あらすじ
ヴィクトリアはシドニーでレストランを経営している。不況のうえ、レストランの建物の新たな家主に家賃を値上げされ、店は潰れるかどうかの瀬戸際に立たされていた。ある日、彼女のレストランにアントニオ・ガヴェッリが現れる。レストランの隣に開業するホテルの所有者にして、何かと世間を騒がせている億万長者だ。ヴィクトリアは藁にもすがる思いで、ホテルとレストランとの提携計画を熱心に説明した。すると彼は唇に笑みを浮かべ、耳を疑うようなことを言った――いま、僕には妻が必要なんだ、と。
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Posted by ブクログ
偽装結婚+シンデレラストーリー。
経営しているレストランが、新たな家主、アントニオから提示された家賃の値上げ(事実上の買収交渉)によって、店が潰れるかどうかの瀬戸際に立たされてしまったヒロイン、ヴィクトリア。
なかなか立ち退きに応じないヴィクトリアがシングルマザーであることを知ったアントニオは、彼が抱える問題の解決に彼女を利用できると目をつけて、破格の条件で短期間の偽装結婚を提案します。ヴィクトリアは従業員や息子の生活を守るために条件をのむことに…。
冴えない女性だと思っていたヒロインが、実はとびっきりの美人でスタイルも抜群だとわかってヒーローはクラクラ。
息子の洋服にはお金をかけているのに、自分は眼鏡に野暮ったいスーツ姿を通しているヒロインの子供優先の姿勢にも、心惹かれていきます。
ヒロインは、気性の荒いところもありますが、優しい女性で、契約結婚とはまったく関係のないアントニオと父の壊れかけた親子関係の修復にも、心を砕くような素晴らしい女性でした。
そして、一緒に暮らすうちに、ヴィクトリアだけでなくその息子のネイサンにも徐々に、愛情を持ち始めるアントニオ。もちろんネイサンも幼いながら、アントニオに信頼を寄せるようになっていきます。
アントニオが、それほど非情な人では無かったので、テーマ(ほぼ強制的に結婚)の割にピリピリした雰囲気の話にならずに済んだと思います。
ラストシーンでは、ヒロインに対して真摯に愛情を伝えることが出来ていたのが良かった。