あらすじ
「男の考えていることはよくわからない」のか?
「感情の言語化」と「弱さの開示」の先にあるものとは?
劣等感、権力欲、マウンティング、ホモソーシャル、処女信仰、ED、DV etc.
見たくなかった自分と向き合った男たちの、切実な「自分語り」の記録。
どうして、男ってこうなのか、と思い続けた。
そんな私も男なので、思うだけじゃなく、
考えないといけないーー武田砂鉄(ライター)
ホモソ大国、ニッポン。
“何かを勝ち得たり他者に与える存在である”ことでしか、
自分自身を愛せないし、他者からも受け入れてもらえない。
そんな恐怖に縛られた男性たちが、
自分の弱さを許せるようになるための指南書
ーー辻愛沙子(クリエイティブディレクター)
男性たちの率直な語りには、怒りや悲しみ、加害者性や被害者性、競争意識や逃避癖、女性蔑視や男性嫌悪、プレッシャーや特権性、優しさや残酷さ、純粋さやしたたかさ、成熟や未熟、計算や衝動、上から目線や劣等感、反省や自己弁護、視野の狭さや懐の深さ、暴力性や愛情など……実に様々な要素が混在しており、表面がつるつるにコーティングされた「一般男性」という存在の内実が、実は複雑で混沌としたモザイク模様になっていたことがおぼろげながら見えたんじゃないかと思う。(本書より)
感情タグBEST3
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共感できるポイントがいくつもあり、スルスルと読めた。
またDVの当事者問題においては逆に自分と性別が違うからこそ見える世界があって、面白い本だった。
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10人の男性の体験談、人生観が赤裸々に綴られている。
マジョリティなりの苦労、気持ちなど、マイノリティ(シス女性も含む)には理解できない知り得ないことがたくさんあって勉強になった。
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桃山商事の本は好きで何冊も読んでいるが、毎回男性の生きづらさや苦しさ、虚しさ、ズルさなど本音が垣間見れるのが魅力的だと感じる。また清田さんがそれぞれの話を聞いた後に書いている感想にも、多くの男性あるあるが詰まっている。
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前作の「さよなら俺たち」から2年、桃山商事として、女性のみならず男性の悩みにも寄り添い、10人の男性の生き方、生きづらさ、悩み、性癖などを紹介し、正論はかざさず、答えは読者に委ねる著者の優しさが染みる。本書の紹介される男性たちは、医療専門職から見れば、アダルトチルドレン、愛着障害、セックス依存、DVなど、様々な症状となるのかもしれない。事実、自ら医療専門職にアクセスしたことで自己認知つながった男性も紹介される。なかなか自分の悩みを言語化して自認することが難しい男性の一方で、「素直な言語化は気持ちいい」と表現できる男性も。男性として下駄を履かされて生きてきた男性性をふり返り、多様な生き方を模索するきっかけの書としてはどうだろうか。
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すーごく難しいというか、書きにくい話をこういう風に書ける人、少ない。男もつらいけど、女もつらいのよ、という大貫妙子の歌を頭の中でならしながら読む。
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【年代を問わず、生きづらいと感じている男性に読んでほしい】
以前、西井開さんが書いた『「非モテ」からはじめる男性学」を読んだときに、本書の著者清田隆之さんの著書が引かれており、興味をもった。
マジョリティ男性の語りに耳を傾けてみることで、「一般男性」の存在、実像、内実を考えていこうというのが、本書のテーマだと感じた。
読んでみて、「自己開示」って何のかなって考えた。
本書の中に、心療内科に通う男性の話が出てくる。そこで彼は「意識的に自分語りをすることの大切さ」を語る。
この話は、僕の中でもストンと落ちた。
小説や映画では登場人物が、赤裸々に自分の生い立ちや悩みを打ち明ける場面がある。そんな場面に、目が奪われる。
なんでもいいのかな?
自分の思っていることを、そのまま、思いのままに話すことが「自己開示」になるのかな。
それを受け止めてくれる人って、果たして自分の身近にいるのだろうか?
きっと僕も「一般男性」の一人だろう。
本書に出てくる10人の一般男性とは、まったくと言っていいほど似つかわしくない人生を歩んできているが、自己の言語化に、これからはもう少し真剣に向き合ってみようと思った。
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ここまでの感情をしっかり言語化して、受け止めていくのにどれほどの勇気、心をすり減らしたのだろう。
同じように感じる部分もあり、かなりグサグサ刺されながら読み進めた。
何者でもない自分は、マジョリティだからこそ、何も無い、普通の人間なのである。
マジョリティであることをしっかり受け止め、感情を言語化していきたい
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恋バナを聞き集める桃山商事代表の著者が10人の一般男性にインタビューした「ありのまま語り下ろし」本。当初は女性が感じる「男の考えていることがよくわからない」に賛同と理解を示し、企画を立ち上げた様だ。
主に「自分にダメなところがある」「コンプレックスがある」という人たちが登場する。彼らは生い立ちや現状、性格や性癖などを自己分析して自覚し、それをインタビューで自己開示しており、それでも前向きに状況を良くしよう、成長しようと考えて行動して努力している。共感できるもの、リスペクトできるもの、理解できないものもあったが、感情移入しながら読むことができた。
オトコは本能的に、競争とか見栄とか自己顕示とかが絡んで「生きづらさ」を自分で作ってしまっている可能性もあるよなと感じた。
著者があとがきで『自分は子どもの頃から大したことがなかったが「普通」や「ありふれた」といった言葉で認識していてものが、実のところ社会から与えられていた「特権」だった(ジェンダー問題やマイノリティに触れてきた中で感じた)』というニュアンスのことを記載しており、考えさせられた。男性女性ともに参考になるのでは。
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『男らしさと笑い』は自身も学生時代非常に苦労した覚えがあり、当時は何を話してるのかあまり理解できてなかったと思う。
"男らしさ"と"笑い"が密接に結びついてる理由に、まさに話にオチをつけることがその話題に潜む問題を場当たり的に解決してしまう都合の良さがあるからなんだと腹落ち。
皆、自身が持つ悩みや寂しさみたいなものを持っているもののそれを直に晒すのは男らしくない。なので、それを上記のように笑いに変えることにより、消化させることができる。
しかも芸人などを見てもわかるように、"面白さの獲得"はホモソーシャルの序列を決定するうえで重要な武器であるという側面もある。
フェミニズムの考え方を知ったことで、上記のようなホモソーシャルの構造を理解できたことはとても収穫。
他にも「無能がバレる恐怖。権力欲。処女信仰。面白くなりたい。女性への侮蔑と神格化。不妊治療。DVとモラハラ。離婚して父子家庭。マウンティングやマンスプレイニング。」どれも詳しく読んでみるとなにかしら自分にも引っかかる部分があり頭がぐらぐらする。
自分がいかにホモソーシャルど真ん中の考えをもって生きてきたかがよくわかる。序列社会に生きることをやめて自身にとっての価値を見つめることで浄化していきたい。
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10人の市井に生きる男性たちのインタビュー。当たり前だが同じような人生などなくそれぞれ面白い。捉え方は筆者の意図と違うだろうけど個人的には現代社会人男性列伝ともいうべき楽しさがある。特に女性関係が派手な方の話は不謹慎ながら面白かった。もっともインタビューに応じるだけあって問題や悩みはあっても社会的には成功もしくは上手く順応している方々であるので響かない人もいるかもしれない。
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一般男性10人が自分のことを語る本。
正直こういう本はあまり見ないよね
って言うか、
需要があまりないよね、と。
健常者で異性愛者でシスジェンダーな男性は、それだけでマジョリティ。
マジョリティの話なんか聞いても、面白くもなんともない。
…ふつう、そうでしょ?
しかし、
この本はとてもおもしろいかった。
それぞれの人生におけるサラリーマン生活、コミュニケーション、処女信仰、ED、マッチングアプリ、不妊治療、DV、シングルファザー、マウンティングやマンスプレイニングなどについて淡々と語る。
みんな、生きづらさを抱えていて、その生きづらさの根幹は多様なようでいて、実は同じもののような気がして、それはなんだろうか?
と、考え込んでしまった。
一言で言うと、マジョリティに必死でしがみつく悲哀…というか。
男って、がんばって生きてるんだけど、ほんとにキモいんだよな。
どうしてもそのキモさから抜け出せないところが哀しいんだよな、と思いました。
まあ、そのキモさから距離を置けるうらやましい男もいるわけですが…それは例外。
オトコゴコロを知りたい女性に特におすすめ。
幻滅するかもしれないけど。
Posted by ブクログ
一般男性の自分語りのエピソードをまとめた本
「成果」を残すことにこだわる生き方を感じ取ることができる
同じ人間でありながら、男女の関係性の構築の在り方は大きく異なることを理解できた
資本主義社会下で自分が幸せだと思う生き方を知ること、実現することの難しさを感じた
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桃山商事、懐かしい~!という思いで読み始めたのだけど、なかなか斬新な切り口・題材だったので読み終わったときは何とも言えない気持ちになった。
男性が、今までの人生やターニングポイント(よいものも悪いものも)となったエピソードを話していくもの。
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タイトルの「一般男性の話」にひかれて手に取りましたが、目次の最後に小さく
「発言の一部に暴力的、性差別的な表現があるため、フラッシュバックなどの可能性がある方はくれぐれもお気をつけ下さい。」
とあったので、少し構えつつ読みました。
フラッシュバックこそなかったものの、パートによっては読み終わって気持ち悪さというか、怒りとも嘆きともつかない何とも言い難いザラッとした嫌な気持ちになりました。
一見、これまでの行いを省みてこの先の軌道修正をはかろうとしているようにとれるインタビューも「これ、根本的にはそう思ってないんじゃない?」と行間から勝手に感じてしまったりしたのは、私がどこか穿った姿勢で読んでいたからなのか、はたまたそうではないのか…。
毎回清田さんの感想が最後にあり、そこで都度モヤモヤを整理しながら読み進めていった感じです。
「男性は集団内でのポジションを重視する、女性よりもその傾向が強いと感じる」と評した部分と「human being と human doing」の話が印象に残りました。
読後感は決して良くないですが、普段ジェンダーについてほとんど考えてないでいるような自分が「男性性」についてちょっと真剣に考えてみるきっかけになりました。
Posted by ブクログ
10人の「一般男性」の人生や内面についての「自分語り」を集成。「男性性」というテーマが通底している。
「ちょっと「男性性」という視点での解釈が先走っていて、これは本当に男性特有の話なのだろうかと思うところもあったが、「男性性」について考えるよいとっかかりとなる本だと思う。
「男性性」というテーマはさておいても、ほぼ同世代の10人の語りはそれぞれ興味深いものだった。他山の石というか、自分を見つめ直す糧となった。
Posted by ブクログ
「一般男性」へのインタビュー取材を通して男性性(男らしさ)の正体を解き明かそうとした一冊。もちろんトキシック・マスキュリニティ、ホモソーシャル、マチズモといったテーマは決して平易な問題ではないため本書で気持ちいい一発回答を得られるわけではない。それでも多種多様な人選の自分史を読む中で正直全く共感・理解できない人もいれば「ここは自分と重なるな」という人もいる。あなたの抱えるモヤモヤを、同じ悩みを抱える他の誰かが上手く言語化してくれているかもしれない。本書を読んで少し救われる人はきっと多いはず。
Posted by ブクログ
清田さんの最新刊、一般男性10人の自分語りを収録。
正直言って、全然共感できない語りばかりで気分悪くなってしまいました笑。常々男性の不可解行動に悩まされてきたけど、本人の口から解説されても、
なるほどわからん、っていうのが分かった、笑
出てくる人みんな、悩みや失敗を語ってても、根底に「自分大好き&自分は一番」っていう謎の自信が透けて見えて、それが気持ち悪い原因だなと。
いや、自分語りなんだからある程度しょうがないのはわかってる。でもあまりにも他者が軽視されてるっていう印象が、どの語りからもするのが不思議よね。彼女や妻や上司や友達の話が出てきても、なんか薄っぺらいんですよ描写が。
デフォルト設計で、自分と比べて上か下か、みたいな捉え方しかできない悲しい生き物なんだなーっていう感じがしました(言い方ひどい)。
でも何人かはそういうマジョリティ男性の視点に気づいて、修正測ってる感じもあって、それはよかったなと思います。まぁあえてそういう人を選んだんだろうけど。。。
一般男性はこの本読んだらどう感じるんだろう、それは気になるなぁ。みなさんぜひトライしていただきたいです。
Posted by ブクログ
勝つこと/役に立つこと/優位に立つこと/うまくいくことの快感と、それを達成できないことへの恐怖。わたしのなかにある“男性性”が抉り出される気分で読んでいた。
自分が捨ててきたもしくは捨てたいと思っている“それ”に向き合い、言語化していくことでしか楽になれないのだと。
ジェンダーに関する話においては「権利」や「安全」の担保の話としてのみ捉えてしまっていた最近。それだけじゃないよなと思い直す。
Posted by ブクログ
・ホモソ大国、ニッポン。
“何かを勝ち得たり他者に与える存在である"ことでしか、
自分自身を愛せないし、他者からも受け入れてもらえない。
そんな恐怖に縛られた男性たちが、
自分の弱さを許せるようになるための指南書
ーー辻愛沙子(クリエイティブディレクター)
今気がついたけど、これ男性向けの本だったのか。
自分の弱さを許すのは大いに結構だけど、他人(特に女性)に迷惑をかけないでほしい、と最後まで読んでからこの惹句を読んで思いました。
・【目次】
はじめに――「男の考えていることはよくわからない」のか?
「男の考えてることがよくわからない」と女性が言うので男の考えていることをこの本に表してみた、みたいな側面があると思うのだけど、女性がその発言をする時って「男の考え」そのものを知りたいわけじゃなく、まともな対話ができないことを「考えていることがわからない」という言い方をしているんだと思う。そこ全部ひっくるめて、じゃあ男の内面を開示してみたら? という実験的一冊。
・順調なサラリーマン生活と
「無能」がバレる恐怖と自傷的な自慰行為
(進藤涼一さん 40代 インフラ関連企業勤務)
ぶつかり男やったりレスバを仕掛けたり、これ自傷じゃなくて軽犯罪に片足突っ込んでないか…。元カノに「自分が」未練がある、じゃなく「まだ俺のことを好きなんじゃないか」の思考が怖い。
・コミュニケーションが苦手で低身長
劣等感と権力欲から逃れらずに
一発逆転の作家デビューを目指す
(大宮康平さん 30代 介護職アルバイト・作家志望)
なんで好きになった人に彼氏がいるのがわかっていてわざわざ告白するのだろう…。好きな相手に負担かけにいくのって、ただの自己満足。結局怖がらせているしそのことに付いての反省より自分が辛かったが前に来るし。SNSで繋がっているというのも、なんというか、うん…。
・「スペックのかけ算では負けない」
東大生の僕が経験した挫折と恋愛と処女信仰
(有村隼人さん 20代 東京大学学生)
めちゃくちゃプライド高くて自意識過剰で理論武装してて面白かった。話に出てた女性たち、この人が思うほどたぶんそんなにこの人のこと好きじゃない(なかった)よ。A子さんB子さんC子さんは絶対自分のこと好きなはずだし自分さえその気になれたら行けた、と思い込めるのすごいな。最後のD子さんも「彼女が感情的で」とか言ってたけど、仕事が忙しい社会人に学生が「会えない?」とかLINEして「仕事が忙しい」「頻度を減らして」からの「もっとこっちのことを考えて」と返されたら「感情的」っていやいや…感情的なのはお前だろ。男女コンビ芸人の「どんなに女から振られても無理やり捻じ曲げて絶対に自分から振ったことにする男」のネタを思い出した。サイコで怖すぎて笑えなかったネタ。
・売れっ子芸人を目指してM-1に出場
おもしろい男になりたい!
顔もキャラも「普通」だけど
(内田英行さん 30代 お笑い芸人)
自己分析とデータを集めて自分は「普通」だと理解したうえで、そこから売れる芸を作るのって大変だなーと。ネタをやらずにバラエティや〇〇芸人として売っていくことを批判しているけど、それと、本人が憧れていていつかやりたいと夢見ていたウリナリ〇〇部との違いがわからん。ネタやってませんけど…体張ってればいいいのかな。個人的にはウリナリ社交ダンス部が好きでした。そして、今どきネタじゃなく素で「お前らはただのサラリーマン」と謎の選民意識をもって見下している人っているんだな…。観客の結構な割合がサラリーマンだと思うけどその思考でウケるネタを作れるのだろうか。まあ親の財力が続く限りがんばってください。
この項の解説を読んで、お笑いと男社会の相性の良さになるほどなと思いました。
・EDに悩みながら
マッチングアプリで会った複数の女の子と
同時並行でセックスしています
(久保章太郎さん 30代 飲料メーカー勤務)
性欲が行動原理になってる人。近寄りたくない。離婚してもいいので結婚歴が欲しいがために婚活しているらしいが、この人に引っかかる真面目な女性がいないことを祈る。
・「告白したい」「認められたい」「ついオナニーをしてしまう」
年上女性上司への倒錯した感情
(渡辺慎一さん 30代 出版社勤務)
性欲が行動原理になってる人その2。しかも既婚者。ないわー。
・不妊治療で悩んでいる妻の気持ちをちゃんと受け止めたい
でも、このままでは自分が潰れてしまう
(秋山公助さん 20代 建設会社勤務)
意見を言い合ってすり合わせるという行動がめんどくさいので、自分が望んで言いなりになって口をつぐんでいるのを優しさと勘違いしているタイプかな。君の好きにさせて「あげた」というやつ。選択して責任を背負うとこから逃げてるやつ。選択は君に任せるけど結果はふたりで受け止めようと常日頃から公言しているなら違うけど、たぶんこの人はそういうことはしていない。自分が潰れた時に奥さんのせいにしなければいいけど。あとこれだけ流されやすいのに女の子と遊ぶことには積極的なのはなんなんだ。
・妻に暴力を振るって
一番大切にしなければいけない人を
自分自身の手で苦しめてしまった
(猪又康宏さん 40代 医療職)
一番読みやすかった。カウンセリングの中で自分の物語として語り慣れてるんだろうな。暴力という被害を与えた元妻と子供に二度と関わろうとしていないのは、DV加害者としては普通なのだろうがこの並びのなかにいると立派に見えてしまう。いかんいかん。
・離婚して父子家庭だけど子供との時間を大切にして
「人並みの家庭」を目指しています
(中田亮さん 40代 物流系企業勤務)
解説が一番面白かった。浮気された被害者なのはそうだし、カッコつけている部分もあるのかもしれないけど、まあスペックの低い女と妥協で結婚しましてw みたいな語りで、結婚生活が楽しかったわけでもなさそうだし、それで趣味に走ってワンオペ育児押し付けて…ふーん…向こう有責で離婚できてよかったですね(棒)。
・賢い男だと思われたくて
借り物の言葉でマウンティングをしていた僕が
「自分の言葉」を獲得するまで
(吉原卓也さん 20代 外資系IT企業勤務)
これも読みやすかった。ほんと男って(でかい主語)いつでもどこでもマウンティング大好きだな。
・おわりにーー「感情の言語化」と「弱さの開示」の先にあるもの
男社会って、なんでもかんでも「上」を目指して、「下」とみなしたものは踏みつけて馬鹿にして良い、という世界なんだなと。女はなにか突出してもすぐわきまえろとか、女のくせにと言われるので知らない世界だった。あ、女は生まれながらに下なので当然個々の能力に関係なく踏みつけ対象です。
性欲系の人、当たり前のように複数女性と関係をもったり既婚者でもお構いなしだったりするのだけど、それは当然、彼女なり妻なりそれから狙う対象の女性は理解した上でなのだろうか。そうでないのなら余りに多者というものを蔑ろにしているのではないかと引いた。セーブするにしても「自分が既婚者だからダメなのであってフリーなら行けた」という謎の自己肯定感の高さもなんか怖い。どこから来るのその万能感は。そして拒否されると自省するのではなく女性を逆恨みする他責根性もほんと怖い。
Posted by ブクログ
取材に協力してくれる一般人男性をSNSで募り、選ばれた10名に胸の内をあかす話を聞いて淡々と書き起こした作品。筆者はカウンセラーのように話を聞くことに徹したと言っている。読者に共感を求めない、変わった作品だと思う。
Posted by ブクログ
特殊に感じるような人もいて、この方々が「一般男性」なの??か!?と考えさせられた。
それから、あっ!この感じ...わたしが男の人に対してイラっとしたり、何考えてるの?とか何も考えてないでしょ?何故黙る?などなどと思った瞬間のやつだ!と感じる箇所がいくつかあった。
まぁ男性側から見た女性でも似たようなことはあるのだろうなぁ。
Posted by ブクログ
ごく一般的な男性たちが、自身の半生を語る独白集だ。ライトなものから、ヘビーなものまで、人生は十人十色。みんな、何かを背負って生きている。世の中がもっと、男性たちの「辛いときには語ってもいい空気」を醸成できるようになればいい。
Posted by ブクログ
・男性は感情の言語化が苦手
・human beingとhuman doingがある。前者は感情や欲求、価値観や生理的反応など今ここにあるもの、否定しがたく存在しているものがベースとなる人間の在り方、後者は能力やスキル、資格や肩書き、役割や実績など行為によって得たものの総体として捉える在り方。男性はdoingを重視しbeingを軽視しがち。というのはとてもしっくりきた。同時になぜそうなるのかは気になる。幼少期の育てられ方なら今後は変わっていくのかな。
★いろんな男性の語り。女性の本はたくさん読んできたが男性が内面を語る本を読んだことがないと気づき読んだ。まあ素直な男性の心の動きだなと思いながら読めた。社会のプレッシャーに対しストレス抱えながら生きていく中で攻撃的な一面を持ってしまう(ネット叩き等)人の話はこういう人はたくさんいるんだろうなと感じた。beingを軽視していると絶対に歪みが出る気はする。生産性やコスパ重視してアプリでいろんな女性と肉体関係を持てたけど結果虚しい、みたいな人の話は全く共感できないしなぜそうなるのか。多分たくさんの女性と関係を持てる、モテる実績みたいなのが勲章なのかもしれないけど虚しいなら何の意味があるのか?と思ってしまうけどこれは私がbeing重視だからなんだろう。
別に何かを指南する本ではないけど、著者の方がバイアスかからないようにとの配慮からか各インタビューに対する意見やコメントが少なかったし遠回しな言い方が多くもっと踏み込んでくれればいいのにと思った。あと男性って叶わなかった昔の恋愛に固執しすぎるなと思ったけどこれなんで?
Posted by ブクログ
「一般男性」とひとくくりにされる男性たちのリアルな身の上話。
女性に比べて、男性はこういう話をあまりオープンにはしゃべらないのかも、という意味で、ありそうでなかった本。
男性社会も上下関係や友情からの嫉妬なんかでけっこうドロドロしてるとこもあり、あまり女性と変わらない。
(だから、「女社会は、めんどくさい」みたいな固定概念も持たない方がよい)
登場するのは「一般男性」の中でも、こじらせ気味の人が多いのかな……?という印象(笑)。
でもまあ、「一般女性」も中身はいろいろ、というのは同じなんだろう。
著者は男性だが、ジェンダー問題に配慮してくれているので、登場男性の語りとのバランスがとれている。
関係ないけど、装丁のずらっと並んだ「一般男性」のイラストを見て、「バチェロレッテジャパン」の参加男性を思い出した。
あの人たちも、「一般男性」だけど、みな個性的だったなぁ。
Posted by ブクログ
「一般女性」の立場からすると「うるせぇバーーーーカ!!!」って言いたくなるような語りもまあまあ含まれてるんだけど、きっと悩みを打ち明けたときそういう反応されること自体が生きづらさでもあるんだろうなぁと思う。
共感できないし歩み寄るのも難しそうだけど、ちょっとだけ「アンタも大変なのね」って視点が持てるようになった一冊。
Posted by ブクログ
読んでいて、正直気分の良いものではなかった。掲載されている男性は、自分が好きで、自分を語りたい人たちのように思えた。もちろん、人選し、話を引き出した著者の力もあると思う。一般男性といえども、多くを特殊な例と感じた。だから、ここまで語れるし本にできるのかな。
2022,9/25-29