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Posted by ブクログ
唯川恵さんらしいとても心地よい小説。
解説の「唯川さんは変にストーリーをひねらない」
という分にとても納得。
最近、変にひねってばかりの本ばかりで疲れる。
下手なくせにひねりたがる作家には唯川恵さんを
少しでも見習ってもらいたいもんだ。
まるで川の流れのようにさらさらと流れていく
ストーリーがどれだけ読んでて気持ちの良いものか。
そこに少し女特有の意地悪さもあってそれが見事な
スパイスになってるのもたまらない
意地悪過ぎないのがまた唯川恵さんらしいというか
金沢のOLっていう設定がまたいいですよね
コピー室から見える風景とか、
上司が使っていたカップを洗うシーンとか
ストーリーがどうこうなるっていうより、
一つ一つの誰にでもある何気ない風景を楽しめる物語ですね
でも普通の人はそんな普通なこと書いても、とか
思っちゃうでしょ
普通のことをこんな風に情景溢れる描写で描けるのが
作家さんの力量のなせる業ですよ
こういう小説がもっと読みたいし
これからも増えてほしいと思います
Posted by ブクログ
江國香織が解説「あっさりとつき進む」を書いている。
「シフォンChiffone。縦糸と横糸が同じ太さの片撚り生糸を、あらく平織りにした絹織物。非常に薄く柔らかなので、ヴェール、イヴニングドレス、リボンなどに用いる。絹モスリン。」
すごい、解説者に、本当に解説を書かせている。
著者が文庫版あとがきに、金沢で働いていたことを書いている。
場所は金沢。主人公の妹は、金美の彫刻科の学生。
ありふれた日常を1冊の本にしてしまう。