【感想・ネタバレ】ルーティーンズのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

優しい。素朴であたたかい本。
日常のほんの小さなことに目を向けて、言語化して、身近な人に共有することの大切さを実感した。

派手な生活は分かりやすく楽しいけれど、際限のない欲求に悩まされることも多くなるだろう。そして、全体として幸せ値マイナスなんてことにもなりかねない。コロナで色んなことが制限されて、SNSの世界が現実かのように錯覚させられる今。必要なのは、目の前のルーティーンをじっくり味わえる時間なのかもしれない。本書には、そんな誰かのルーティーンを一緒に味わえる時間がある。私ももっと近くを見ながら生きてみてもいいんだと改めて感じられた本だった。
著者のファンになった。

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2022年12月31日

Posted by ブクログ

「満ちた」という表現が腑に落ちた。新しく良い音楽に出会っても、自分の中では昔に好きになった音楽で満ちているもんね。
ビョーゲンズではなく、ルーティーンズと対峙するということ。地道で大変だけどこうやって小説になるくらいには日々色々な気付きがある、そこをいちいち面白がれると良いのだな。

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2022年05月13日

Posted by ブクログ

もったいなくてなかなか最後を読めなかったのだけれど、読み終えました。帯の藤井隆さんの言葉がすごくよくわかった。
人にはそれぞれの営みがあり、それは、パンデミック下という非日常でも生きている限りは続くのだ。人は変わらず生き、子供は少しずつ成長する。それらのほんの小さなことごとをつぶさに拾い上げていて、それらがすとんすとんと心のなかに入ってくる。変わるもの、変わらないもの、様々あるが、この小説が終わっても、彼らの、そしてわたしたちの生は続いていくのだ。

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2022年02月20日

Posted by ブクログ

ほぼ無意識で思っていることに気づいて、更に言語化していることにやっぱすごいわと思った。
一番共感したのは、豚バラは豚の肉を「バラバラ」にしただけの肉じゃなかったんだのところ。
コロナでの日常を書いてあるので、何年後に再読したら、その時どう思うんだろう。

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2022年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

長島先生の本はいつも私の思ってることを先に語ってくれる、とは言い過ぎ。
楽しみ方のベクトルが同じ方向を向いているので。

二歳児の育児を夫婦で楽しむ。ゲームも楽しむし、アニメも世相ネタもこのコロナ禍でさえも「ルーティン」として日々を淡々とそして有意義(?)に過ごす。
アベノマスクだったり、保育園の休園ネタも将来、「あ~あんな事もあったよね」と言われるでしょうが、今をリアルに感じる。多少現在とは意識の持ち方が違うけど。
時間がもっと経ってしまったらこの本に書かれていることは過去のことになるのかなあ…

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2021年11月27日

Posted by ブクログ

藤井隆さんの帯文が的確すぎた。
読み始めたら1ページあたりの文字数、本の厚さでどのくらいかで読み終えてしまうのかがわかるわけだが、惜しいんだよ、これわりと早く読み終わってしまう!ということがわかるから。
微細な、というか心のひだとひだの隙間にハマるような、ふんわりと撫でられるような描写と登場人物が感じていることがちょうどいい温度感でわかる。この辺りが抜群にうまいというかセンスなんだろうな、たぶん。長嶋有さんの小説は色気というか情緒がユーモアとともにあるんだと思う。
コロナが蔓延し始めた中での作家と漫画家夫婦とその幼い一人娘の生活を描いている作品だが、結婚もしてないし子供もいない僕にもその生活の温度がちゃんと伝わってくる。
誰かと一緒にいるのもいいのかなとか、結婚したり家族になるのはいいのかも、と長嶋有作品読むとそんなことを思う。他の作家さんだとそう思わない不思議。読んでるときだけ思うんだけど。
長嶋有作品をまだ読んだことない人には『愛のようだ』『パラレル』『夕子ちゃんの近道』がオススメ。

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2021年11月13日

Posted by ブクログ

少しずつコロナに浸食されていく世界の中での日常。
コロナは人それぞれ生活の変化もその捉え方も違っただろうと思う。
その中のひとつ、という感じで
そのあまりの日常さに「あぁ。このご家庭はそうだったんだな」と思う。

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2023年10月17日

Posted by ブクログ

わたしもロレックスの日付が変わる瞬間を見てみたいっていう願いを受け継いじゃった
コロナ禍の異様な世界がちょっと浄化される優しい本

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2023年08月18日

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コロナ禍を振り返って、日常生活から失ってしまったものを洗い出すことができました。心の衣替えとでも言えばいいかしら。無理やり捨てさせられたものを、これから取り戻さなくっちゃ。準備運動になる一冊です。

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2023年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

エッセーのような私小説のような。
文筆業の夫と漫画家の妻保育園に通う娘の3人家族の、コロナ禍の、日常を描く。

保育園が閉まり、公園の遊具が閉鎖され、人とは会えず、マスク越しの顔しか知らない人が増え、誰かを誹謗中傷するニュースやSNSばかりが増える鬱屈した世界、マイルドディストピア。

疫病が収斂しかけると戦争を始めるバカ指導者もいて、少しまた濃さを増してしまったマイルドっぷりだが、それでも彼らも俺たちもこの世界で生きていく。

なら少しでも居心地よく楽しく暮らせばよいよな。

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2022年05月01日

Posted by ブクログ

書き続けます。明日が奈落だとしても。(p158)
コロナ禍で自宅で過ごすことが当たり前となった中で、作家(これは著者の中島さん自身かな?)と漫画家夫婦と2歳の娘との日常生活を描いた一冊(「願いのコリブリ、ロレックス」と「ルーティーンズ」の2編収録の連作短編)。親子3人のホンワカな日常を描いただけの作品だが、サブカル系のコラムニストとしても活躍する著者だけに、「サクラ大戦」とか「プリキュア」といったサブカルネタも散らばっており、それがこの小説を唯一無二なものにしている。コロナ禍で子育てしている人にには共感できる部分が多くあるはず。

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2022年03月07日

Posted by ブクログ

エッセイなのか私小説なのか、コロナ禍での日常、誰かに話すまででもないけれど、という感情の描き方が流石。

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2022年02月12日

Posted by ブクログ

私小説のような面白さ。
って、すべて信じてもいいかしら(笑)

コロナの家族記録が2人の視点で描かれて、コロナがリアルにディストピアとまで表現されたながらも、ほのぼのとした日常もまたあって・・・

しかし、何といってもロレックスのオチがいちばんお気に入り!

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2022年01月26日

Posted by ブクログ

お茶漬けみたいな一冊。さらさらとお手軽にお腹の隅を満たしてくれる。好きなものが共通していると言うのもだけど、お互いが「イヤだ」と思う尺度がかなり被ってそうな点において、似たもの夫婦っていいよなぁと思った。娘さんもさぞ育ちやすかろう。コロナ禍でさまざまな変化がある中でも、日々しっかり前を向いて仕事や育児に励む夫婦像がよく見えてなかなかでした。

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2023年03月26日

Posted by ブクログ

ルーティンの幸せ、それなんだとおもいます。

でもちょっとさいご、ルーティンすぎて、どこに向かうんだろうと思ってよむことになりました。

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2022年02月07日

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コロナ禍の日常を夫婦の交換日記のような体裁で淡々と描く。交換日記の様ではあるが相手の記述を受けて書き進められるわけではないので交換日記ではない。同じ景色を夫婦が全く違うふうに見ているとか、そういうありがちな仕掛けもない。そういうところが”淡々と”の所以なのだが、なんでもないことを書き連ねて一冊読ませてしまうというのは大した技術だと感心した。

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2022年02月07日

Posted by ブクログ

読書開始日:2022年1月15日
読書終了日:2022年2月5日
所感
【願いのコリブリ、ロレックス】
願いっていいなと思った。
人を立ち止まらせるのは願いだ。
人間に対しても、ものに対しても願いを持つ。
願いは人を動かす。
わたしは願いを聞いている。
そして願いには純度がある。
純度の高低が良し悪しに繋がるわけではない。ただ純度が高い願いに憧れることがあるだけだ。
願いの純度とは、その対象に対してのみ願いが働くか、その対象の付帯物へも願いが働くか。
純度の高い願いも持っていたい。
そして願いは自然分裂的に増える生物のようなかたちを帯びることがある。
願いの多様性は面白い
【ルーティーンズ】
子どもをもつ家庭のコロナ禍の過ごし方を書いている。
しかしコロナ禍関わらずの結婚、子育て感が自分にはとても良く感じた。
動揺したりプレッシャーに感じるままに、あえてさせておこう。
今はそうするというだけの、その今の連続だ、結婚や子育てとは


【願いのコリブリ】
感情のディレイ。第三者にそのディレイはない
SNSでの言葉の応酬において研ぎ澄まされてく、即時性のある言葉
過ぎた厚遇
私より若い久美の、旺盛なエナジーの発露
お大尽
センスが満ちた
三人乗り電動自転車=育児のあらゆる修羅と困難を跳ね返すためのパワーと頑丈さで武装した魂
私は「願い」を聞いている
わたしはかつて願いに乗っていて、またこうして願いに乗る
今度大山田君と飲んであげてよ=願い
聞いた側にも願いが残る
自然に願いが分裂して、生物的に増えたような、妙な願いがある
それをしないことについて特にポリシーなんてなかったのだ
願いを持つもの特有の、あの潤んだ目
願いの純度。それ自体か、それ自体に附帯するものも含めてか
人に対してではなく、願いに対して寂しいと思えること。
対象が巡って人か、願いか
【ルーティーンズ】
なにかがすごく出来ないというのは、それをすごくできるのと同じような痛快さがある
二人の人が「良さ」で張り合うとうまくいかないという言い訳も浮かぶ
杜撰
措辞
虚心 
子どもという無駄なエネルギーの塊ども
セカンドのように手に汗を握る
動揺したりプレッシャーに感じるままに、あえてさせておこう。
今はそうするというだけの、その今の連続だ、結婚や子育てとは、

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2022年02月05日

Posted by ブクログ

コロナ直前から一回目の緊急事態宣言くらいまでの長嶋家の暮らしをエッセイでも日記でもなく小説にしてある。
2編入ってるけど、それは一応の区切りで、時間軸はつながっている。

再婚して子供もできて、コロナ禍もなんだか楽しそうで、「奈落」の底のディストピアの私小説のわりに明るい。
状況はあまり変わっていないなりに、2年たった今から見ると新型コロナがピカピカの新型だった頃がもはや懐かしい。「あー、そんな感じだったね」という感じで読んだ。
長嶋節的表現もたっぷり出てくるのだけど、長い作品でもないのに少し長く感じた。

年を取って「センスが衰えた」のではなく「その部分に対する気持ちが満ちた」という表現が、とても印象に残った。

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2022年02月04日

Posted by ブクログ

デビュー20周年の作品。作家の夫と漫画家の妻と小さな娘による日常の家族物語。後半はコロナ禍の日常を描いている。たぶん好みは分れるとは思う。特に盛大な盛り上がりがあるわけではなく、旦那さんと奥さんの視点交互にコロナ禍の日常を描いているだけの話。自分としては好みだけど、起承転結を求める方にはあまりオススメできない。どちらかというとエッセイ本みたいな物語。というか、読んでいて長嶋さんのエッセイか?とつい分類(913(物語)か?914(エッセイ)か?)を確認してしまった。(913でした)とても気楽に読める日常。長嶋さんの時々突飛な文章が面白くてクスクスと笑ってしまう。まさか教育テレビの話の中にジョージ秋山の漫画を持ってくるとは誰が想像できるのか。オタク的な話もあるけどわりとついて行けて自分としては楽しめた。コロナ禍の鬱々とした生活の中でもゆったりと小さな幸せはあるよねと思える1冊。

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2022年01月19日

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