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暴力的な夫からの失踪に失敗したクレア。
見知らぬ女性と身分を交換するが……
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〈ニューヨーク・タイムズ〉紙 2020年の夏に読むべき本選出!
『グッド・モーニング・アメリカ』2020年の夏に読むべき25冊の本、Apple Booksにて2020年上半期のベストブックに選出!
ケネディ家に次ぐ名家に嫁いだクレアは夫の暴力に悩み、失踪計画を練る。仕事でデトロイトに行く際に計画を実行するはずだったが直前になって夫が行く先を変更、クレアは夫の代わりにプエルトリコに向かうことになった。混乱し、空港で呆然としていると見知らぬ女性に話しかけられ、カリフォルニアに戻ればある事情から逮捕されると聞かされたクレアは、夫から逃げたい一心で飛行機のチケットと身分の交換を提案する。だがクレアの乗るはずだった飛行機がフロリダで墜落、彼女は死亡したことになり……
原題:The Last Flight
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Posted by ブクログ
プエルトリコに行くクレアは夫の暴力と支配から逃れたかった。クレアに空港で声をかけたエヴァという女性は夫の安楽死を手伝ったのでオークランドに戻れば逮捕される可能性があるという。
今の生活から逃れたいと思う2人は空港で航空券と身分を交換することに。
クレアはオークランドへ。
エヴァはプエルトリコへ。
2人の女性のことが交互に綴られていく。
クレアはオークランドに着いてから当初乗る予定だったプエルトリコ行き477便が墜落したことを知り、今後のことを模索する。
エヴァは何者なのか、実は何から逃れたかったのかが段々と明らかになる。
序盤から終始ハラハラするサスペンス。
とても面白かった‼︎
不安だらけの辛い状況のなかで出来た友情が救いとなり友の言葉が沁みる。
自分らしく生きようと力強く勇気ある行動に大変励まされた。
いい作品に出会えた。
Posted by ブクログ
読み終わって、そう、後書きまですべて読み終わっても、どきどきする本にたまに出合うことがあります。
わたしにとって『プエルトリコ行き477便』はそういう本でした。
登場人物はふたり。
ひとりは上流階級に嫁ぎもうすぐ上院議員に立候補しようとしている夫に虐待されているクレア。
もうひとりは薬の売人をしてひとりでひっそりと生きているエヴァ。
ふたりの視点で交互にものがたりは進んでいきます。
クレアの視点は現在進行形でクレアの語り。
エヴァの視点は三人称でプエルトリコ行き477便に搭乗することになるまでの状況がえがかれている。
過去と現在が語られることで相乗効果ってめちゃくちゃ上がることもあるんだな。
過去回想は書き方としてよくないし損しているって前に言われたことがあるのです。
過去回想でも回想でなく、進行形で書けばそんなことはちっとも気にならないんだと分かったのは良かった。
クレア視点で語られるとクレアに肩入れしたくなるけど、私が好感を持ったのはエヴァと隣に引っ越してきたリズの関係でした。
読み終わった今も、ふたりのことを考えると胸が熱くなるし、涙が出そうになります。
単なる友情ってたぶんどこにでもあると思う。
エヴァは薬物依存症の母親と、その面倒を見るために孫のことを見れないと祖父母に捨てられた過去があり、複雑な環境で生きてきたから誰にも頼らず誰にも心を開くことができずにいた。
そんなエヴァのことを友だちだと言ってくれた年上のリズのことをわたしも好きにならずにいられない。
本当の友だちはたぶん全然年齢とか境遇とか関係ないんです。
もちろん、友だちが必要かどうかは自分で決めていいし、ひとりで強く生きていけるのはとってもいいことだとは思うけれど、クレアみたいに誰かが助けてくれる場合もあるかもしれない。
エヴァがリズに会わなかったらきっとあんな風にしなかったとは思ったけど、エヴァは最後の最後で自分の判断をしたけれどそれでもひとりぼっちではなかったって思えたんだとわたしは思いたい。
エヴァは間違ってなかったって言ってあげたい。
クレアはエヴァのことをきっと忘れないし、リズもずっと友だちだから。
泣きそうです、本当に。
あと、著者インタビューもとてもいいのです。
たくさんの人に読んでほしい本です。
Posted by ブクログ
思わぬ拾い物という印象が強い一作である。まだこれが二作目という新人女流作家には、目のつけどころの良さと、ストーリーテラーとしての稀有な才能を感じさせられる。邦題は原題の直訳ではないけれど、なかなか洒落た納得のゆくタイトルであることが、本書を読み始めればわかって頂けると思う。
本書を読み始めると、まずページを繰る手が止まらなくなる。クレアとエヴァという二人の境遇の異なる女性が出会うのは、ニューヨーク、ジョン・F・ケネディ空港。しかも小見出しによれば「墜落事故当日」。え?
二人の女性が航空券を交換するシーンがこの小説のスタート地点だ。見ず知らずの他人同士として、初めて出会った女性二人が、空港という人生の交差点で、これまでの捨て去りたい人生を互いに交換する。そんな運命と、その裏に窺える二人の追いつめられた人生こそが、小説の序章である。
墜落当日から始まるクレアの物語。そして、墜落当日の6か月前から現在へと回想されるエヴァの物語。二つの物語の進行で本書は構成されている。
クレアは、財団の理事である夫の隠れた家庭内暴力に苦しめられ、そこから逃げ出したい。エヴァは、親に捨てられた孤児として育ち、現在は違法ドラッグ製造に関わっているが、組織から逃走して別の人生に逃げ込みたい。クレアとエヴァが航空券を交換することにより、本当に実際に交換したものは何であったのか?
二人の乗り換えた飛行機の一つ、エヴァが最終的に手にしたプエルトリコ行き477便は、その日、出発後間もなく墜落し、海の藻屑と消える。エヴァはこれに乗り込まずに済んだかに見える。そしてふたりの時系列も場所も異なる二つの物語がそれぞれ一人称の物語として進むことによって、運命のそれぞれの行方が次第に明らかになり、それとともに訪れる結末が想像できぬまま、ぼくらはこの作品を追い続ける以外何もできなくなる。
何よりこうしたアイディア、そして構成が、この作品の肝なのである。先が読めない展開も去ることながら、男たちからの支配、暴力、悪意、利用などをダイレクトに身に受ける存在としての二人のヒロインの物語が残酷で、彼女らの未来を彼女らの力で取り戻すプロセスと、そして訪れるべき幸せな結果を読者は望むことになる。
人生の残酷さをこれでもかと受けてきた女性たちの行方は、最後にはどうなるのか? そうしたプロットを主軸にしつつ、エヴァの隣人であるリズの存在が次第に強くなる。彼女が傾ける無償の優しさが、徐々に明らかになるように見える。それは罠なのか、それとも真に無償の救いなのか? 思わぬ展開と人間関係の妙という力学も働きつつ、終盤に待ち受ける意外などんでん返しの連続技が圧巻である。面白さと物語の内容の深さという両輪を兼ね備えた、重たくも推進力を感じさせる作品なのである。
この素晴らしい作品は翻訳ミステリー読書会関係者の皆様よりご紹介頂いた。いつもながらただただ感謝である。
Posted by ブクログ
その場から脱出したい女性がふたり。片方は夫からの凄まじい虐待に遭い、もう片方は犯罪がらみのやばい状況。空港でばったり会って航空券を交換したら現状から抜け出せるのか。
どうか無事に逃げられますようにとひたすら願う。一時逃げられたとしても、その後の生活に不安を抱くようでは駄目。とにかく完全に振り切ってと。
臨場感が凄い。歳を取るにつれて片仮名の名前が頭に入りにくくなっているため(笑)、海外ミステリーは年に数冊しか読まなくなっていましたが、こんな作品を読むと俄然もっと読みたくなる。
冒頭に「勇気を持って自らのために声をあげたすべての女性に捧げます」とあります。見てくれている人、助けてくれる人は、きっといる。
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