【感想・ネタバレ】話術(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

話術の神様 徳川夢声が残した、話し方の教科書
分かりやすく、おもしろかった。

■総説

・話の本体
 ①ハナシというのは実に大切
 ②ハナシはだれでもできるもの
 ③だれでもできるから研究しない
 ④だれでもできるから実は難しい
話の巧い拙いは、聞いてみて感ずるだけで、別にメーターみたいなものがあるわけではありません
天狗は芸の行きどまり

・話の根本条件
 ①ハナシは人なり、コトバは心の使い 真似で演ずるものがいかに上手に真似ても、それは聴衆を動かしません、なぜなら個性がないからです ⇒ ハナシには、個性が絶対必要なり
 ②話は、言葉の建築 話の目的を3つに分けますと 意思を伝える、感情を伝える、知識を伝える ⇒ 必要なことばとは、使用する術とは
 ③声調と口調 ハナシをするには、大きい声、強い声、美しい声の方が、小さい声、弱い声、イヤな声よりも具合が良いこと、いうまでもありません ⇒ 本を朗読して練習、読むよりも、語る
 ④間の置き方 マが重要な位置を占めています、目立たない、目に見えない重要な位置をです。 ⇒どう研究する? ⇒たくさんの経験を積むこと、絶えずその心構えでいること
 ⑤ハナシの分類 個人対個人 座談、会談、業談 人対衆人 演説、説教、演芸 

■各説

座談
・教養が深く見聞が広く、話題が豊富である
・共通の話題を選ぶこと
・相手の話をよく聞くこと 腰を折らない、間と気合を外さずに
・話しての顔をみる
・何かしながら聞かないこと

座談15戒
①一人でしゃべらない
②だまり石にならない
③そりかえらない
④ばかていねいにならない
⑤お世辞屋なるなかれ
⑥毒舌屋たるなかれ
⑦コボシ屋たるなかれ 愚痴をこぼすな
⑧自慢屋たるなかれ
⑨ほら吹きたるなかれ
⑩酢豆腐たるなかれ 知ったかぶりするな
⑪賛成居士たるなかれ 何でも賛成するな
⑫反対居士たるなかれ 何でも反対するな
⑬軽薄才士たるなかれ
⑭朴念仁たるなかれ 融通をきかせろ
⑮敬語を忘るるなかれ

・単調は退屈の母

演説
①自分が言わんとすることを、心の中に順序よく積み重ねておく
②聴衆の状態によって、言語態度など変通自在に加減する
③場所の状況如何によって、臨機応変たること
④自分の地声をよく鍛錬すること
⑤海上の広い狭い、聴衆の多少によって、声の調節を計ること
 ・登壇前に会場の広さを目測する
 ・登壇前に客席の頭数と聴衆の種類を読んでおく
 ・登壇後、第一声から、耳を澄ませて、会場の反響を聞く
 ・客席の最後の方を見て、声が達しているかどうかを確かめる
⑥聞かせるのが半分、見せるのが半分と心掛けること
 ・手の置き方、用い方
 ・足の添え方、運び方
 ・目の据え方、用い方
 ・水の飲み方、服の整え方
 ・やじの捌き方

■話道の泉

・言うことがいかに優れていても、態度がなっていなければ、聴衆は、絶対に感動しないであろう
・話す時間が短くなればなるほど、準備する時間を増やさなければならない。失敗は許されない

はしがき

総説
 第1章 話の本体
 第2章 話の根本上演
各説
 第1章 日常話
 第2章 演壇話
 演説
 説教
 演芸
話道の泉
東京を愛した”雑の人”濱田研吾
50年の怠慢を経て名著を読む 久米宏

ISBN:9784101213613
出版社:新潮社
判型:文庫
ページ数:256ページ
定価:490円(本体)
発売日:2018年04月01日

0
2023年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は実務家教員養成課程で先生から勧めていただいた本です。
確かに僕も研修で喋ったり会議で説明したりします。
でも話し方の勉強はしたことなかったなと思いました。

漫談の本職と素人の違い
「生まれつき話すことが面白く巧い」
「比較にならないほど場数を踏んでいる」
「四六時中材料に目をつけている」
それによって生計を立てているか」
話すことを楽しみ場数を踏み常にネタを探し続けることが出来れば初めて仕事に活かせるんやと思います。
「できるだけたくさんの必要な言葉を知り、できるだけ的確に、それを使用する術を学ぶ」ということなんやと思います。

僕が本書を読んで真髄なんやなと思ったのが
「間の置き方」
です。
張り詰めた神経を鋭敏に働かして、レーダーの如く、正確無比に適不適を計るところの「沈黙の時間」「虚実のバランス」を極める。
これができれば間の取り方は完璧なんかなと思います。

①間の取り方、その感情は表すべく、実に的確であること
②声の強弱、明暗がはなはだ巧みに配置されること
③言葉の緩急、遅速、申し分なく調節されていること
「音楽的にいうとリズムとテンポの理想的な結合」が求められるんやと思います。

話術と間の取り方。
これは極めたいと思います。

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2019年08月12日

Posted by ブクログ

『話術』
著:徳川夢声
平成30年 新潮文庫
(昭和22年6月秀水社より刊行)


文体がお喋り名人だけあって、
とてもリズムがよく、飽きさせない。
ちゃんとこちらを見て話してる感触がする。
読書は著者とのお喋り、という感じ。

話す事は素人でも出来る、という所から、
では「ハナシ」のプロとは何なのか、
と論が進んで喋りのプロ論になっていくの、面白かった。

そして
「自分が最も効果的であると信ずる読み方をする」
という所にたどり着く。
そうか、そうですよね、となる。
また、話をする相手や会場、年齢などに沿って行う
「話の種類の分類」
も面白かった。




【目次とメモ】

総説

第一章 話の本体
話は素人玄人の境が曖昧で、誰にでも出来るもののように思われる。研究する人も少ない。

第二章 話の根本条件
個性が大事。
ハナシは意志・感情・知識の伝達。
自分が最も効果的であると信ずる読み方をする。
マ術。


各説

第一章 日常話
日常会話における様々な心得が語られる。

第二章 演壇話
メニューで泣かせる
手は口ほどに
その他、様々なジャンルでの話し方が分類され描かれる。

話道の泉
色々な「話術」に関する逸話が語られる。面白い。

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2022年09月26日

Posted by ブクログ

話術というよりは、話し方の実践的な心得が述べられている指南書といったところか。とても参考になる部分があると思います。

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2019年02月25日

Posted by ブクログ

歴史資料的価値は認めるが、実践的価値はさほど。間の重要性ですかね。話すということにここまで意識的に取り組んでいる人はあまりいなかったと思うけど、YouTuberの時代になりそういう人は増えて来てるんだとは思います。エクリチュールからパロールへと時代は移っていくところなのかもしれない。この本はデリダとは何の関係もないですが。

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2021年04月11日

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