【感想・ネタバレ】一番伝わる説明の順番のレビュー

あらすじ

■説明上手な人ほど、「伝える情報の順番」を意識する

本書は、戦略コンサルタントが教える
「相手の頭の中を整理しながら伝える技術」です。

「プレゼンテーションがうまくない」
「何を言っているのかわからない」

そういった経験はないでしょうか。
そこで、話し方や話す内容を変えようとしたところで
うまくいかない人が多いのです。

■「話し方」や「内容」を変えるのではなく、
「どの順番で話すか」を変えるだけで、
相手にもっと伝わるようになります。

なぜなら、説明するとき、
「どういった順番で話すか」を意識する
ことは、
「相手の思考を整理しながら話す」
ことそのものだからです。

■説明が苦手な人は、
自分の考えた順番で話したり、
思いつきで話たりするため、
相手はどんどん混乱していきます。

相手の頭の中に筋道を作って説明することで、
わかりやすく伝わり、プレゼンテーションや営業、
会議、報連相などにおいての
結果、評価、印象も大きく変わるのです。

■目次
第1章 説明が下手な人は、何が間違っているのか
第2章 わかりやすい説明の順番
第3章 説明力を高める!「自分の思考」を整理するコツ
第4章 理解度が高まる!「相手の思考」を整理するコツ
第5章 印象に残る伝え方のコツ
第6章 説明力を磨く思考習慣&トレーニング

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『一番伝わる説明の順番』読書メモ:伝達の本質とその先にある未来

ビジネスの現場で「説明が伝わらない」という課題は誰もが経験するものだ。田中耕比古氏の『一番伝わる説明の順番』は、この問題に対して「相手の思考を設計する」というアプローチを提案する。本書の魅力は、単なる話し方のテクニックではなく、説明を論理的に構造化するためのフレームワークを提供している点にある。

本書が提案する5段階フロー(前提共有→結論→根拠→補足→行動促し)は、特に複雑な内容を分かりやすく整理するのに有効だ。例えば、経営層には戦略的な視点で簡潔に伝え、現場には具体的な行動指針を示すといった「粒度調整」の考え方は、実践的で多くの場面で応用可能だろう。また、専門用語を控え、相手が理解しやすい言葉で説明するという基本を徹底している点も評価できる。

### 本書の有用性
- **論理的構造化**
複雑な情報を整理し、簡潔に伝えるためのフレームワークが提供されている。
例:会議やプレゼンテーションで、結論から話すことで相手の注意を引きつけ、その後に根拠や補足情報を加える。

- **相手視点への配慮**
説明は「自分が伝えたいこと」ではなく、「相手が理解しやすい形」に変換することが重要であると説いている。

- **実践的なアプローチ**
メールや会議など日常業務で即座に活用できる具体例が豊富に紹介されている。

しかし、本書には限界もある。特に組織全体や社会規模での課題解決には適用が難しい点だ。たとえば、大規模なプロジェクトや国家規模のインフラ整備などでは、個人の説明力だけでは対応しきれない複雑性が存在する。

### 本書の限界
- **対象範囲が個人スキルに限定されている**
組織全体で連携を図るためには、部門間やステークホルダー間の情報共有メカニズムが必要だが、本書ではそのようなシステム設計には触れていない。

- **短期的な効果への偏重**
本書は「その場で伝わる」ことを重視しており、中長期的な関係構築や持続可能性についてはあまり議論されていない。

- **複雑性への対応不足**
現代のビジネス環境では、多様な関係者との連携や非線形的な問題解決が求められる。本書ではそのような高度な状況への対応策は提示されていない。

### 読書から得た知見とその応用
本書から得た知見をもとに、さらに大規模で複雑な課題にも対応できる方法論を検討した結果、「説明」を個人技術から組織全体のインフラへと進化させる必要性が浮かび上がった。

#### 応用例
- **組織内での説明エコシステム構築**
部門間で情報共有を円滑化するためのダッシュボードやリアルタイムフィードバック機能を導入し、説明内容を可視化・統一する仕組みを作る。

- **AI技術との統合**
リアルタイムで相手の反応を分析し、説明内容を動的に調整するAI支援ツールを活用することで、より効果的なコミュニケーションが可能になる。

- **持続可能な関係構築**
短期的な理解だけでなく、中長期的に信頼関係を築くための説明戦略として、「共創」を意識した対話型コミュニケーションを取り入れる。

#### 問題提起として活用できる架空シナリオ
例えば、「国家規模の個人情報漏洩事件」が発生した場合、その原因として部門間連携不足や早期報告ルート欠如などが挙げられる。このような架空シナリオを提示し、「もし自社で同様の問題が発生したらどうなるか?」という問いかけから議論を始めることで、危機感を醸成しつつ具体策へとつなげられる。

### 総括
『一番伝わる説明の順番』は、個人レベルで説明力を向上させるための優れたガイドブックである。しかし、その適用範囲は限定的であり、大規模プロジェクトや複雑な組織課題への対応にはさらなる工夫が必要だ。本書から得た知見を基盤として、新しい技術や組織設計論と統合することで、「説明」を単なる伝達行為から「価値共創」のプロセスへと進化させることができるだろう。この進化こそが、本書の示唆を超えて現代社会に貢献する次なるステップと言える。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私は人に説明をするのがすごく苦手だ、と感じていたので、この本を手に取りました。
説明が得意な人にとっては、当たり前のことばかりかもしれません。
私には、有益な内容ばかりでした。
意識して、取り組んでいきたいことを以下にまとめておこうと思います。

これから、人に説明をするにあたり意識したいこと
・今日は、あなたが知りたい内容のうち、この部分だけをお話しします。と話すことで期待値を調整する
・聞き手に、どんなアクションをして欲しいのか最初に話す。改善点、意見が欲しい。など
・(営業の場合)「導入事例と、解決された課題を紹介するので、御社の状況に近いものがあったら教えてください。」
・説明上手になるため、最初にしっかりと調べる。考えている最中に気になったことも調べる。何となくの理解で終わらない。
・まず大まかな説明をして、細かな説明を追加して、理解の道筋をつける
・議事録の冒頭にサマライズをつけてトレーニングをする。やる気のアピールにもつながる
・職業などを何かに例えて、アナロジートレーニングをする

知らなかった用語
・サマライズとクリスタライズ
余計な言葉を省いて要約する↔︎キーワードを作り出して結晶化する
・カラーベイジング
・仮定思考。情報が少ない段階から、問題の全体像や結論を考えて仮説を作る思考法。それをぶつけて、相手の意見を交えて本当に欲しかったものに仕上げる

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2022年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者は田中耕比古氏。アクセンチュア、IBMを経て、株式会社ギックスの取締役。

感想。サクッと読めて、ポイントを再確認できる。

備忘録。
・自分が考えた順番ではなく、相手が聞きたい順番を考えて話す。

・何をどの順番で話すかを考える、説明する相手の理解度を意識する、何を言いたいのか決めてから話す。

・聞き手の立場を理解すべきと分かっていてもそれが難しい。その理由は、自分の都合で話す方が「思い出して話やすい」「準備負担が少なくて済む」「自分としてしっくりくる」。

・結論の前に、聞き手に期待する行動を伝えよう。「承認して欲しい」「アドバイスが欲しい」「手伝って欲しい」とか。

・「今日はこの話をします」ということも伝えて、相手の期待値をコントロールするのも良い。

・伝えたいことを徹底的に可視化する。書かれない思考は思考ではない。

・説明が上手くいかない問題の本質は、多くの場合、「言いたいことが決まっていない」こと。→その通り。。。

・説明上手への道は、徹底的に調べることから始まる。

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2021年03月31日

Posted by ブクログ

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うーん。相手が何考えてるかがことごとく外れるのよね。考えると考えるほどなんか変な方に行くらしい。さてどうしたものか。

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2021年05月30日

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