あらすじ
センターバックを見れば、サッカーがわかる。
従来の価値観をひっくり返す、目からウロコの、超画期的戦術論!
風間八宏が「初めて」自身の戦術論を開陳!
・「場所を攻撃するな。人を攻撃しろ」
・センターバックを攻撃する4つの方法
・世界最高のCFレバンドフスキの駆け引き
・ビルドアップのポイントは、相手を「囲む」こと
・「狭い箱」で囲むバルセロナと、「大きい箱」で囲むリバプールの違い
・バイエルンの必勝法は「大きな円」
・メッシはなぜ、試合中に「歩いている」のか
・守備の原則は「止まる・狙う・奪う」
感情タグBEST3
チームとしてゴールを取る方法
チームとしてゴールを取る方法や守備の方法が書かれています
狙い通りのゴールとは?狙い通りの守備とは?を現在の世界のトップチームを戦略ごとに区分けして説明しています
戦術について、理解し始めたころに読むと良いでしょう
Posted by ブクログ
面白い。
目から鱗とは、このこと。
攻めるのはスペースではなく、相手のセンターバックである。
ビルドアップとは、相手を囲むことである。
戦術とは何か。
4-3-3や3-5-2とかのフォーメーション論。あるいは、それよりもう少し一般化した5レーン理論。
その辺りはよく耳にするけれど、風間さんのロジックは、さらに一般化した考え方。そして、それを机上の空論ではなく、現場レベルにまで落とし込めているのが、すごい。
なぜ、あのゴールは生まれたのか。個人では何を、グループでは何を、チームでは何をやったのか。それを、自身の指導してきたフロンターレやグランパスはもちろん、ドルトムントやチェルシーなどの実例を挙げながら説明してくれるので、イメージしやすい。
サッカーの選手や指導者でなくても、読めばサッカー観戦が楽しくなるし、メンター論や組織論としても興味深い。
Posted by ブクログ
サッカーで大事なのは、4-4-2とか4-3-3とかのフォーメーションでは無くて、それ以上に鍵となる個人技術、チーム技術を教えてくれている。
それらが、外国でトレンドになっている理論の真似では無くて、著者自ら考えて発信している事なのが、とても素晴らしい。
フロンターレを常勝チームにした理論的裏付けがこれだったのかと感心した。ぜひ日本全体のサッカーの発展に関わって欲しいです。
Posted by ブクログ
風間八宏さん、本質的で、最も重要なことにしっかりフォーカスされてる。現役のときに、風間さんから学びたかった。。
この本ではサッカーで最も考えるべきこと、やるべきことが分かりやすく書かれていて、なおかつ、共感できる。
雑にまとめると、、
【強いチームや選手が必ずやってること】
・攻撃は、相手の背後をとり、前向きで受ける
・受ける前に周囲を見ておく
・人数関係なく、狙い撃ちの一点突破は可能
・最も重要なところに入る
・全員でパスコースをつくる
・「止める(完全静止)、蹴る」で時間を確保
・クロスはDFを外して、待ち合わせ的
・ボール奪取は、狙いをつけて、足を出す
・同時に2人を見て、あえて空けて狙う
・センターバックは適切なラインコントロール
・自主トレで声をかけて、グループ戦術を磨く
このあたりは、具体例の共有のおかげで、その重要さを強く認識できた。フロンターレの大久保さんの姿勢、メッシの唯一無二ともいえるスキルセット、基本の「止める、蹴る」の効能など、読み応え充分。
個人的な読み返し用メモ↓
・戦術は、個人、グループ、チームがつながって成り立っている。
◎「センターバックを攻撃する」例では、死角に走り込む動きは「個人戦術」、パスのタイミング合わせは「グループ戦術」、パスの待ち合わせ場所を生み出す動きを全員で実現するのが「チーム戦術」
・「止める、蹴る」の正確さが、すべての時間を変える。
・得点の取り方さえ共有できていれば、その他の戦術が粗くても、「最後の答え」を持ってるので、迷わない。
・どうゴールを取るかの方法論が最も重要で、その本質にあたるのは、「センターバックを攻撃する」
◎前向きの選手を数えると、その攻撃がうまくいくかがわかる。
◎センターバックを攻撃するには、
①裏へ飛び出す
②センターバックの背中側に立つ
③ベクトルを出させて、逆をとる
④動きすぎない。背中はとり続ける
⇨下手に動くと、スペースを潰し、得点エリアから遠ざかる
・ビルドアップを成功させる普遍的な方法は、「敵を囲む」ことで、鳥かご、ロンドと呼ばれるボール回しと同じ状態をつくる。
・「敵を囲む」ための基礎として、
①全員がパスコースに顔を出す
②パスを出したらすぐに動き直す
・囲む距離が短い例は、バルサ、シティ、フロンターレ
・大きい距離で囲む例は、リバプール、バイエルン、
・チームごとに得意な距離感がある。サッカーは攻守一体。「自分たちの距離」は攻守同じになる。
・簡単に相手を受け入れてはいけない。下がりすぎると、攻撃に移れなくなる。守備で攻撃のための陣形を保てているか?
◎どんな距離感でも全員でパスコースをつくる
◎相手を囲む⇨センターバックを攻撃する⇨ペナルティエリア内で、フリーでシュートを打つ。これが攻撃の定石。
◎トッププレーヤー、メッシの能力
⇨ボールが来るギリギリまで周りを見ている。
あえて、歩いて狙えなくする。(その間に情報収集)
ボールが出てくる時には必ず受けに入る。
止める、蹴るの基礎技術の高さで時間短縮。
ボールは体から離れない。
パスで相手を狙い撃ちする。全員崩す必要なく、1人を攻略する。パスを出す方向へ目線を送らず、あえてうつむく感じが多い。間接視野で見る。
周りにどんなに敵がいても、攻撃「パスの出し手+受け手」、守備「ロックオンされたDF」の構図で、狙いを定めれば「2対1」に持ち込める。
パスを出して、全速力でゴール前へ侵入する。⇨レバンドフスキやハーランドもそう。
◎ベンゼマ、イブラヒモビッチの能力
⇨クロスのとき、遠いサイドのセンターバックの背中をとる。
・マンチェスターシティはボールの周りで3対1の状況を常に生みだす。
◎バイエルンのクロスは、敵が届かない位置に入れる。味方がどこにいるかが基準じゃない。
・数的不利なんて関係ない。1人でもボールを奪い返す。
◎長谷部誠、遠藤航はブンデスで足を出す選手になった。DFの不可欠な習慣。飛び込むことを恐れない。
・攻撃で「止める、蹴る、運ぶ、受ける、外す」といった原則があるように、守備にも「止まる、狙う、奪う」がある。
・止まるは、自分が動きを止めること。野球のバットを振られた瞬間と同じ。ある方向に動いていると、急に反対方向に移動できない。立ち止まって体勢をセットするとどこへでも移動できる。
・狙うは、相手が選択肢の中から何を選ぶか予想すること。利き足や、クセ、ホットラインなど。
・奪うは、狙いを定めたら、しっかり足を出す。
◎中央の守備は最も複雑だが、ポイントはある。
⇨安易に下がらない。「自分の背後にパスを通させない」。
同時に2人を見る。パスを通されたら嫌なほうに重きをおくのがセオリーだが、あえてコースを空けておいて罠を張るのもアリ。中間に立つこともできるが、あえて片方(ボランチ1)に近づき、もう片方(ボランチ2)を空けておき、パスを出させて狙うのも有効。キックモーションに入った瞬間に動き始める。ドミノが起きないタイミング。相手のビルドアップへ数的同数に持ち込むにはパスコースを消しながらアプローチもアリ。同時に2人見るのは、センターバックが押し上げ、全体をコンパクトにできてこそ。
捨てるのは遠いサイド。
・昔は、「攻撃は広く、守備は狭く」が常識だったが、今後は、「自分たちの距離が、攻守で変わらない」が常識になっていく。
・チームを動かすには、最も上手い中村憲剛を動かす。
◎初めの頃に徹底的に取り組んだのは、「止める、蹴る」。十時の先端にパスの出し手、中央に受け手が入る。中央の受け手は自分がどこにでも蹴れる場所にボールをピタリ止め、体の向きを変えて他方向へパスを出す。トラップは完全に静止させること。蹴る方向を決めて、蹴りやすいように転がすやり方もあるが、それだと自分で決めた方向にしか蹴れない。プレーを途中で変えれない。敵に読まれやすく、守備の勢いを強くしてしまう。
◎バロメーターはシンプルで、ペナルティエリア内でのゴールチャンスを作れているか。
・結局、監督ができることなんて一部に過ぎない。会社の協力がないと、本当にすごいものは実現できない。
・フロンターレの中で最も自主トレをするのが嘉人。納得するまで止めない。
◎ドルトムントに敗れ、ほとんどクロスから。DFが構える前に上げられた。「1.2.3」のリズムが通常なら、「1.2」をさらに縮めた感じ。
⇨それを見た嘉人がチームメイトに「俺の場所を確認しなくていいから、相手DFの背後にクロスを上げてくれ。必ず飛び込む。」と要求し始めた。自主トレの時間になると、サイドの選手に声をかけて、早いタイミングで出す形のクロスを何度も練習していた。
・日本サッカーの育成での問題として、早い段階で才能ある子供を1つのチームに集め過ぎている。
⇨チームの中止に据えられる人数は限られている。
・1つのチームに上手い子供を集めすぎると、自分の力を100出さなくて良くなってしまう。周りが上手いとワンタッチで全部できちゃう。
・高校の段階でもまだ絞らず、「将来の4番打者候補」をいろんなチームに分散させるべき。
・子供たちを大きなグループで考え、ときどき集まって刺激し合う。1番利益を手にするのは選手。
◎「首を振れ」は、見えない選手は、結局、首を振っても見えない。ピッチのどこを意識して見るかの優先順位を持つこと。まずはホットラインの関係の選手を常に見る。視野を絞るとより見えるし、判断も速くなる。最初は体の向きを変えて視野を確保する。「首を振らずに見よう」くらいがちょうどいい。
・1番上手いやつに1番要求する。最高点を更新する。それ以外は勝手に引っ張られる。
・「止める」なんて単純に見えるが、100回やって100回同じ場所における選手はいるか?常に同じ質のボールを蹴れるか?
◎相手のレベルが高くなるほど、プレーに許される時間は短くなる。0.5秒の世界。だからこそ、「止める、蹴る」が大事。
◎一回のタッチでボールをどこにでも蹴れる位置に完全に静止させられると、味方の動き出しへの合図になる。
◎正確さから生まれる速さ。これこそが真のプレースピード。
◎どれだけ周囲を見ておけるか。事前に情報を得て、優先順位を決めておければ、判断が速くなり、ボールを止めてから、蹴るまでの時間を短縮できる。
Posted by ブクログ
プレミアリーグやブンデスの試合を見始めたタイミングで風間さんの戦術解説は面白くわかりやすかった。
選手、チームをピックアップしているので、試合観戦しながらまた読み返したい。
レバンドフスキのゴール前の動きを良く見るようになり凄さがわかった。