あらすじ
市長になったのは、障害を持った弟に対する冷たい社会への「復讐」だったーー。
就任までの経緯にはじまり、
明石市で実行した「日本初」の政策の数々、市民の「生きやすさ」とまちの「経済」にもたらした効果、
また「明石でできることは全国でもできる」を合言葉に、その実現に向けて実行した「お金と組織の大改革」の舞台裏まで。
コロナ禍で見えた自治体から国を変える可能性、
そして、日本の政治をあきらめてしまっていたわたしたちへのメッセージ。
いま、もっともその動きを注視される政治家、泉房穂がまとめたのは、
「社会の変え方」そのものでした。
<出版社より>
版元は明石市の出版社ライツ社です。
実際に明石で暮らすいち市民だからこそできる、当事者目線からの編集を行いました。
2011年、泉さん初めての明石市長選。
対立候補は、自民党と民主党が推薦、兵庫県知事も支援、医師会、商工会議所、商店街連合会、労働組合など業界団体のほとんどと、市議会の全会派が全面支援を表明していました。
つまり、政界や業界の組織票はすべて相手方に回っていました。
一方の泉さんは、無所属です。出馬会見で、記者から問われました。「相手陣営は盤石です。政党も業界団体も固めて、知事の支援も受けています。あなたに支持母体はありますか?」。
この質問に泉さんは、はっきりと答えました。
「支持母体は市民だけです。でも、それで十分だと思っています」と。記者やカメラマンは薄ら笑いを浮かべました。
形式上、重ねて「勝算は?」と質問が続けられ、再度、泉さんははっきりと答えました。
「当然あります。勝てますし、必ず勝ちます。それが明石のまちと市民のためだからです」。
そう言って会見を終えたのが、今から12年前のことです。
市長選は一騎打ちの激戦となりました。
結果はわずか69票差。相手の得票数53993票に対し、54062票。
1人ひとりの「1票」が積み重なり、政党や業界の壁を破り、市民とともに勝ち切りました。
69票という僅差は、たった35人が態度を変えるだけでひっくり返ります。人口30万人近くの都市で、たった1クラス分の差です。
「泉さんは、わしが通してやったんや」と言い合う市民の声が市内のいたるところで聞かれました。
2011年4月24日、明石市民の1票がなければ、今日の明石市はありません。
市政の転換も「5つの無料化」も「全国初の施策」も「10年連続の人口増」も実現していません。きっとこの本が書かれることもなかったでしょう。
おそらく全国でも、いまの明石市民ほど、自分の1票の持つ力を信じている市民はいないのではないでしょうか。
あの日私たちは、私たちの手で、私たちの未来を変えたのです。
本書に泉さんが綴ったのは、こうして明石市民が選んだ未来にどんなことが起こったのか。
示してくれたのは、「政治を変えることができたら、私たちの生活は変わる」という事実です。
明石市民が感じている政治への希望を全国のみなさんにお届けできたらと思っています。
そして、明石市の現実が全国どこのまちにとっても、あたりまえのことになればと願っています。
ご期待ください。
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Posted by ブクログ
テレビに出てる癖の強い人くらいしか思ってなかったですがこんな素晴らしい事をした人かと読後は感動してしまいました。障害を持った弟がいてその体験で明石を世の中を変えてやろうという強い思い、施策が素晴らしいと思いました。国レベルではやるのは難しいのかもしれませんが見習って欲しい。特定の層がメリットを享受する政策はダメという所に共感しました。
Posted by ブクログ
テレビで拝見し、どのような生い立ちでなぜ改革に取り組めたのか気になり、読みました。
バタリティや志の凄さに圧倒されましたが、市民や市の職員もまた少しでも生活しやすい街づくりをしていたのだろうと思います。
今の自分に何ができるか分かりませんが、目の前の人を想像しながら、互いに住みやすいように行動していきたいです。
Posted by ブクログ
この人は凄い。明石市長になるまでを描いた序章は、文章もうまいから小説のよう。ウルウルしながら読んだ。
漁師の家に生まれ、子供時代は、障害を持って生まれた弟を世話しながら過ごした。母親からは、弟の面倒を最後までみなければならないから、2人分稼げるようになれと言われ、精一杯勉強して東大に合格した。卒業後はNHKに就職したが、書店で石井紘基の本を手にし、仕事を辞めて選挙を手伝ったが落選。石井からは、司法試験を受けて弁護士になることを勧められ、4回目の挑戦で合格した。石井はその後、衆院議員に当選したが、2002年に刺殺されたため、その遺志を継いで、2003年の衆院選に臨み、当選した。国会では、犯罪被害者等基本法や無年金障害者救済法を担当し、成立させたが、2005年の郵政解散選挙で落選した。その後、明石に戻って弁護士の仕事を再開したが、2011年に明石市長選挙に立候補し、すべての政界や業界の支持を受けた対立候補者を破り、当選した。
「どんな選挙をしたか」と
「どんな政治をしているか」は、深くつながっている。
〝政党”や“業界団体”に担がれて選挙をやれば、
そちらを向いた政治になる。
市民とともに選挙をやって勝ち切れば、
「市民のための政治」が可能になる。
日本は、いまだに公共事業に多くのお金をつぎ込んでおり、GDPの7.3%(2017年)。イギリスやフランスよりも多く、アメリカより6割以上多い。一方で、子供などへの家族支出は、スウェーデン3.4%、イギリス3.2%、フランス2.9%に比べ、日本はわずか1.56%と半分程度。
自治体のトップには予算の配分を変える権限がある。税金を子供に使うことによって、子育て層から町へとお金が動き、地域の経済も回る。子どもの予算を12年間で倍増させ、職員を3倍に増やした結果、人口は10年連続で増加した。
日本には離婚後の子供を守るルールがないため、明石市では、離婚届を取りに来た人に「子供の教育に関する合意書」などの参考書式を配ることを始めた。この取り組みは厚生労働白書で紹介され、その後、法務省がこれをモデルにパンフレットを作成し、全国の自治体に配布した。
外交や安全保障などは国が担い、観光、経済政策は広域で対応、福祉、健康、地域の安全、生活支援などは市町村が担うのが合理的。
企業や団体の応援で当選した議員は、最初から一般市民よりもその企業や団体を見ています。それに加えて政治家からの口利きを期待して、企業や団体などから献金の打診も山ほどあります。さらに国会議員ともなると、空港やフライト、鉄道だけでなく、都心の一等地の宿舎などで優遇を享受できる。置かれた環境が過剰な特権につながり、さらなる勘違いを生じさせる。そのしわ寄せを受けるのは一般市民です。
Posted by ブクログ
出来ることなら明石市で子育てしたいな!と思う。
リーダーとして「どこに向かって誰のために何をするのか」が明確でブレない。とてつもないプレッシャーや『嫌がらせ』はそれはもう凄かったと思います。
もちろん市長のもとで働く公務員の方々もそれはもう大変だったでしょうね。でもそのおかげで今は日本中で羨ましがられる市になっています。大変だけど、その分、すごい『やりがい』『充実感』があるのではないでしょうかね☆
Posted by ブクログ
政治に対する不信感が日に日に増していく中で、メディア等での発言・発信に共感を覚える泉氏のことが気になり、本書を手に取りました。
結論から言うと、泉氏の政治に対する姿勢、市民に対する姿勢に、ただひたすら感動しました。
本書は、泉氏の生い立ち、政治家を目指したきっかけ、政治信条、明石市長としての取り組みと苦悩が事細かに書かれています。
明石市長を引退した今、明石以外にその考え等を広めていく活動に取り組んでいる最中のようですが、他市町村、都道府県、国が考えを改めるきっかけをもっともっと与えてほしいと願うばかりです。
また、本書を読むと、利権に絡んで市議会や市役所が嫌がらせのように泉市の取り組みを妨害してくる様子も分かります。
その妨害にもめげず、泉氏の覚悟たるや凄まじいものがあると理解できるのですが、逆に「ここまでの覚悟がないと務まらないのか、、、」とも感じたのが正直なところで、泉氏以外の次の成り手が現れてくるのかと不安な気持ちにもなりました。
早く日本が良くなって欲しい!
Posted by ブクログ
みんなにやさしいまちづくりをしたいという政治信念
そしてその政治信念に至った経緯
どういう政策を行ってきたか
これからの展望
自伝形式で書かれている。興味深い内容で、心動かされる。
Posted by ブクログ
泉氏の熱く、断固たる決意と思いを実績と共に綴った一冊。1文1文から情熱が伝わってくるようで圧倒されそうになる。
地方公務員としては職員との闘いの章があるあるで面白かったです笑
Posted by ブクログ
熱い本。
このような原体験をもつ草の根政治家がいたことがとても嬉しい。こんなにも言葉と行動が伴っている人が有難く希少に思えるほど今の政治家に誠実な人がいない。悪しきニア世襲制。
「おむつ定期便」「コロナ禍サポート券配布」など困り事を何重にもフォローする理に適った政策に好感を持った。
政治家の立候補の原因、学歴や経歴以外の生い立ちってわたしたちが選ぶ上で重要な判断基準になるんじゃないかな。何が理由で、何をしたくて立候補したか。
特に、経済の向上を叫ぶ政治家には注意が必要。誰の為の経済か。よく見極めなければいけない。
演説の際の「市民の皆さん」という声かけ、確かに支配層と被支配層を分けるような傲慢さも感じる。立候補者も「わたしたち市民」なのに。
私ができること、投票にいく、候補者を調べてきちんと選ぶ。そしてみんなで連帯すること。少しでも政治の話を周りとする。
泉市長筆頭に良い町づくりが広がることを願う。
Posted by ブクログ
とても読みやすい本。
多分、最初から最後まで伝えたい事がハッキリしているから、ブレがないから読みやすいのだと思う。
保育所の無償化や人口増加、そういったメディアでよく取り上げられた部分しか泉元市長の政策を知らなかったけれど、こんなにも沢山のことをしていたのかと驚かされました。
こういう人が政治の世界に増えれば,世の中に増えればと思う以上に、自分自身も思考を止めることをしてはいけないのだと思いました。
読み始めたら止まらない一冊です。
Posted by ブクログ
政治に希望が持てない中、こんな方がいたとは。それに気付きしっかり当選させた明石市民の功績も本当に素晴らしいです。
泉さんの考え方の根本が分かる本になっているので、より信頼を持てるようになりました。
Posted by ブクログ
子どもを軸とした政策で町を復活させてた市長。
本気で市民とためを考えて本気で動く、地方から全国へ、冷たい社会を変えていく強く信念を感じた。
子どもが好きだから、セカンドキャリアで教員を考えていたが、子どもとの関わり方は教育だけではないと感じた。自分の生き方の参考になりました。
Posted by ブクログ
社会の変え方
日本の政治をあきらめてしまっていたすべてのひとへ
著:泉 房穂
紙版
明石市長の手記、世の中の不条理と戦う、氏の想いは、かって感じたもどかしい想いをあらためて思い出させてくれるほど熱いなにかであった。
誰かじゃなくって、何かが間違っている。世の中の何かが間違っているに違いない
人は生まれながらにして平等、なんていうが、それは嘘っぱちだ。
世の中は、生まれる前から、あまりにも不平等だ。
そして、その不平等はさらに広がっている。
努力してがんばれば報われる、なんて言ったりもするが、それもまた嘘っぱちだ。
実際は、報われない努力のほうがはるかに多い。
感じたのは次のとおりです
・少数派を無視する社会
どこにいても、同じ自分のはずなのに、立場も気持ちも異なる状況に置かれてしまう
人は誰も、常に多数派でもなく、常に少数派でもない
おそらく、そうなのだろうと思ったりもしました
同じ社会に生きているのに、多数は居心地がよくても、もう一方の少数はしんどい思いをしている
両方の立場を行き来していた者として、こんないびつな社会の在り方が、まともだとは到底思えなかったのです
・六法全書を初めて見たとき、赤ペン入れて直してやろうと思った
世の中の理不尽の正体、言い換えれば、子ども時代から感じてきた社会の冷たさの原因の一つは法律にある
間違っている、これらの法律を変えていくためには、まずはその法律を知る必要があると。
そう思い直し、司法試験に臨むことにしました
間違った法律や制度の中で抗うのではなく、その法律や制度自体を変えていく必要がある
そのためには、政治の世界に行かなければ。
・本のまち、が人を育む
一つの家庭で、1500円の絵本を1冊買っても、1人の子供しか読むことができません
でも、みんなから預かった税金で絵本を1冊買えば、何十人、何百人という子供たちが良い本を読めるのです
今のような市民にお金がない時代こそ、みんなから預かっているお金で公が本を買う
・最大のポイントは、所得制限なし 見るべきは親でなく子供自身
明石市の5つの無料化は、所得制限なし
対象はすべての子供です
それにはいくつかの理由があります
まず、所得制限で対象外とされる方々は、すでに多額の税金や保険料を納めているからです
一定以上の所得がある方から預けて頂いた税金を一部の低所得の方だけに配ることは、社会に深刻な分断を招きます
・スタートは経済ではなく、人
本来、最初に大切なのは、人、のはずです。それなのに、いまだ放置されたまま。
政治が最初にみるところも、スタートも違っていたということです
・不条理を放置しない、離婚前後の子供養育支援
養育費の不払いは、アメリカでは犯罪です
北欧諸国や韓国では、国が養育費を立て替えたり、強制徴収する制度があります
立て替えも、強制徴収も、罰則も、何もしてこなかったのは冷たい日本くらいです
・人がいなければ、育てればいい
どこも、人がいない、といいます
そもそも専門人材が不足していると言われています
いなければ、自ら育てる、のです
・弁護士職員の採用
支払う気がないなら、粛々と訴訟を含めた法的手続きを進める
支払う能力がないなら、自立支援や、生活保護など適切な部門につないで、支援サービスを提供する
・縦割りと、申請主義を乗り越える
職員にはよく、3つのポイントを伝えてきました
チームアプローチ
アウトリーチ
ワンストップ です
・犯罪被害者支援は市民みんなのセーフティネット
日本では犯罪被害者やその家族に、厳しい声がぶつけられがちです
加害者の側には弁護士がつきますが、被害者の側には弁護士はいません
おかしな話です
支援が必要なのは、被害者も同じはずです
・変わらないのはわたしたちの責任
日本の政治のしくみは、明治維新のころからほとんどかわっていません
当時最先端だったフランスやドイツから制度を取り入れたときのままです
お手本にしていた国々は、とうの昔に、アップデートしているのに、日本だけが古いしくみを守り続けているのです
目次
はじめに
序章 原点は、冷たい社会への「復讐」
1章 「子どものまち」から始まる好循環――なぜ人が集まり、経済も上向くのか?
2章 「お金の不安」と「もしもの不安」に向き合う――まちのみんなで「寄り添う」支援
3章 「お金」と「組織」の改革――明石でできたことは、全国でもできる
4章 誰かの困りごとをみんなのセーフティネットに変える
5章 コロナ禍で見えた自治体のあり方
6章 望ましい政治に変えるために私たちは何をすればいいのか?
終章 いくつもの責任
おわりに
ISBN:9784909044396
出版社:ライツ社
判型:4-6
ページ数:376ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2023年01月
発売日:2023年01月31日第1刷
発売日:2023年06月30日第4刷
Posted by ブクログ
熱い。政治と自分に希望が持てた。やれることはある。パブコメ、政治家にメール、エックス。12年も反対派と対峙しながら、議会と議員をマネジメントした。マネジメント論としても再読する。金がなく増税も、ばらまきも、ひたすらに減税もうそだ。どう使うかを言える政治家を選ぶこと。自助できないから政治が要る。石井紘基さんのこと、読もう。外交のことどうかんがえているか調べる。
Posted by ブクログ
テレビで拝見すると、歯に衣着せぬ物言いで、よくお怒りになっているイメージだが(苦笑)実は泉さんの怒りはヒステリックでも気まぐれなわけでもなく、一貫して困っている人を助けたい優しさからのものだ。泉さんの決して裕福でなかった家庭環境や、障害のあった弟が受けた理不尽な社会に対する怒りを原動力にして、よくここまで心折れずに頑張り続けられるものだなと感心する(ご本人は「ゆっくり休むのは死んでから」とまで仰っている)。
そして口では何とでも言えるが、本気は案外伝わるものだなと思う。明石市民も巻き込んで、自分たちが暮らしやすい町を本気でつくっていったこと。政治なのでもちろん賛否はあるのだろうが、明石市民の誇りのようなお方だと思う。明石市民が羨ましいぐらいだ。
Posted by ブクログ
弁護士資格を持ち、元衆議院議員で、元兵庫県明石市長。
2025年の今年は、参議院選挙に出馬し当選。
テレビでコメンテーターとして見かけることも多く、多才な方だ。
幼少の頃、自身の家族に対する社会の冷たさを身に沁みるほど経験し、早い段階から政治家になることを志していたという。
本書を読むと、著者の並々ならぬ決意が感じられる。
「こんな理不尽な社会の仕組みを変えたい」
子供の頃に感じてから、真っすぐその道を進み、結果を出したのだから、本当にすごいと思う。
もちろんここに至るまでに、数々の困難を乗り越えてきたのだと想像できるが、どうやって一つ一つの壁を突破していったのかは非常に興味深い。
私はたまたま政治よりもビジネスの方に興味があるのだが、「壁を乗り越える」という意味では共通している部分だと思う。
私が働く会社も「役所っぽい」部分があると思っている。
受け身体質、縦割り組織、前例主義など、具体例をいくつか出せるが、多かれ少なかれ日本企業ではよくある文化ではないだろうか。
これらの壁を超えることは、どんな組織でも簡単ではないはず。
もちろんお役所そのものであれば、この壁はより一層高いはずだが、著者は様々な戦略戦術を駆使して乗り越えていく。
決意や覚悟も確かに大事だが、実行段階では緻密な計算も大事だと感じた。
今までにやっていなかった新しい取り組みを進めるのは、簡単な話ではない。
例え緻密に計算して戦略を練ったとしても、実行する職員を腹落ちさせなければ、物事が進まないからだ。
「自分に置き換えてみたらどうなるだろう」と、想像しながら読んでみたが、参考にできる部分が多くあったと思っている。
結果的に数々の施策が実行されたのは素晴らしいことだ。
そして、本当に意味があったのは、職員や市民の意識が変わったことではないだろうか。
新しい施策を企画する毎に、職員たちに対してイチから説明していたのでは、これだけの結果を出すこともできなかっただろう。
市民たちが、自分たちが本当に欲する施策を市に訴え、職員たちがその訴えに対して真摯に向き合って実行する。
明石市長は退任しても、その文化が根付いたことが、一番の功績だったのではないだろうか。
私が働く会社内でも数々の施策を行っているが、文化まで昇華させるのは本当に難しいと思っている。
実行できる仲間を集めて、愚直に実行するしかない。
諦めずに社会を変えていきたいと思っている。
(2025/5/12月)
Posted by ブクログ
「どうせ変わらない」――そう口にしてきた私たちに泉房穂は問いかける。政治を遠いものと感じるのは無力さではなく思い込みゆえだと。明石市長として彼が示したのは生活者目線の政策と本気の改革だ。子育て支援、教育、福祉――一つ一つの施策が人の心を動かしやがて市全体を変えていった。小さな自治体からでも社会は変えられる。あきらめる前に声をあげよう。未来は「誰か」に任せるものではない。
Posted by ブクログ
泉さんの背景が知れたこと、それが憤りからくる志が現れている。予算はあるが使い方に変化をもたらすことができないお役人さんたち。世の中のために動きたいけど動けないしがらみを排除していく難しさがあるがなんのために一生懸命働くかを考え実行していくためのきっかけになるのではないかと思う
Posted by ブクログ
元明石市長の泉房穂さんが行った市の改革を中心に書かれた本。
障害のある弟さんのいる泉さんは、政党や業界団体の支持なく明石市長に当選し、子どもや障害者に冷たい社会を変えようとされます。公共工事の予算を削って福祉に予算をつけようとすると業界団体、議会、公務員の抵抗にあいますが、最後には国からも視察が来るほどのモデルケースとなる市へと改革を行いました。
元々、泉さんは関西のニュースで取り上げられることが多く、色々な発言をマスコミが揚げ足取りで報道している印象でしたが、一方で明石市民から強い支持を得ていることを知って気になっていました。今回、本書を読んで泉さんの人となりや行った改革を知れて良かったです。
Posted by ブクログ
「こどもに優しい社会はみんなに優しい社会」というのは、本当にそうだなと思う。
無駄を省き、その地域にあった政策を迅速に行うこと。それも殺害予告や妨害に何度もあいながら…
どれほど困難なことだっただろう。
私もタイトルにあるように「日本の政治をあきらめている人」なんだけど、せめて選挙にはしっかり行くとか、出来ることをやろうという気持ちになった。
他力本願だけど、こんな風に社会を変えてくれるかも!というような政治家が登場してくれないかな。
Posted by ブクログ
明石市長だった泉房穂の書籍。改革派で、既存権益にすがる人達にとっては目の上のタンコブだろう存在だが、市民の方を真摯に見つめて、既存の考えに囚われず、できることを一つ一つ成し遂げられた意志、力量には脱帽。やや自慢のストーリーも多い印象は受けたが、型にハマらず戦っていくスタイルには勇気づけられた
Posted by ブクログ
前半は筆者の自伝のような形で半生が語られ、途中から明石市の政策が紹介されている。
筆者の生き方も、明石市の政策もどちらも興味深く読めた。
泉さんは最後は不祥事で引退という結末を辿るが、それでも明石市に残した実績を考えると稀有な政治家だと思った。
Posted by ブクログ
元地方公務員です。それこそ関西の地方の役所に勤めていましたが、読んでて
うん、うん、わかる〜って思うことが多かったです。市や国の状況ってもちろんそのときによってかなり変化があるのに、予算ですら
去年と同じでいいよね〜ってことがかなりありました。あとはひとつのこと決めるのにこれでもかって時間がかかり効率も悪い。座ってるだけの老害みたいな人が1番給料高かったりもするし、若い人はやる気なくなると思います。内容については、若干アピール多いなって思ったのと、安定と楽を求めて明石市役所に就職したやる気ない食育にはウザがられてそうって思いはしました。でも市民にとってはここまでやってくれる人は本当に信頼されそうですね。国会議員も私利私欲はおいておいて、この方ぐらい国民のこと考えて政策とか実行してくれたら日本もまだまだよくなりそうです。
Posted by ブクログ
明石市長として貢献した結果と今のお姿しか知らなかった身として、これだけの過去と決意と考えと行動力と展望と…が全て凄い。
ブレなかった事も、実行して実現してきた事も。そしてやはり日本はもっと違う視点で未来と向き合って行くべきだという事も。
今の日本に満足している人なんて、そうそういない。だからこそ。
政治に関わっていなくても、自分事として捉えるきっかけはいつでも必要で、むしろ日本だから出来る部分も多いはず。
Posted by ブクログ
立花孝志と揉めていた印象が強く、何が正しいのか混乱する。狙い通りなのかも知れないが、斯様に我々の認知は脆弱で真実は常に不確かだ。その行方はネットで調べる限り、ふわっとした結論は得られそうだが、究極は分からない。
だとすると良い事を並べた本書の苦労話もどう理解すべきか。自らのリテラシーによる〝直感“が試される。いや、もしかしたら〝方針やバイアス“つまり、単に自らの期待が試されているだけかも知れない。
本書を読み、泉房穂は弱者を守るという強烈な正義感を持つがその表現に強引さがある政治家、という印象だが、完全な振る舞いは難しいし、行動には強引さが必要だから、善し悪しではない。本を読み、人に会い自ら判断する必要がある。
ー 弁護士と社会福祉士では発想が大きく異なります。司法の世界では、人に関わるのは「介入」。法的根拠となる理由が必要。昔は「法は家庭に入らず」とも言われてきました。福祉の世界は違います。人に関わるのは「支援」。困っているなら、根拠があろうがなかろうが助ける。「放置せず、関わるのはいいことだ」という価値判断です。「どちらが正しいか」ではなく「どちらも必要」です。司法と福祉、この両者の連携が不十分なために、必要な支援が行き届かない場面が数多くあります。
ー 2025年には約700万人、実に高齢者の約5人に1人が認知症になるとの予測もあります。誰もが年をとり、年をとるほどかかりやすく、誰にも起こりうるのが認知症です。本人だけでなく、周囲の家族も含めた多くの方にとって、将来への漠然とした不安を抱かせる悩みごとになってくるのです。市民みんなに関係する避けがたい困りごとですが、現在の医学では認知症を完全に予防することは難しいと言われています。そうであれば、認知症に「なる前の不安」よりも「なった後でも安心」して暮らし続けられることに重点を置いた施策を進めるほうが、行政として現実的です。
そして、学ぶべきを学ぶ。人が正しいかは分からなくとも、発言の正しさは分かる。
Posted by ブクログ
3.5。兵庫県明石市の元市長による著書。明石市で行った政策や活動がメインだが、非常に面白かった。中学校の給食費の無償化や医療費無料の18歳までの拡大、第二次以降の保育料無料といった子育てに重心を置いた政策は非常に素晴らしい。また、その予算もやりくりで何とかしたとの事も素晴らしい。実際、役所の知り合いの話や年度末恒例の道路工事など、無駄とは言わないが、ここは削れるだろうってところはたくさんある。それを実行し、明石市を明るい町にした著者は本当に凄いと思う。ただ、夕張市の例もあるので、本当に予算は貯金できたのか?(大赤字や借金まみれ等)と疑ってしまうのもある。
もし、この本に書いている事が本当なら、是非、
自分の街の市政を任せてみたい!
Posted by ブクログ
twitterで流れてきたのを見て『面白そうな政治家だな』と思い、以降、ニュースなどでもその言動を気にしている市長。パワハラ的な報道を見たときは『えっ⁉』ってなったけど、本書を読む限り、その裏にはいろいろと事情がありそう。確かに、国民からすれば一番手の届く範囲にいるのが、各住居地域の市区町村長。県はそれより遠く、国ははるかかなた。国会議員が頓珍漢なのもむべなるかな、って納得してちゃいかんけど、何となく無理もない気もしてくる。明石市みたく、小さい単位でも変わるところが増えてくれば、それは大きな波にもなり得ますわな。まず隗より。余談だけど、本書を読みながら流山のことが頭を過ったけど、やっぱり東の流山・西の明石、みたいな考え方があるのですね。