機が迫ったところに、知人に「若葉荘」を紹介してもらってそこで暮らすことになる。

個性豊かな「若葉荘」の住民たちとの交流、職場の人間関係を描く中で、女性の自立した暮らしが立ち行かない日本社会とそれでも生きていく人々を描く。

「男性にも女性にもそれぞれの抱える問題がある、本来は政治がどうにかしていくべきことなのだろう。けれどそれを期待できるような国ではないことも分かっている」という文章がある。
まさにそれ。あるもの(制度とか既得権益とか)は最低限使えばよいが、政治にそれ以上を期待しても失望するだけ。自分でなんとかする、自分たち(家族とか友人同士とか)でなんとかする、そういう風に一定の線引きをして割り切る。

日本は今(今までもかもしれない)そういうことになっているんだってこと。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

創設家族(成人後、自ら創っていく家族)を、現時点では、持たない40歳女性ミチルを主人公とした物語。
過剰なくらい社会背景までていねいに書かれていて、最後には、社会問題へと繋がっていく?あたり、物語としては理屈っぽく感じてしまい、「面白さ」に欠けるのかもしれません。
が、心配、迷い、戸惑い、そして、自分と自分の思いに正直でありたい、というミチルの思いは、とても伝わってきて、じわっと応援したくなる読後感でした。

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2023年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

若葉荘の住人のように普通の人なのに、漠然とした不安とか心配に押しつぶされそうに思っている人はいっぱいいると思う。でも世の中にはもっと大変な思いをしている人がたくさんいて、そんな漠然としたものに押しつぶされてはいけない、人を頼ってはいけないと考える人が今の日本には多い気がする。
人と比べてどうこうじゃなくて、等身大で支え合っていける40代以上の女性限定のアパートは素敵だと思った。

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2023年07月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙が漫画みたいで軽く読める本だと思った。
けど違った。
主人公の望月ミチルはアルバイトしているアネモネ、という洋食屋がコロナ禍で売上が減り収入が減ってしまう。金銭的な不安から家賃の安い
40歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」に引っ越す。
管理人のトキ子さん、同世代の千波さん、後から来た幸子さん、50代の美佐子さんと真弓さん。
外からはわからない何かを誰もが抱えている。
ラスト近くミチルが
「自分の人生を人に預けていた、仕事をする先の経営状態や付き合っていた彼氏にプロポーズされる、など他力だった」
と言うあたり、その通りだと感じた。
それでも提案するのは真弓の買い取った若葉荘の管理、それをビジネスとして増やしたい、というやっぱり他力。
それでも、そういう縁を掴むのも生きていく上での大切なことだと思う。
いくつも引っかかるところがあり、読み終えても心がささくれてる。
私の心も弱りぎみかも。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

40歳、氷河期世代で正規就職できずずっと非正規雇用、独身子なし、貯金もほぼなし、の主人公ミチル。
コロナで勤務先の洋食屋の存続も危うくなり、将来に不安を抱いていたところ、40歳以上女性限定のシェアハウス(見た目は古い学生寮のような…)若葉荘を紹介され、暮らしはじめる。

わたしは群ようこ「れんげ荘」のような、生活に追われずにゆったりと時間が過ぎていくような、そんな本が好きで、この本もそうなのかなーと考えていた。
確かに若葉荘での暮らしののんびりした雰囲気はあるものの、住んでる住人のバックボーンは結構重たく(DV離婚歴、同性愛、書けなくなった小説家など)、本の終盤では女性の貧困を助けるためのビジネスという話に発展していった。
私自身は、貧困ビジネス(富める者、持てる者が貧困者の生活保護費とか管理するやつ)って悪いイメージしかないのだけど、この本に登場する人達は、貧困者から搾取・国から詐取したりはしないと信じてるよ・・・

私としては、もっと若葉荘の暮らしにフォーカスしたものを見たかったなぁという思い。
たとえば、DV離婚のすえ全国各地を転々としてきた女性が全国各地のお雑煮を作れるから、色んな種類のお雑煮の描写とか。それを一緒に作ったり、美味しい家庭料理の描写も見たかった。
勤務先が洋食屋だから、美味しい洋食が出来上がるまでの描写とか、お客さんの描写も、もっと読みたかったな。
…と、こう考えていくと、うーん、同じ題材なら、別の作家さんならこう書くかなというイメージがわくのです。
だから、この結論に到達するこの作者は、きっとすごく真面目な人なんだろうなぁと思いました。

40歳の主人公が恋愛に消極的のようだけど、結果的に「いいな」と思える人と付き合って、高校生みたいな会話を繰り広げるので、40歳の恋愛ってこういうものなの…?と読んでて気恥ずかしくなった笑。
私はもうすぐ40だけど、男性と一から関係を築いて恋愛したいとは全く思わない、良いなと思う人すらいないので(私には子どもがあるからだと思うけど、世の中には子がいても恋愛に積極的な女性はたくさんいるので、子の有無だけでは測れない何かはあるのだろう)、同い年の女性の恋愛というのが想像つかなくて、こう言う感じなの…かな…?と、ドギマギ。

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2023年10月28日

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