【感想・ネタバレ】夜が明けるのレビュー

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ネタバレ

登場する「俺」は自分自身だと感じた。そして作者も同様に「俺」と同じことを感じているのかな?と思った。結末はモヤモヤしている。答えや導きはない。この先どうなっていくのか。誰もわからない。

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2024年04月27日

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信じるって強いけど弱い。そんな裏腹な生き方を私たちもしているんだろうな。登場人物がその生き方を極端に生きている。
違う世界の様で、すごく近い世界。
キュッと胸が熱くなる物語。

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2024年04月07日

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407ページ
1850円
6月9日〜6月11日

高校で出会ったアキにマケライネンのことを教えた俺とアキとの物語。俺は突然父親を失い、奨学金を得て国立大学へ進学する。卒業後はテレビ業界に就職するが、その過酷な労働環境のため次第に俺の心は壊れていく。アキは劇団に入り、家族と称する仲間を得るが、大事に思っている人に恐れられ、逃げるように暮らす。

2人の青春を描いた物語だけど、赤裸々で苦しくて、追いたてられ、切羽詰まっていく感じが苦しかった。なかなか読み進められないと感じたけれど、早く先が読みたくて、何とも不思議な感じがした。実際の事件や出来事、マケライネンなどの実在の人
物が描かれていることが、現実の日常を描いているような効果をもたらしていた。

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2024年04月04日

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夜は明けるんだろうか。

文字から痛みを感じ続けた。
著者はこの苦しみを文字に文章にしながら
どんな日々を送ったのだろう

願わくば
境遇という言葉で片付けさせない朝が来てほしい

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2024年03月29日

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現代の大人版キッズリターン!!
更にハード。
一生懸命、ただ一生懸命に生きたかった。
読んでいて苦しくなる。熱くなる。切なくなる。やりきれない。
こーすればいいのに誰かに頼ればいいのに、そう思うんだけど、そうは出来ないんだよね。
2人がとても愛おしくなった。

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2024年03月26日

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余りに重たい現実が粛々と書き連らねており、ともすれば読む事が辛いかも知れないが、ラストに僅かばかりの光がさす事で、確かに希望は存在すると思わせてくれた。
一日本人として、いつか「夜が明ける」事を祈らずにはいられない。

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2024年03月13日

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2人の男の人生の話。なんだけど、それだけではなくて、社会問題、特に貧困と労働についての強い強いメッセージが伝わってきた。

全体的には重いし、その重さのまま淡々と進むから、読み進めるのがしんどい時も正直ある。でも、それだけ私たちに、忘れてはいけないこと、考えることを放棄してはいけないと、叫びに近いエネルギーを感じた。

自己責任論が蔓延する日本だけど、ひとつの解決策は、「助けを求めよ。」
制度はあるから、使え。使っていい。
そして、自分なら大丈夫、じゃない。誰だって、心を病む可能性も働けなくなる可能性も有している。頼って良い。1人で解決しようと抱え込まなくていい。家族に頼れなくても、そういう団体なり行政の制度がある。

でも、そういう考えに至ることが出来るのも、はたまた私が健康に働けて、一人暮らしもできて、この長い本を読む余裕も環境もあるってこと自体が、当たり前ではない。その恵まれている事実と罪悪感への折り合いをどう付けたら良いか、、私はまだ模索してます。

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2024年03月02日

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夜が明けるか… 。西さんの書く物語は、みんな息をしていて、存在してる。暖かな部屋でお腹を満たしながら本を読むことのできる私が、軽々しく感想を書けるような気持ちになれない読後感。ただただ彼らに心震えるような美しい夜明けを。

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2024年02月04日

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貧困、虐待、母子家庭、ネグレスト…でも若さで「あんべたくまぁ!」と吹き飛ばす力があったのに、社会に出てからのパワハラ、血を吐くまでの労働、居場所を失う役者。ほんとに読んでて苦しくなった。
でも夜が明けるんだと読み続けた。果たして…。

ご多分に漏れず、アキ・マケライネンを検索してしまった。
居なかったが、作者の細かいディテール描写のお陰でありありと想像できた。西加奈子はそういうのほんとにうまいなあ。

ADさんに対する見方が変わった。
そして、遠峰と森、女性は強かった。

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2024年04月30日

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本を閉じることが出来なかった。そう言う場合、大抵「面白かったー!!」って感想に繋がるんだけど、この本は全然違う。面白いかどうかという軸にない気がする。

苦しくて、臭くて、汚くて、醜くて、目を背けたいような何かを、ずっとみている気持ちになった。
それなのに、読み続けるしかない、本を閉じることが出来ない、これはどうしたことだろう。

世界は悪意に満ちていて、絶望しかないように見えて、でも優しさや美しさがあって、とっても複雑。
そんなことわかっていたはずだけど、そんなことを思った。
どちらを見るかは、自分で決めるしかないけど、この本を読んで、もし汚いものや悪意に満ちたものしか見えなくなってしまったら、そんな世界から助けてくれるのは、人だと思ったんだよね。

助けての一言を言ってはダメだと勘違いしていること、私にもあるなあ。
それで苦しくなることもあるなあ。
目を背けたくなるのは、私の中にもそんなところがあったからなのかなあ。

主人公たちが30代前半ってことにビビります。もう45過ぎてるかと思ったわ……なんて過酷な……
でもふと思えば、20代後半くらいに、もがき苦しんでいた子達がいた気がする。私も苦しかった気がする。

真ん中くらいまで我慢してたけど、モノマネバー(?)で働くようになった頃に、アキ・マケライオンを検索しました……実在しなかったとは……!

ただ一つだけ気になったこと。
この本の主人公たちと完全に同世代なんだけど、
アキが高校生の時に福祉課に行ったら「スマートフォンをずっと弄んでる若い女」がいたそうだけど、当時はスマホはまだ無かった…。
あの頃はPHSで、5和音とかの着信音で、短いメッセージのやり取りだけだったと思う。ネットも携帯からじゃ満足に見れなかったはず…(たしか)

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2024年05月26日

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正直なことを言うと、終始本当にしんどくて、早く読み切りたいと思いながら読んでいました。読んでも読んでも、どこまで進んでも光が見えてこない。ずっと闇の中にいるような感覚で、ずっと昔から社会が見て見ぬ振りをしてきたありとあらゆる問題を詰め込んだかのような作品でした。
なんて感想を書けばわからないですが、この作品を読んでリアルを感じ、問題に少しでも関心を持つこと、そういう場面に会うことがあれば自分がどうするのか手段を持つために、少しでも解決するために考え続けそれを続ける。おかしいと思うことにしっかりとNO!ということ。そしてそれをしている自分の力が社会の中で微力であっても、良くなっていくために必要だと自分自身を信じること。そんなことを考えました。子どもたちにも伝えていかなければならないことだし、大切な子どもたちが大人になった時にこんな社会でないように、私たち大人が変わっていくことが必要です。
どんな感想を持つかは人それぞれ。だけど、たくさんの人に読んでほしい作品です。

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2024年04月28日

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苦しくて、苦しいという言葉の選択が合っているのかもわからなかった。読んでいる間も息苦しさが心の中心にある、酸素が周りからなくなっていくように感じ続ける物語でした。頑張っても頑張っても、希望を持って未来へ進んでいきたいのにそうはならない、もう限界だと破茶滅茶に投げ出せば良いのに、もっと辛いから投げ出せばいいのに、その選択肢をも思いつかないのかと。歯を食いしばりすぎて奥歯から歯が砕け落ちていくようなストーリー。

森ちゃんが会いに来てくれて本当によかった。やっと息が吸えました。

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2024年04月05日

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読んでる間ただただしんどくて、それこそこの本を読み終わった時夜は明けるのか、と思うほどだった。
結果読み終わって私の中の夜は明けなかった。
でもとにかく大変な時は助けを求めようと思った。あと無理するのもやめようと思った。そしてこういう苦しんでる人たちが現実にもいることを忘れないようにしようとも思った。まだまだ社会経験のない私には理解するには難しい内容だったが雰囲気を読み取るだけでも大変考えさせられ勉強になる内容だった。

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2024年03月04日

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お互いに大きな存在となった、ある2人の男のそれぞれの人生の話。
主な話はそこだけれども、その中に社会の実態を描き、そしてこれからの社会を見つめてもいる。

一つ大きな事件や事故が起こるわけではなく、それぞれの登場人物の生活を淡々と、でもしっかりと書かれている。だから、それなりにしんどい。
知らず知らずのうちに私たちは分かりやすさを多くのものに求めているのかもしれない。
そして、自分についての語りを長い尺でする場面がいくつかあるけど、そこを夢中になって読めた。

虐待、生活保護、ハラスメント、◯◯蔑視、SNS、自己責任。
確かに見つめるのはしんどいと思う事実が、どうしたって社会には存在してるけれど、私たちは社会生活を送る限り見つめなければならないと思う。
寄り添うとかそういうことではなくて、まずきちんと事実を見ようとすること。自分の頭で考えること。
最後のページでそれを1番感じた。

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2024年02月21日

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西さん2冊目。
「i」のときにも思ったけれど、目を背けたくなるような感情に正面から向かっていく作家さんだと感じた。
ひとつひとつの作品に込められたエネルギーが途方もないので、読むこちらも相当の覚悟と体力を要する。
小手先で読んで良いものではないと思った。

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2024年02月20日

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膿も出しきれないしおいしい思いはするが責任は取らない、そもそも聞いた事に答えない。
果たして夜は明けるのだろうか?

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2024年02月17日

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ネタバレ

「夜が明ける」というタイトルだけに、最後には明るく清々しく終われることを期待したが、そんなに簡単な物語ではなかった。読み終えても、夜は明けない。ただ、いくつかの兆しや希望はあった。理不尽に蓋をせず、まっすぐに抗う後輩の森の存在や、最後のアキの姿がそれだ。それは、ぼんやりと明るくなる夜明けの姿と重なる。完全に明るくはなっていないが、これから明るくなると信じたいし、明るくするために動いていけという作者のメッセージのように感じた。

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2024年02月05日

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心も身体も⁡
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⁡ってな事で、西加奈子の『夜が明ける』⁡
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⁡色んな人のキャプ読んでて、もっと重い話かなぁと思っていたけど、そこまでズンって重くは来なかったかな。⁡
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⁡アキは際立ってピュアで心苦しい感じも有るけど、アキ本人は最高に幸せに生き抜けたんじゃないかなって⁡
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身体的DVもあるけど、心にもDVっと言うんかメンタルヴァイオレンスって有るんかな?⁡
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みどもん、りともん共にちょっと精神的に疲れてるって話を嫁さんから聞いて心配。⁡
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⁡りともんとは話をして、気持ちを共有出来たんで少しは楽になった様な?感じでちょっと安心したけど、また何か言いたい事あったら気軽に話してねと言ったけど、話してくれるかな?
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⁡みどもんはまだまだ思春期&反抗期でわしには言えないみたい
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⁡みんな色々と悩んで成長して行くから、何とかたくましく、優しく、狡賢く(いい意味で)生きてもらいたいね
⁡⁡
2022年47冊目

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2024年02月03日

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再生と救済。
人生何度でもやり直せばいいし、1人で背負う必要もない。それでも、社会の片隅で声をあげることなく消えていく命のなんと多いことか。そして、見なかったこと聞かなかったことにしてしまう社会。希望を見出せないニュースばかりだけど、それでも夜は明ける。と、信じたい。

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2024年01月20日

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世間的に弱者とされる人にフォーカスして精神の揺れを書いているの、とても西さんらしい。
最後の最後の森の言葉だけで泣きそうになった。現代人に刺さる。

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2023年12月31日

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ネタバレ

圧倒された。作者の怒り、問題提起、何とかしたいという思いの熱量に圧倒されて、細かいことはどうでも良くなってくる。

「俺」と高校の同級生だったアキの過酷な人生が交互に描かれる。虐待、親の自死、ブラック企業、貧困。自己責任というにはあまりにも辛くて理不尽、まじめに働いても貧しさから抜け出せない毎日。

「俺」が働くテレビ業界のパワハラ、セクハラも出てくる。「業界あるあるだから」「こういうものだから」で済まそうとする空気はよく分かる。が、遂にジャニーズ性加害が明らかにされたように、今社会の潮目ははっきりと変わってきたのだと思う。

弁護士の中島さんや同級生の遠峰からの励ましとして「負けるな」「負けないで」の言葉が出てくる。心から相手を思う気持ちだし、たまに「負けないぞ」みたいに自分で自分を鼓舞することだってある。でも、この本を読み終わって、そもそも勝ち負けなんだろうか。何が勝ちなのか、どうして負けちゃダメなのか、などぐるぐると考えてしまった。

読むのが辛くなるような重い描写がえんえんと続き、決して元気をもらえるような小説ではないし、何度も本を閉じてしまいたくなったが、アキが最後にたどり着いた奇跡のような温かい場所、「俺」の再生の兆しが見える終わり方で、ぎりぎり救われる。

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2023年12月13日

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ネタバレ

15歳の時、 高校で「俺」は身長191センチのアキと出会った。
普通の家庭で育った「俺」と、母子家庭でネグレクトされていた「深澤暁」。「深澤暁」に、「お前はアキ・マケライネン(フィンランドの俳優)だよ」と「俺」が言ったことで、運命が変わり、お互いに特別な存在になる。共有できることなんて何一つないのに、互いにかけがえのない存在になっていった。大学卒業後、「俺」はテレビ制作会社に就職し、 アキは劇団に所属する。 しかし、 焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、二人は少しずつ心も身体も壊していく。
思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描きながら、人間の哀しさや弱さ、そして生きていくことの奇跡を描く。

貧困、いじめ、セクハラ、パワハラ、売春、虐待、過重労働、セクハラ。現代の世の中に根深く広がる問題がテーマ。この世界が根性や無知、あるいは「そういうものとしての受容」に支えられていること。そうした人たちに支えれらていることに気が付かず、自己責任を声高に叫ぶ人たちがいること。アキは自分を肯定してくれる所に到達し、主人公もまたありのままの自分を受け入れてもらえる環境に到達する。夜が明ける。このどうしようもない社会に、そんな時が来るのだろうか。

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2023年11月15日

Posted by ブクログ

マスコミの下請け製作会社でADとして働く俺と、15で出逢った深沢暁の物語。
フィンランド映画の名バイプレイヤーの容貌に酷似している深沢をその俳優名アキ マケライネンと渾名した俺、191㎝で異形で吃音の深沢はマケライネンになりきる道を歩もうとする。

2人の道はそれぞれに辛く悲しく重苦しいばかりで救いの無い有り様がズシリと伝わってくるのだけど読む手が止まらない!

終盤になって2人ともに破綻しかない展開かと思いきや.....
にしても夜が明けない事どもへの苛立ちや意気込みやもどかしさ等、終盤に作者が言いたい伝えたいことがちょっと空回りする印象を受けました。力作ですが。

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2024年01月31日

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そこまで暗くない。恐らく、僕がらまだ若くてそこまでの恐怖と絶望を知らないからかもしれない。ただ現時点では、そう思った。
女の子の爪が汚れている理由とガソリンスタンドのバイトの関係性は、なるほどなと思った。知らないことがまだまだあるなと思ったし、その人の背景をなるべく汲み取りながら想う必要があると思った。

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2024年04月21日

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闇落ちしていく主人公を丁寧に描くことで考えされられるが、作者の優しさも自然とあふれている。西加奈子の作品では、さくらという犬の物語がとても好きだが、主題の重さもあり、読後感があまり良くなかった。

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2024年03月12日

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今の私には重すぎる内容でした。作品紹介の「思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長」という一文だけ切り取って、青春ものかなと安易に手に取ってしまった。
読んでいる間にも私の中でいろんな感情が湧いて、読み終わった後と前半、中盤での思いが違うので、以下の通り感じた事を区切って感想を書いてみた。
前半、中盤】
逆境や弱い立場にいる状態から自分を鼓舞して成り上がれるような熱い思いがある人にとっては、中島さんの「社会に負けちゃダメだ。」という言葉は響くのかもしらないと勝手に想像したが、私にはとても辛く生きづらくする言葉に感じた。(時代がそうさせてたのかもしれないが)負けるって何と?少し乱暴に素直に自分の思いを吐き出すなら「勝手にそうやって心の中で選択をしている」と苛立ちを感じてしまった。引きこもりの息子の気持ちを想像すると痛いほどわかる。
【後半】
前半からずっと感じていた心のモヤモヤを森さんが森さんの今伝えられる言葉でそれを代弁してくれた。私もこのところ自分の中で考えていた一つのテーマだなと。「仕事って勝ち負けの世界なのか?」と。
そもそも誰しもが「幸せになりたくない」と思うはずはなく「幸せになりたい」から生きているはずなのに、なぜ便利な世の中にするために、限られた人数で生産性を上げて「自分自身はその便利な世の中を作るための犠牲」になるような社会になってしまうのか。それで便利にはなっているけど、私の肌感覚ではそれで疲弊して、幸せでない人が多いのでは?と思っている。私自身もこの社会の加害者なのかもしれない。だからこそ、森さんのように行動し、その姿勢を見せたあとに真っ直ぐに出た言葉は他人に伝わるのだと感じた。今この社会を変えたいと本当に思って、駅前で演説している人は中にはいると思う。そのような人の言葉は、誠実に社会を変えたいという強い思いを流し聞きしている私でも生きた言葉だなと感じることがある。他人は思っている以上に感覚的に生きた言葉を見極める力があると思う。だから逆もわかってるはずなのに。上部だけの一見良さそうな安易な答えを並べ、自分自身は苦労が見えない経歴を示し、明らかに人生イージーモードのような世襲、地盤が元から用意された人の言葉は、一部の人の心を鷲掴みにしてしまう。それは既得権益で成り立ち、それを自分の意志では手放すことができない状況に産まれながらに追い込まれる。だからその人達も自由のない可哀想な人なのかもしれない。だからこの人たちも加害者であり、被害者である。やはり人が勝ち負けに囚われる限り、どうしても対立の関係ができてしまう。
私も社会を変えたいとまで今は思えないが、目の前にいる誰かが困っているなら助けたいし、私自身も困ったら助けを求められるような環境にすることはできると思う。
私は苦手だが(汗)今大事なのは目の前の人との些細な雑談やコミュニケーションを大事にすることかなと、そうやって「思い」で支え合う輪を少しでも広めていけるように行動したい。今日も職場で疲れてそうな人がいたら声かけしよう。される方が多いが(笑)
ただ、この本を読んでこれからの希望を持てたし、若い世代や著名人の皆が最近ではそう言ったメッセージを発信している。今こそリアルで人と人が助け合い、それを試行錯誤して継続していくことの大切さに皆が気づきはじめたタイミングと私は思う。なかなか社会を変えることは難しいし、その中で皆諦めることもあるが、そういうことに終わりなんてないということを受け入れて、今私が感じている生きた言葉を信じて、日常にある小さな幸せを感じて、生きていきたい今日この頃です。そして強いメッセージを伝えてくれた作者の西加奈子に感謝したい。ありがとうございます。

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2024年02月09日

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辛さ苦しさ貧しさの描写がすごくリアルかつ精密で、自分が体験しているかのようだった。
森さんが良かった。

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2024年02月04日

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虐待にパワハラにブラック企業にてんこ盛りな内容だった。
幼少期から辛い環境にいれば外に出ても辛い方に行ってしまう(察知能力が鈍ったり逃げ出す判断力がない)のは自然なことで昔ならこんな不幸満載にされても現実味がないと感じただろうけど今は腑に落ちる。森さんのような人はいろんな面で救いになる。

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2023年11月28日

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とにかく色んな意味で心が動く物語。
家族ってどこまでもいっても距離の近い他人であると思い知らされる。
仕事をしなければ生きていけない、稼ぐために自分の人生と身体を奪われてくこの世界の残酷さに改めて気づかされた。
芸能界の闇にも少し興味を持った。
救いはどこに?光はどこに?、そんなふうに闇を生きる人達のもがく生き様を読むのは心苦しいものがあったけど、すごく心に残る作品だった。

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2023年11月27日

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ネタバレ

「祈り」という紹介文が相応しい本だったな。まさしく、もう誰も苦しんで死に行くことのないように、という祈りを感じる話だった。
主人公の没落が著しくてつらい。自分はやりたい仕事がない人なので、そこまでしてしがみつかなくてもいいじゃないのと思ってしまった。そういうことじゃないんだろうけど。運とタイミングも左右する世界だから「いつか報われる」を信じて生きるしかないけど、叶わなかった時がつらいね。身体壊して30過ぎから転職するのは大変そう。
ラスト、森さんに全てを担わせすぎだろと思った。そもそも辛い仕事でもピンピンしてる森さんに対して、主人公側に寄り添って読んでたので「チッ」と思ってたから、なんか最後の長文語りまだ読むと「新時代の代弁者として便利に使いすぎだろ」みたいな気がしちゃった。森さんが言いたいことはわかる。良い時代になって欲しいと思うし、私も働きたての頃は特に「後輩たちにとって良い状態でバトンを渡そう」と思っていたけど、実際自分のことで手一杯だし、流してた方が楽だからその環境に迎合しちゃって、結果思想がマッチョになる、という。「そういうもんだから」で納得しておいた方が楽。だけど、森さんみたいな正義の人(これは揶揄ではない)が現れると迎合してやり過ごしてる自分が否定されるようで厳しいよね。なんか、ダラダラと説教されてるような気分になった。最後は。でも変わっていかないといけないのは確かなんだよな。正しいのは森さんなんだけど、"そういう"風土にいる人の中で変わろうと意識できてる人がどれだけいるんだろうなあと思った。苦しい時に誰かを頼った方がいいのは、それはそう。

アキがいた劇団は、まあなんかきな臭いというか……東国さん、客演と恋愛に発展して劇団を潰すって身勝手な……と思ったけど。「やさしくて無知で無能な巨人」というステレオイメージは何が元祖なんだろう。時々挟まるひらがなの日記は俳優のアキの日記だったんだな。フィンランドに行く金はどうやって工面したのか。ウズさんに貰った金?

なんか、昔はそんなこと思わなかったと思うんだけど、最近はこういう現代ネタが主題だと「説教くさいな」と思っちゃう。なんだかなあ。自己責任社会に一石投じたかったのはわかる。なんでもかんでも自分のせいって向きが過剰だからね、最近は……。自分は貧しかったこともないし頼れる人もいるから響かなかったのか、わからないけど、結局最後のシーンと「苦しかったら頼れ」というワードありきの物語だったなら、別に物語として読まず対談とかで主張を読めばそれでよかったな……という気もして。西先生は小説家だから、小説という手段で想いを託したのはわかるんだけど、400ページ読んで森さんに全部言わせて終わるんかい〜みたいな気もして、どことなくうーんだった。

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2023年11月21日

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