あらすじ
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江戸の暮らしは、どのようなものだったでしょうか。江戸時代の当時の資料は火災などでほとんど失われているため、はっきりとはわかりません。本書は、残された数少ない資料にあたり、当時の住居や暮らしについて絵と文で表したものです。
進行はフィクション仕立て。町人の家へは江戸へ三味線を教えにきた若い女性が、武士の家へは参勤中の殿のお供で江戸に来た若い武士が、それぞれ見て回るという設定になっています。フィクションですが、内容は参考文献に基づき、できるだけ事実に近づけようとしています。
江戸の町家と武家の人々と、間取りの本です。あなたはどの家に住みたいですか?
第一章 町人
江戸へ、菊香深川に着く
一 裏長屋
二 裏長屋の住人 職人
三 裏長屋の住人 商家
四 裏長屋の住人 自由人
五 江戸の女たち
六 裏店住まいの女
七 表店 商家
八 大店と越後屋
九 上商家と暮らし
十 町と大家
十一 貸店いろいろ
第二章 武家
真二郎、江戸参勤
一 直参と拝領屋敷
二 下級武士の組屋敷
三 旗本の中級武士の家
四 武家屋敷の特色 座敷
五 武家屋敷の特色 夫人棟と水回り
六 書院と床の間
七 数寄屋
八 上級武家屋敷
九 大名、殿様の屋敷
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
東京で部屋を探すとなると大変だが、江戸時代の部屋はどうなっていたのか。
主に町人と武士が住んでいたが、イラスト付きで説明しているのが今回の本。
町人は四畳半一間が標準で、現在の価格にすると家賃は月額25000円になる。
住居には表店(おもてだな)と裏長屋があった。表通りにあるのが表店あるいは表長屋と言う。そこは人通りが多いので商売に適している。その代わり、店賃が高くなり、広さによるが、裏長屋の店賃の5-10倍になる。
その一方で、裏店あるいは裏長屋に職人、商家の奉公人などが住んでいた。
中に入ると「意味深な男たち」もいたそうだ。その中には商家の若隠居という、早くから跡継ぎに当主の座を譲って趣味の世界に生きる人がいた。
武士の家と言ってもピンキリだ。加賀百万石の前田家のような広大な屋敷を持っている大名もいれば、徳川家の直参の下級武士の御家人(約200石未満)もいる。
大名にもなると上、中、下屋敷を幕府から拝領していた。
上屋敷は参勤交代で来た家臣と殿様が住んでいた。
中屋敷は隠居した下藩主や、当主の生母、藩主の世継ぎなどが住んでいた。
下屋敷は江戸の郊外にあり、広大な敷地には築山や池を配して息抜きをするための場所だった。
尾張藩の下屋敷は、現在の新宿区早稲田戸山公園にあった。約13万6千坪の広い屋敷だった。
面白いのは、東海道をまねた「ニセの宿場町」を造っていたことだ。しかも、店まで作って、来客の武士たちが町人のマネをして買い物をしていた。
店側の人は誰が担当していたのか気になるが、近隣の百姓たちが園内の農地を耕しに来ていたので、彼らが担当した。
お買い物ごっこをするお殿様。「籠の中の鳥」みたいなもので、息抜きがしたかったのかな。
Posted by ブクログ
江戸時代の町家と武家、その住まいの間取りを巡ってみよう。
第一章 町人・・・裏長屋、表店、大店、上商家等、暮らしと共に。
第二章 武家・・・拝領屋敷、組屋敷、大名屋敷等、暮らしと共に。
参考文献有り。
江戸へ三味線を教えに来た菊香が大家さんの案内で、
参勤中の殿のお供で江戸に来た真二郎が旗本の息子の案内で、
それぞれ町家と武家の暮らしや間取りを巡るという、趣向。
各種資料や出版物等を模写したカラーのイラストで、
それぞれの生活の様子と間取りを中心に、会話で説明しています。
町人ならば裏長屋から上商家まで、武家ならば足軽長屋から
大名や殿様の屋敷まで、正にピンからキリまでの住まい。
風呂無しでトイレ共同の簡易キッチン付きワンルームの裏長屋。
お隣さんの声が筒抜けで、棟割長屋は日当たりが悪い。
大工の親方宅には隣接して、職人の長屋が併設されてたり。
隠居の住む広めの裏長屋や妾が住む長屋がいろいろなのも、
興味深いものでした。
武家も、細やかな足軽長屋から豪勢な大名屋敷まで。
上級武家屋敷は接待関係の部屋がいろいろあるとか、
屋敷替えは建具や庭石、樹木までも引っ越すことに、驚き。
一緒に江戸物の小説を垣間見ながら読むと、興味倍増でした。
宮部みゆき作『ぼんくら』の、お徳の店、表長屋で二階建て
だから、ん~裏長屋よりずっと店賃高いんだ~とか。
間取りが用途等で色分けしているのも、良かったです。
個人的には、武家屋敷に厩が描かれてなかったのが、残念。
Posted by ブクログ
現代東京で、江戸の長屋暮らしを再現できないか考えている。
江戸では通りに面した大店から路地に入ると、そこには長屋が並んでいた。
長屋の間には公共の場があり、そこには棒手振りの物売りが出入りしていた。
そういった、現代のビルにおいて、どうやって人が出入りできるような隙間を作ることができるか。
また、江戸と比べると現代社会では小商いが成立しない。
かつては長屋の自室で仕事をしていた職人ばかりだったはず。
職人と小商い、そして長屋の隙間。
そういった町の仕組みを再考したい。
Posted by ブクログ
江戸で住むことになった町人の娘さんが
大家さんと物件探しをする前半と
参勤交代で江戸詰めになった武士が
武家屋敷を見て回る後半。
どちらもフルカラーの間取りと
江戸時代の版画などをもとにしたイラストが
たくさん載っていて楽しい!
特に前半は、時代小説を読むのに
ああ、こんなところで寝起きしてたんだなぁと
想像を補完してくれる気がします。
江戸で三味線を教えて暮らしたいという娘さんに
「それなら習い手がいそうな商家の近くとか」
なんて物件情報を教えてくれるのがポイント♪