【感想・ネタバレ】プエルトリコ行き477便のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

【人間不信になる現実、でも誰かを信じたい】
アメリカの小説、新鮮でした。

各章短く、テンポよく、
2人の女性、クレアとエヴァのシーンがほぼ交互に綴られる。

プエルトリコゆきの477便のチケットを持ったクレア。
搭乗前に、クレアとチケットを交換するエヴァ。
失踪を試みる二人が交わった空港での出来事を起点に、
エヴァのそれまでと、
クレアのその後について、
目が離せなくなる。

登場人物があまり多くなくて、
シーンが変わっても置いていかれずに読めた。

人に助けてもらうこと、
形跡を残すこと。
信じること。

生きると決めたなら避けられないのかも。
どれだけ人間不信に陥っても。
誰か信じられる人がいる世界であってほしい。
弱っている時に漬け込む人。
立場を濫用する人。
心から手を差し伸べようとする人。
分からないけど、自分は手を差し伸べる人でありたい。
利害を超えた友情を大事にしたい。
全ては流転する、けれど。
あとたぶん、
直感を高める。

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2024年05月11日

Posted by ブクログ

プエルトリコに行くクレアは夫の暴力と支配から逃れたかった。クレアに空港で声をかけたエヴァという女性は夫の安楽死を手伝ったのでオークランドに戻れば逮捕される可能性があるという。
今の生活から逃れたいと思う2人は空港で航空券と身分を交換することに。
クレアはオークランドへ。
エヴァはプエルトリコへ。

2人の女性のことが交互に綴られていく。

クレアはオークランドに着いてから当初乗る予定だったプエルトリコ行き477便が墜落したことを知り、今後のことを模索する。
エヴァは何者なのか、実は何から逃れたかったのかが段々と明らかになる。

序盤から終始ハラハラするサスペンス。
とても面白かった‼︎
不安だらけの辛い状況のなかで出来た友情が救いとなり友の言葉が沁みる。
自分らしく生きようと力強く勇気ある行動に大変励まされた。

いい作品に出会えた。

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2024年02月05日

Posted by ブクログ

読み終わって、そう、後書きまですべて読み終わっても、どきどきする本にたまに出合うことがあります。
わたしにとって『プエルトリコ行き477便』はそういう本でした。

登場人物はふたり。
ひとりは上流階級に嫁ぎもうすぐ上院議員に立候補しようとしている夫に虐待されているクレア。
もうひとりは薬の売人をしてひとりでひっそりと生きているエヴァ。
ふたりの視点で交互にものがたりは進んでいきます。
クレアの視点は現在進行形でクレアの語り。
エヴァの視点は三人称でプエルトリコ行き477便に搭乗することになるまでの状況がえがかれている。
過去と現在が語られることで相乗効果ってめちゃくちゃ上がることもあるんだな。
過去回想は書き方としてよくないし損しているって前に言われたことがあるのです。
過去回想でも回想でなく、進行形で書けばそんなことはちっとも気にならないんだと分かったのは良かった。

クレア視点で語られるとクレアに肩入れしたくなるけど、私が好感を持ったのはエヴァと隣に引っ越してきたリズの関係でした。
読み終わった今も、ふたりのことを考えると胸が熱くなるし、涙が出そうになります。
単なる友情ってたぶんどこにでもあると思う。
エヴァは薬物依存症の母親と、その面倒を見るために孫のことを見れないと祖父母に捨てられた過去があり、複雑な環境で生きてきたから誰にも頼らず誰にも心を開くことができずにいた。
そんなエヴァのことを友だちだと言ってくれた年上のリズのことをわたしも好きにならずにいられない。
本当の友だちはたぶん全然年齢とか境遇とか関係ないんです。
もちろん、友だちが必要かどうかは自分で決めていいし、ひとりで強く生きていけるのはとってもいいことだとは思うけれど、クレアみたいに誰かが助けてくれる場合もあるかもしれない。
エヴァがリズに会わなかったらきっとあんな風にしなかったとは思ったけど、エヴァは最後の最後で自分の判断をしたけれどそれでもひとりぼっちではなかったって思えたんだとわたしは思いたい。
エヴァは間違ってなかったって言ってあげたい。
クレアはエヴァのことをきっと忘れないし、リズもずっと友だちだから。
泣きそうです、本当に。

あと、著者インタビューもとてもいいのです。
たくさんの人に読んでほしい本です。

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2023年08月16日

Posted by ブクログ

掘り出し物に当たった^o^!と感想を書いている方がいらしたので、興味を持った作品
乗っかって良かったデス☆(*'▽'*)
海外サスペンス
舞台はプエルトリコだと思っていたが、カリフォルニアのバークレーといったところか
全く違う人生をやり直そうとする2人の女性クレアとエヴァ
共通点は、逆境に耐えながらも友達には恵まれていたが、余りにも悩みが大き過ぎて相談出来ずに葛藤する日々を送る所
最後闇に包まれた部分が明らかになり、え?そうなの?!!(◎_◎;)となりました
 

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2022年12月12日

Posted by ブクログ

二人の女性が新たな人生を手に入れるために飛行機のチケットを交換するが、一方の飛行機が墜落してしまう。とにかく続きが気になって読み進めてしまう。自分の名前も人生も全て偽って新しい土地でやり直すのがどんなに大変なことか。当たり前のように平和に暮らしているが、何者にも脅かされないことがどんなに幸せなことか。本当に苦しい時に助けてくれる人が身近にいることがどれほど心強く感じられることか。人が絶望からぬけるには、やはり一人ではどうしようもないこともある。人間関係は大切だと感じた。

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2022年09月04日

Posted by ブクログ

読みだしたらノンストップでした。権力者のDV夫から逃げる妻、というありがちな設定だけど、そこから先はまるで読めない。最後まで楽しめました。

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2022年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今の生活から逃げ出したい2人の女性が出会い、お互いの身分、航空チケットを交換する。

そこからそれぞれの過去と現在が代わる代わる描かれていて、物語の運びというか、構成が見事だった。。

逃げることの恐怖、臨場感がものすごく伝わってきて、ハラハラしながら読み進めた。

翻訳もとても読みやすくて良かった

最後は涙しました。 

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2022年02月15日

Posted by ブクログ

 思わぬ拾い物という印象が強い一作である。まだこれが二作目という新人女流作家には、目のつけどころの良さと、ストーリーテラーとしての稀有な才能を感じさせられる。邦題は原題の直訳ではないけれど、なかなか洒落た納得のゆくタイトルであることが、本書を読み始めればわかって頂けると思う。

 本書を読み始めると、まずページを繰る手が止まらなくなる。クレアとエヴァという二人の境遇の異なる女性が出会うのは、ニューヨーク、ジョン・F・ケネディ空港。しかも小見出しによれば「墜落事故当日」。え? 

 二人の女性が航空券を交換するシーンがこの小説のスタート地点だ。見ず知らずの他人同士として、初めて出会った女性二人が、空港という人生の交差点で、これまでの捨て去りたい人生を互いに交換する。そんな運命と、その裏に窺える二人の追いつめられた人生こそが、小説の序章である。

 墜落当日から始まるクレアの物語。そして、墜落当日の6か月前から現在へと回想されるエヴァの物語。二つの物語の進行で本書は構成されている。

 クレアは、財団の理事である夫の隠れた家庭内暴力に苦しめられ、そこから逃げ出したい。エヴァは、親に捨てられた孤児として育ち、現在は違法ドラッグ製造に関わっているが、組織から逃走して別の人生に逃げ込みたい。クレアとエヴァが航空券を交換することにより、本当に実際に交換したものは何であったのか?

 二人の乗り換えた飛行機の一つ、エヴァが最終的に手にしたプエルトリコ行き477便は、その日、出発後間もなく墜落し、海の藻屑と消える。エヴァはこれに乗り込まずに済んだかに見える。そしてふたりの時系列も場所も異なる二つの物語がそれぞれ一人称の物語として進むことによって、運命のそれぞれの行方が次第に明らかになり、それとともに訪れる結末が想像できぬまま、ぼくらはこの作品を追い続ける以外何もできなくなる。

 何よりこうしたアイディア、そして構成が、この作品の肝なのである。先が読めない展開も去ることながら、男たちからの支配、暴力、悪意、利用などをダイレクトに身に受ける存在としての二人のヒロインの物語が残酷で、彼女らの未来を彼女らの力で取り戻すプロセスと、そして訪れるべき幸せな結果を読者は望むことになる。

 人生の残酷さをこれでもかと受けてきた女性たちの行方は、最後にはどうなるのか? そうしたプロットを主軸にしつつ、エヴァの隣人であるリズの存在が次第に強くなる。彼女が傾ける無償の優しさが、徐々に明らかになるように見える。それは罠なのか、それとも真に無償の救いなのか? 思わぬ展開と人間関係の妙という力学も働きつつ、終盤に待ち受ける意外などんでん返しの連続技が圧巻である。面白さと物語の内容の深さという両輪を兼ね備えた、重たくも推進力を感じさせる作品なのである。

 この素晴らしい作品は翻訳ミステリー読書会関係者の皆様よりご紹介頂いた。いつもながらただただ感謝である。

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2022年02月13日

Posted by ブクログ

夫の暴力から逃れる為に失踪を図るクレア、空港でクレアとチケットを交換したエヴァ。
見知らぬ女性になりすまし、新しい人生を始めようとするクレアパートと、エヴァが空港でクレアとチケットを交換するまでを追うエヴァパート、2つのパートを交互に読んでいくうちに高まる緊迫感。
読ませるサスペンス/スリラーでした
描かれている女性同士の友情も見どころです。
色々書くとネタバレになりそうなので、サスペンス好きな人はとにかくぜひ読んでみて!

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2022年02月09日

Posted by ブクログ

違う本ほしくて本屋来たのにタイトルからしておもしろい予感しかしなくて衝動買い。最初から最後までずっとハラハラドキドキさせられる、2021年に読んだ本の中で一番良かった。主人公2人の女性の痛々しいまでの精神描写が非常に臨場感があり、抑圧された環境でストレスに晒されたことがある全ての人にすすめたい

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2022年01月22日

Posted by ブクログ

その場から脱出したい女性がふたり。片方は夫からの凄まじい虐待に遭い、もう片方は犯罪がらみのやばい状況。空港でばったり会って航空券を交換したら現状から抜け出せるのか。

どうか無事に逃げられますようにとひたすら願う。一時逃げられたとしても、その後の生活に不安を抱くようでは駄目。とにかく完全に振り切ってと。

臨場感が凄い。歳を取るにつれて片仮名の名前が頭に入りにくくなっているため(笑)、海外ミステリーは年に数冊しか読まなくなっていましたが、こんな作品を読むと俄然もっと読みたくなる。

冒頭に「勇気を持って自らのために声をあげたすべての女性に捧げます」とあります。見てくれている人、助けてくれる人は、きっといる。

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2021年11月09日

Posted by ブクログ

逃げる二人は空港で行き先を交換した。
そして片方の飛行機は墜落した……。

物語は生き延びた一人が逃げ続ける様子と、もう一人の墜落事故の出来事が、交互にそれぞれの目線で描かれていく。

近寄ってくる人を疑い、自分を諦める、どうしょうもない苦しさ。
我慢するも逃げるも先が見えない苦しさと、「#MeToo」と声をあげるための覚悟が、自分のことのように伝わる。

始まりからラストまで、ずっと緊張して読んでいた。

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

有名人の夫の暴力に悩み失踪計画を練ったクレアだったが直前で予定が変更になってしまった。混乱のなか、空港でエヴァと身分を交換した直後、交換した飛行機が墜落する。彼女は死んだこととなって生きていく、、

クレア(1人称)と女性(3人称)の2視点から描かれる。精神的に追い詰められていくサスペンス要素と徐々に分かる真実、変わっていく展開が面白かった。

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

CL 2022.8.28-2022.8.31
今の生活から消えたい二人の女性が航空チケットを交換して入替る。
クレアの現在とエヴァの過去が交互に語られる。
とにかく次が気になって次へ次へと読みたくなる一冊だった。

被害者が加害者から逃れるために全てを失うなんておかしい。それでは逃げ切ったことにはならない。とか勝手なことを考えながら読んでいたけど、胸のすく解決で嬉しかった。
でも、やっぱりラストは悲しい。残念です。

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2022年08月31日

Posted by ブクログ

今の人生から逃げ出したい2人の女性が、空港でチケットと身分を交換する所から始まる物語。夫から暴力を受け続けるクレア。自尊心を奪われた彼女は、周りを信用する事も助けを求める事も不可能と思い込んでいる。エヴァは愛された記憶がない、孤独な女性。いくつかの人生の岐路を誤り戻れなくなった彼女も、誰かに頼る事をできずに追い込まれてしまった。「失踪」では解決にならず、声を上げる事が、自分の人生を取り戻す方法だとたどり着いたものの、何と勇気のいる事だろう。それにしてもエピローグが切ない。

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2022年08月14日

Posted by ブクログ

夫の支配から逃れたいクレアと犯罪に手を染めた自分を変えたいエヴァ。二人が空港で出会い搭乗券を交換する計画。しかしエヴァが乗った飛行機が墜落。全てが狂い始める。人は痕跡を残さずに姿を消せるのかというのが大きなテーマとしてある。様々な困難と、それでも今の現状を変えたいという意思と女性が声を上げることの難しさが描かれている。いつ身元がバレてしまうのかという緊張感と恐怖が常にあってそれが物語を引き締めている。二人の女性が上手く逃げ切れるように、この先幸せになれるような結末をと思わずにはいられないような祈りのようなものを思いながら読み進めていた。

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2021年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1/3読んで今のところ全然面白くない。
だるい。こいつら何やってる?って感じ。
ペトラとニコはどうした?死んだ?

半分読んだ
惰性
全然面白くない刺さらないなんだこれ

p.309
まさか翻訳小説で"宴もたけなわ"のフレーズ聞くことになるとは

最後はガーーーっとハマったけど結局エヴァは477便に乗って墜落死したの?
クレアが見たクレアの服を着たエヴァっぽい人は結局エヴァじゃなかったって事?

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2023年07月17日

Posted by ブクログ

DV夫から逃れたい一心で訳ありの女性・エヴァと航空チケット&身分を交換した主人公・クレア、それもつかの間、失踪先で自分が乗るはずだった飛行機が墜落し、乗客全員が死亡というニュースを目にする―。事故前日から始まるクレアのパートとおよそ半年前に遡るエヴァのパート、時系列が異なる両者の視点が交互に挿入され、徐々に真相が明らかとなっていく。序盤のスピード感は徐々に失速し、想像していた程ドラマチックな作風ではなかったが、自ら声を上げるのを躊躇う女性たちに対して『必ず味方はいる』と訴えかける著者のメッセージは力強い。

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2022年07月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

Metoo作品の入り口として軽く読みやすいと思う。ミステリ(というかサスペンス)としては少し甘くて「え?そこ流すんだ」と肩透かしに思うところもあった。普段ルースルンドとか読んでるからかもしれないけど・・・。ドラッグに纏わるネタにどうしても興味が持てなくてちょっと途中疲れてしまった。

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2022年02月10日

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