【感想・ネタバレ】ダマシオ教授の 教養としての「意識」―――機械が到達できない最後の人間性のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『ビジョンとともに働くということ』(山口周 中川淳)で【ソマティック・マーカー】を知り、その関連書を読みたいと思って手に取った『ダマシオ教授の 教養としての「意識」 機械が到達できない最後の人間性』(アントニオ・ダマシオ)。

ソマティック・マーカーというのは、本書著者が出した《意思決定において情動的な身体反応が重要な信号を提供するという仮説》であり、

簡単に言えば、《人が何かを実行しようと思った時の判断には、身体感覚や感情が不可欠》というものです。

「え、大事な事を体の感覚と感情で決めちゃっていいの」と思いますが、

過去の経験によって生まれた情動(身体感覚)・感情を記憶する部分である眼窩前頭皮質が除去された事で、

今まで通りの行動ができなくなくなり、同じミスを繰り返したり、意思決定ができなくなったりした事例があったそうです。

今回の本では、その感情を出す人の意識はどのようにして作られているかが書かれており、

❶ホメオスタシス(体外環境が変化しても体内の環境を保つために内分泌系、自律神経系、免疫系などに変化が起きる機能)由来の感情。
[ホメオスタシスの例]
暑い時、体温を下げるために汗をかく。
寒い時、体温を上げるために体を震えさせる。…etc。

❷情動的感情(記憶から呼び戻された今この瞬間の私、最近の私、遠い昔の私についての知識)

の2つで出来上がってるとの事で、

答えを出すのが難しい物事を「疑問には答えがあるし、難問は解ける」とずっと研究し続けるダマシオさんって、すっごいチャレンジャーだなって思いました。

「私たちの感情や近くの客体と主体な同じ生物の内部に共存するので「相互作用が可能になる」と読んだ時には、

《大笑いする事を続けたらガン細胞が減った話》や『マカン・マラン』(古内一絵)の《満たされない気持ちより先にお腹を先に満たして気持ちを整理する話》を思い出しましたし、

体と気持ちは繋がってるから体にとって良い事をしないと、

気持ちの面に表れるんだと思った1冊でした。

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2023年09月01日

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