【感想・ネタバレ】森のうた 山本直純との藝大青春記のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年05月22日

■ Before(本の選定理由)
タイトルから、どうも音校(藝大の音楽側)の話のようだ。変人が多かった、みたいなエッセイだろうか。

■ 気づき
なんと著者は著名な指揮者で、舞台は昭和27年!
ドタバタ学生記だが、音楽への熱意・ゆうじんへの愛情(貶しあい)が溢れていて、読み物として面白い。音楽家の著...続きを読む者なのに、キャラクター描写が夏目漱石みたいに上手い。

■ Todo
存じ上げなかったが、こんなに素直で真っ直ぐな方が全てを捧げた音楽ならば、きっと心に響く指揮のオーケストラだったに違いない。いつか触れてみたい。

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Posted by ブクログ 2023年02月19日

東京芸大の打楽器科の岩城宏之、作曲家の山本直純は、1学年先輩後輩の間柄。この2人が、指揮者を目指すようになり、学生時代に巻きおこす珍青春記。今は、すでに故人となってしまった両指揮者。

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Posted by ブクログ 2022年12月07日

「なりたくて、なりたくて、たまらなかったから、指揮者になったのだ。」
SNS苦手だけど、あげちゃおう『いいね』

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Posted by ブクログ 2022年11月27日

岩城宏之と山本直純、東京芸大の同窓である二人の親友のハチャメチャな青春記。この手のものとしては、北杜夫の「どくとるマンボウ青春記」、高野秀行の「ワセダ三畳青春記」と並んで面白い。芸大音楽部の民族差別、アケちゃんこと渡邉暁雄教授との思い出、学生オーケストラ“学響”での奮闘、ショスタコーヴィッチ「森の歌...続きを読む」演奏の興奮など、驚天動地、抱腹絶倒のエピソードが連続して笑い転げた。そして、そうか二人とも亡くなったのかとしんみりししてしまった。

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Posted by ブクログ 2022年08月04日

恥ずかしながら、音楽に疎く、また世代の違いもあって、岩城宏之さんも山本直純さんもよく知らなかった。お二人ともすでに亡くなられている。お顔をネットでみて、ああこの方か、とうっすら思い出した。岩城さんはクシャッとした笑顔が印象的だった。山本さんに至っては、その名は知らなくても、彼の作った「8時だヨ!全員...続きを読む集合」のテーマ、寅さんの「男はつらいよ」、一年生になったら、などなどの名曲を知らない者はいない。

これは、後に日本を代表する指揮者となる著者の岩城さんと、ナオズミこと山本直純さんの青春記である。ハチャメチャ、ドタバタと表現していいだろう。昭和20年代の東京藝大に、こんな愉快な(迷惑な)学生が二人いたのだ。単行本として刊行された後、版元を変えてなんと3度目の文庫化である。いかに本書が愛されているかがわかる。もちろん、とてもおもしろい。

初対面で「イヨーッ」と挨拶することナオズミ、彼女にふられた岩城さんを必死に慰めるナオズミ。N響のコンサートにあの手この手で潜り込む二人。

岩城さんは思ったことをそのまま口にするタイプだったのだろう。時に過激な表現に走り、「これホントにあったことなの?」と疑いたくなるエピソードの連続だが、本書に友人の一人として登場する林光さんが巻末の解説で、基本的には真実だと保証する。この林さんの友情に満ちた解説も秀逸である。

岩城さんは晩年は病に苦しんだ。岩城さんが「もう意識しないでできることは指揮だけ」と語るインタビュー映像がある。本書も入院中に編集者が口述筆記したものだという。タクトだけでなく、文章でも岩城さんはすぐれた指揮者として音楽を奏でたのだと思う。

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Posted by ブクログ 2022年02月27日

 オーケストラを指揮したい、その思いで一杯の著者、岩城宏之と、藝大同窓の山本直純との、ハチャメチャな、でも音楽には真摯な大学時代を描いた青春記。

 高度成長前のまだ混沌としていた時期とは言え、著者たちのぶっ飛んだ言動には驚いてしまう。藝大には天才と奇人、変人が棲息していると現代でも言われているくら...続きを読むいだから、この時代であれば尚更だったのだろう。

 音楽の素養がないので、本編で触れられている指揮法やその凄さについては良く分からなかったが、著者たちの熱い想いは良く伝わった。
 タイトルでもある、本編ラストを飾るショスタコーヴィッチの『森の歌』の上演場面、作品の的確な解説とともに、指揮をするナオズミと打楽器席からそれを見守る著者の熱い友情。心打たれるものがある。

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