あらすじ
ビジネス界随一の読書家が、古今東西の名作、名著の中から「人生の教養が身につく名言」を一挙紹介!「名言」とは、教養を一言にシンボライズしたもの。歴史の風雪に耐え、今の時代まで生き抜いてきた「本物の知恵」、それが名言なのです。そこで語られていることは、あらゆる人生の「本質」を突いている――。・人生の楽しみは「喜怒哀楽の総量」 「人間は死ぬまでは、幸運な人とは呼んでも 幸福な人と申すのは差し控えなければなりません」(ヘロドトス)・誰もが、そこそこに善良で、そこそこにずる賢い 「不思議なものは数あるうちに人間以上の不思議はない」(ソフォクレス)・「偶然」を大切にする人を運がいいと呼ぶ 「すべての真の生とは出合いである」(マルティン・ブーバー)人間関係、仕事、遊び心、家族、別れ・・・・・・人生を「愉しく、味わい深く生きる」知恵が凝縮した1冊!
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Posted by ブクログ
2017年、13冊目です。
ベルナール・ド・シャルトルの言葉、
「巨人の肩に乗っているから、遠くを見ることができる」が最初に紹介されていて、
なるほどなと感じてしまった。巨人の肩に乗るという感覚は、西欧的だと感じますが、日本的に言えば、鳥瞰的にものを見れるようになるという感じかな。
たくさんの過去から蓄積された知識や知見を寄る辺として、自分の考えの柱を立てる
ことで、近視眼的にならない人生を選択できると説かれています。
古今東西のたくさん「名言」といわれる言葉が紹介され、その考え方や著者の解釈が、記されています。私自身知らない「名言」がたくさんありました。
ただの名言集とは異なるのは、たくさんの名言とその背景の考え方を紹介しながらも、著者自身の人生観、人間観に一つの筋が通ったものになっていると感じられるところです。
*ベルナール・ド・シャルトル=12世紀ルネサンスのフランスで、プラトンの思想を研究・発展させたシャルトル学派の中心人物。
たくさんの言葉の多くが、自分の人生の大方のこと関わりがあると感じるのは、
私が著者の出口治明さんと大きく年齢が違わないせいかな。
■「言わなくてもわかる」は、ありえない
人間関係のこじれる原因を探ってみると、どちらかに悪意があった場合より、どちらかがついうっかりコミュニケーションを怠けてしまったゆえに起こってしまった場合のほうが、はるかに多い。ゲーテの言葉「世の中のいざこざの因になるのは、奸策や悪意よりも、むしろ誤解や怠慢だね」
著者自身の人生経験から次のような言葉があり、共感できました。
年を取るに従い、できることが限定されていきます。若いころのように、「あれもできる、これもできる」とはいきません。しかし、このことは、けっして悲しむべきことではないし、むしろ歓迎すべきことだと私は思っています。なぜなら、自分の可能性が少なくなっていくことで、「現実」がよりよく見えてくるようになるからです。もっと言えば、今、自分が何をすべきかがより明確になっていく。