【感想・ネタバレ】悪い言語哲学入門のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

虫や獣に例える悪口はランクづけのために行うというのはなるほどなぁと思った
タイトル自体がいろいろ分岐できるようにしてあるのは面白い

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2022年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一般の人の声(偏見というかほぼ私)、筆者の声、ナレーション(私の声)の3視点構成で解説してみようと思う。

一言でいうと、悪い言語=悪口について言語哲学的に考えてみましょう!という本。
まずタイトルからして、一般の人から突っ込みが入る。

一般の人「でたでた専門用語。『言語哲学』とか分けわからんこと言っちゃって。学者さんは、簡単なことでも無理に小難しくしちゃうから困っちゃうよ。私たち、日本語普段から使ってるし、日本語の専門家みたいなもんでしょ。悪口についても、言語哲学?なんか学ばなくても理解できてるし。」

著者「では、聞きますが、そもそも悪口って、いったい何ですか?」

一般の人「簡単簡単、悪口=人を傷つける言葉でしょ?」

筆者「確かに間違ってはいないですが、不十分です。『人を傷つける言葉』であることは、『悪口』であることの必要条件ではないし、十分条件でもありません。」

〇人を傷つける言葉 ↚ 悪口
まず、『人を傷つける言葉』であることは、『悪口』であることの、必要条件ではないということ。日常語に言い換えると、『悪口』がいつも必ず『人傷つける言葉』ではないということを、一般的な感覚で捉えるために、次の例え話を紹介している。尚、これはあくまで理解を促進することだけを目的とした「お話し」に過ぎず、結論の正当性を強化する根拠ではないことに注意したい。この「お話し」を、根拠だと勘違いして反論することはいくらでもできる。しかしそんなことをしても得られるものは何もなく、時間を無駄にするだけなのでやめよう。

例え話:メンタル最強浅草さん
浅草さんはどんな悪口を言っても絶対に傷つかない人です。そんな彼のもとに、性格が悪いAさんがやってきて、言いたいこと(お前は下の下の人間だ。死んだ方がよい。生きてる価値なし。自殺しちゃえ、などなど)を好き勝手にいいます。しかし、浅草さんは全く傷つきませんでした。

筆者:「この場合、Aさんが言ったことは、浅草さんを傷つけていません。『人を傷つける言葉』が『悪口』の必要条件であれば、Aさんが言ったことは、悪口ではない、ということになります。しかし、みなさんの大半はそう思わないはずです。つまり一般の感覚的な理解においても、『人を傷つける言葉』であることは、『悪口』であることの、必要条件ではないのです。」

〇人を傷つける言葉 ↛ 悪口
次に、『人を傷つける言葉』であることは、『悪口』であることの、十分条件ではないということ。日常語に言い換えると、『人傷つける言葉』がいつも必ず『悪口』ではないということを、一般的な感覚で捉えるために、次の例え話を紹介する(著者のが微妙だったので自作)。

例え話:可愛い恐怖症のウサギちゃん
ウサギちゃんは、可愛いという単語を聞くとトラウマを連想して必ず傷ついてしまいます。そんなことを知らないBさんがウサギちゃんの容姿を褒めようと「可愛いね!」と言いました。その言葉に傷ついたウサギちゃんは、泣き出してしまいました。

筆者「この場合、Bさんが言ったことは、ウサギちゃんを傷つけました。『人を傷つける言葉』であることは、『悪口』であることの、十分条件だとすると、Bさんの言った『可愛い!』は悪口だということになります。しかし、みなさんそうはおもいませんよね。なので、感覚的にも『人を傷つける言葉』であることは、『悪口』であることの、十分条件ではないのです」

筆者「以上より、『人を傷つける言葉』であることは、『悪口』であることの必要条件ではないし、十分条件でもない、ということに納得して頂けましたでしょうか。納得といっても、あくまで感覚的な範囲内での話ですが。」

一般の人「ふんわりとは分かったけど、じゃあどうすんだよ? 何が悪口の必要十分条件なのか、どうやって見分ければいいんだよ?」

筆者「言語哲学という道具を使えばいいのです。悪口について考えるとき、まずは言葉の中身がどうゆう構造になっているのか、考える必要があります。その時に、役に立つ道具が『言語学』です。次に、なぜその構造だと悪いのか、も考える必要があります。その時に役に立つ道具が『哲学』です。だから、悪口について考える時には、言語学と哲学をくっつけた『言語哲学』という道具を使うことが有効です。」

以上が一章までの内容。

しかし、道具を使うためには、その道具に対して、仕様や使い方を知っておく必要がある。その道具(言語哲学)について、実践を交えて浅く広く解説しているのが、二章―八章(予測)。この部分に関しては専門的な話が多く、整理も理解もできてないので省略(理解でき次第追記する予定)。

終わり部分を先に書いておく。

筆者の結論「『平等の理念上あるべきでない、序列関係、上下関係を作り出したり、維持したりする機能(構造?)をもつ言葉』であることが、『悪口』の必要十分条件である。」

しかし、本書の最も大事なことは、上の筆者の結論に納得することではない。大事なポイントは以下の2点。
①本書で学んだ言語哲学という道具を使って、悪口の必要十分条件を自分の言葉で、設定できること。

②①で設定した、条件を基準に、実生活で悪口かどうか疑わしい事例について、判断できるようになること。具体例としては、アスカがシンジに言い放った「あんたバカぁ?」は悪口なのか、悪口じゃないのか。また、最近三男である私が母に言われた「三男は長女より下」は悪口なのか、どうなのか、などなど。

感想
まだ軽くしか読んでないが、全く興味がなかった言語哲学に興味がわいてくる、面白い本だった。もっと言語哲学を学びたい人向けの、ブックガイドもついているので、入門書として当たりなのでは。

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2022年04月12日

Posted by ブクログ

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言語哲学を通してヘイトスピーチがなぜ悪いのかを説く本。
言語哲学の話と悪口の話をしながらヘイトスピーチの問題に収斂していく。
言語哲学なら言語哲学、罵詈雑言なら罵詈雑言の本、ヘイトスピーチならそのヘイトスピーチの現象や経緯と焦点を絞って一冊にしてくれたらわかりやすかったと思う。
言語哲学が専門なせいでしょうが、悪口の分析のあと、言語の話になり、そしてヘイトスピーチの話になり、あまり展開に一貫性がないように感じられました。
 それでも1章、1章独立して読めばそれなりに面白い話ではありました。
 ヘイトスピーチはよくないと私も思いますが、ヘイトスピーチをおこなう人はそれなりにヘイトスピーチをするに至った悲しい社会的抑圧を感じているのだと想像しています。その抑圧をいかに取り除くかあるいは抑圧と共存しながらヘイトスピーチをしないようにどうもっていくか社会的課題としてわたしたちに突きつけられていると思っています。
 その考えると、言語運用上ヘイトスピーチは社会的に害だと分析されても、問題の解決には遠いようにか思うのです。
 数学の勉強はそこそこしてきましたがフレーゲは知りませんでした。

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2022年06月01日

Posted by ブクログ

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タイトル勝ち。悪口の言語哲学じゃ売れないよね。基礎概念を一通り追っかけることができる。ダークサイドというほどダークかというと、そこはそれ。よくできた入門書。これ読んでから教科書読むとか、そういう感じ。

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2022年03月23日

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