あらすじ
【ファンタジー×ゲーマー新青春冒険譚】最新第10巻! ギルドランク決定戦、準々決勝、決着!
ゲーム好き必読! ハイスピードバトル、決着!!
ぴょんぴょん跳ねて、可愛さ&人気MAX! おまけに敏捷値も最高峰クラスな『黒兎組』。
対するクリムとビアンカは敵陣へ正面突入。
激狭の塔内で、HPとMPと精神をも削り合う限界ギリギリの死闘が繰り広げられる!
準々決勝の最終盤、ゲームへの熱き思いをスパークさせ、勝利をもぎ取ったのは!?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前回の防衛戦ラストにてフレイは「僕にはアイツの様な勝ち方ができない」って言ってたけど、その意味が噛み締めるように伝わってくる内容でしたよ…
『黒兎組』のリゼはクリムを「弱い方」なんて侮っていた。それは持ち武器や可愛さに拠るものだったのだろうけど、見た目に反して誰しもの首を刈り取るような死神の力を有する豪傑と感じられたね
敵方の旗が存在する城はまさしく『黒兎組』の力を発揮するに相応しいフィールド。攻め込むクリムもビアンカも不利な戦いを強いられる事は必定
だというのにクリム達は即席とは思えない程の連携と個々の力によって攻略していくね
けど、その上で見えてくるのは戦っている者達の中でクリムの実力だけ飛び抜けている点か。勿論チームバトルである以上はたった一人で戦局を決定させるなんて不可能。だというのに飛び抜けた資質はそれだけで敵の注目を集める事も逸らす事も出来る
何もかもがクリムを中心に展開される。そう思えただけに、そのタイミングで『踊る墓標』の背景事情が説明された事でビアンカの方へも視線が集まる作りになっているね
今となってはPKギルドとして迷惑に感じられる存在だけど、最初からPKばかりをしていたわけじゃないし、そも最初からなんて軽々に言える程のゲーム歴でもない。そこには子供から大人に成り行く中での変化が見えるね
それは私達が生きる現実でも想像が容易い現象であるからこそ、あの迷惑行為をしていた『踊る墓標』のビアンカがクリムと目覚ましいコンビネーションを披露して『黒兎組』を攻略していく様からは意外な輝きを感じられるわけだ
ビアンカが心変わりをさせられる程の強者・クリム。である為か、戦闘が終盤に至ってからのクリムの戦い方には感銘を受けてしまったよ…
特に腕を負傷してからの逆転劇は見た瞬間、空いた口が塞がらなかったよね……
ビアンカとクリムの間には確実に実力差が有る。クリムのようにビアンカは戦えない。でも、クリムが鮮烈に戦っているなら、ビアンカだって泥臭く戦える
ただ、その泥臭さは見た目の話で。きっとかつて無い程の高揚感を覚えていた彼女はあの瞬間、間違いなくゲームを楽しんでいたと言えるのだろうね
前巻にて雛菊がビアンカに言い放った言葉、それは子供らしいストレートさに満ちた言葉だったようで
こう見ると、互いに妨害し合うあの空気最悪な中で最もゲームを楽しんでいた最も年下な雛菊にこう言われちゃガツンと来るよなぁ…
おまけにビアンカは本気に成るのが間違いかのようなゲームとの接し方に迷っていた時期だろうから
だから雛菊の言葉は効いたわけだし、クリムの言葉は良い意味でトドメになったろうな
ゲームを楽しむ際の「大人」と「子供」という境界線。それは子供の頃のような楽しみ方は出来なくなっているかもしれないが、大人になったからこその楽しみ方だって有る筈で
ゲームとの付き合い方を見つめ直せそうなビアンカが残した「時間の価値は長さじゃない」という台詞は本当に良かったなぁ
シリーズ作品レビュー
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