【感想・ネタバレ】新しい「価格」の教科書―――値づけの基本からプライステックの最前線までのレビュー

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知っているようで知らない「価格」という概念について、歴史や消費者行動、経営戦略のエッセンスを交えて解説。筆者はダイナミックプライシングサービス企業の代表というだけあり、実践家の目線が感じられわかりやすい。

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2022年10月24日

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マーケッティングの4Pの価格についての分析と提案。個別の価格交渉から定価の大量消費、そして新たなカスタマイズしたプライシングへの変化を解説。社会や技術の変化を背景に変わる価格について勉強になりました。

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2022年04月13日

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価格の決め方は時代によってどう変わってきたのか、そんなことが知りたくてこの本を手に取った。

価格設定は現在3.0の時代に突入している。
店主と毎回交渉をしていた、個別交渉の時代をプライシング1.0の時代。
その後工場での大量生産が可能になり商品の価格が均一になった、一律価格の時代をプライシング2.0の時代と呼ぶ。(チェーン店が広がった時代)
現在は航空業界のように、変動価格をテクノロジーで再現しているプライシング3.0の時代。

これらの歴史を知ることで
ダイナミックプライシングなどのテクノロジーによる価格設定の重要性が見えてきた。

プライシング(価格を変えること)は、値段のみならず様々な要素(顧客体験、満足度などなど)に影響を与えることも理解できた。

プライシングの変遷と現状、プライステックが浸透した未来のことも纏められており、学ぶことが多かった。

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2022年04月07日

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プライステックの理解になった

あらゆる企業にとって「価格」は直接売上に影響があるものの、手がつけられていなかった分野の一つ

AI、デジタル化に伴い、ダイナミックプライシングの世界へ転換することに、これにより世の中のものあまり、最適化に繋がる

特に食品ロス、エネルギー等様々な分野での活用が期待されるものと理解できた

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2022年03月03日

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ネタバレ

プライステックに至るまでの歴史も触れており、概観できるのはよい。私自身、サブスクにかかわる仕事をしており、参考になった。

資本主義の行き詰まり、転換が指摘されているなかで、こうしたテックがうまく機能すれば、SDGsのような解決策にもつながるかもしれない。

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2022年01月30日

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面白かった!プライシングは買い手の行動変容を促すし、マーケティング戦略の一つだとわかった。筆者が元々広告業ということもあるからか、俯瞰で書いてあってわかりやすい。最近見ているグロービスの動画の交渉術「BATNAとZOPAを理解してwin-winに」というテーマとも重なってた。
プライシングというと、なんとなくビッグデータでダイナミックプライシングを〜と妄想するけれど、実際は現実で試して、フィードバックしてと繰り返す手作業からでも始められるものだった。

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2022年01月10日

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価格は"もったいない"を解決する

ハコビジネスの収益化に必須の考え方である価格設定の基礎を学ぶ。

■概要
最適な価格設定は決して需要そのものを上げるわけではない。あくまで機会損失を少なくすることにある。消費者の「払ってもいい額」を引き上げることで価格(P)の機会損失を、閑散期(時間帯)の廃棄ロスや空運搬を無くすことで量(Q)の機会ロスを少なくする。このQの観点は、価格が調整弁となることで、流行りのサスティナビリティを実現するとも言える。価格が企業にも消費者にも社会にとっても「最適化」を実現するツールになりつつある。

・これは価格3.0(プライステック)のおかげ
価格1.0は個別交渉、2.0は一律価格。3.0は1.0と2.0の良いところを合わせ、マスに対して個別交渉に近い「差別価格」を提供できる点にある。究極にはパーソナライズ、1to1の価格が理想だが、そこまでは達していない

・プライステックは魔法ではない
需要そのものは増えないし、AIと同じで教師データないと機能しない。様々な価格で需要がどう変化したか(失注も含めて)、そのデータの蓄積があって初めてプライステックは有効になる。
データ分析→条件ごとの最適価格の計算→販売システムへの反映、までがツールの機能・役割であり、抽象的な戦略や分析に寄与するデータそのものの収集とその設定は人間の仕事


■感想
これこれ、これを探してた!
価格は重要。Q (量)が増えにくい国内市場では特に価格の機会損失なくしたい。高く買いたい人にどうやって高く売るのか?

エンタメ、スポーツ界でも必須の考え方。(まさに①在庫持てない②時間軸の需要変動大きい③供給量が一定(スタジアム/アリーナキャパ))
ハコビジネスでいかに収益を最大化するか?収益最大化≒成長、さらなるサービス拡充へ…たくさん払ってくださいね、を実現する基礎を得られた。
AIと同じで、人間が頑張るべき領域とテクノロジーの進歩によって何ができるようになったか、が価格の歴史もふまえて理解できた。どうしてもダイナミックプライシングに幻想を抱きがちだったが、良い警鐘になったと思う

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2021年12月21日

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あまり深みのある内容は無かった。
画一的な価格設定で規模を追う時代は終わり、今やフレキシブルに価格を調整して効率的に稼ぐ時代へと変化。価格設定の仕方によって、行動変容を起こす事ができるなど。

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2024年02月25日

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第1章 価格の基本
■まとめ
・あらゆるモノやサービスの売買には必ず価格がつけられている。「価格」とは売り手と買い手の合意によって決めた商品の価値のことであり、「プライシング」はそのプロセスである。
・狭義のプライシングとは、買い手の「払ってもいい額の範囲」と売り手の「売ってもいい額の範囲」が重なる範囲を見極めて、価格を設定することだ。
・「払ってもいい額」は買い手個人の価値観や、その状況によっても揺れ動く、相対的で流動的なものである。商品のコストや売り手の視点から考えたプライシングでは、買い手の「払ってもいい額」やその変化を見落としてしまう場合がある。
・企業だけでなく、個人もプライシングに関わる時代だ。
・プライシングはインセンティブとして、人や企業の行動変容を促す。混雑の解消や、サステナビリティの向上への働きをも期待されている。


第2章 価格の歴史
■まとめ
・価格の歴史は、個別交渉をしていた「価格1.0の時代」、一律価格がつけられる「価格2.0の時代」、変動価格とテクノロジーが採用される「価格3.0の時代」の三つに大分できる。
・商品に値札がつけられて一律価格で売買されるようになったのは1870年頃からである。大量生産とビジネス規模の拡大という背景の中、取引の効率化のために一律価格の商慣習が始まったと考えられる。
・航空業界やホテル業界などサービスの提供キャパシティが固定的で、季節や曜日などでの需要変動の大きいビジネスで収益を高める工夫として、変動価格の採用が1980年頃から始まっていった。
・変動価格のベースとなっているのが「価格差別」という経済学の概念だ。異なるニーズを持つ買い手に対し違った価格をつけて販売することで、より多くの収益を得ることができる。
・2010年頃に米国スポーツ業界でダイナミック・プライシングの導入が始まり、交通やエンターテインメントなど新たな業界でも注目を集めていった。
・価格3.0の時代においては、企業はより機動的で柔軟な戦略やビジネスモデルを有していくことが求められる。
・一方、個人はフットワークを軽く、柔軟なライフスタイルで過ごすほど得ができる。自分の価値観を磨くことで、合理的で自己満足度の高い選択ができる。

第3章 価格3.0を象徴するプライステック
■ダイナミック・プライシングのよくある誤解
・完全自動のAIができ、勝手に良くしてくれる
→状況や戦略は常に変わるため、一度作って終わりにはできない
 マーケティングと同じように、継続した改善や運用が成否を分けていく
・ダイナミック・プライシングで収益がどんどん上がる
→プライシングでできるのは機会損失を減らし、ポテンシャルを引き出すこと
 商品やサービス価値の向上は、ダイナミック・プライシングが浸透する時代においても重要
・既存のデータですぐにモデルを構築できる
→幅広い価格での販売経歴など、さまざまな条件を満たすデータがないとモデル構築は難しい
 データサイエンスだけに依らない戦術アプローチと併用する必要がある




■まとめ
・プライステックとは、プライスとテクノロジーを組み合わせた造語で、その名のとおりプライシングを行うための技術やサービスの総称である。価格を決める主体者やタイミングによって分けられた三つのカテゴリーがある。
・ダイナミック・プライシングは、売り手主導で、主に時間軸での需要変動に対応して行われるプライシングのこと。航空業界、ホテル、観光、交通、Eコマースなどで適用されてきた。
・ブレ・プライシングは、売り手買い手双方が関わり、購入の直前に価格が決まるプライシングのこと。オークションやフリマアプリなどが代表的。
・ポスト・プライシングは、買い手主導で、サービスの体験後にその評価を踏まえて行われるプライシング方法。Pay as you like 方式とも呼ばれ、適切な価格帯がわからない新商品や、多くの人に体験してもらいたい商品などに用いられる。
・新しいプライシングの活用が進んでいるのは、観光、交通などの、①在庫を翌日に持ち越せない②需要が時間軸で変わり、ムラが大きい③供給量が固定的といっ特徴のある業界だ。似た特徴を持つ物流、サービス業、外食などの業界でもこれから進んでいくと考えられる。
・プライステックの広がる背景には、「Eコマース」「電子決済」「データ分析」という三つのテクノロジーの普及がある。


第4章 ビジネスを大きく変えるこれからのプライシング
■まとめ
・プライシングはビジネスにとって重要な三つの要素、「自社」「顧客」「従業員」に大きく影響するキーレバーである。
・企業におけるプライシングは未成熟であることが多いが、組織や技術に投資し、使いこなすことができれば強い優位性になり得る。
・新しいプライシングの成功確率を高めるためには一定のフレームワークがある。複雑度の高いテーマだからこそ、目的を失わないために次のような順序で進めるのがよい。
1.プロジェクトの目的と課題の具体化
2.リサーチの実施、機会損失ポイントの特定
3.解決策仮説の構築と合意
4.プライステック・ツール/システム実装プランの確定
5.ツール/システム実装、運用開始
6.継続的改善や拡張
・プライシングをコミュニケーションと捉え、顧客をセンターに置いて構想することで、有効かつ顧客にも納得感のある価格をつけることができるだろう。売り手の独りよがりや技術偏重のプライシング戦略となってしまうのは防ぐべきだ。

第5章 価格の未来
■まとめ
・注目の集まるデジタル変革の本質はビジネスにダイナミックさをもたらすことであり、プライシングはその中でもインパクトの生まれやすい重要テーマである。
・価格は個人や企業の行動を変え、資源とニーズのマッチングを調整する。うまく活用することができれば、食品ロス、エネルギー消費、商品の廃棄問題などの社会課題解決につながる。
・生活する個人の目線でもメリットが多く、自動車などの渋滞や、電車や店舗の混雑の抑制が期待できる。
・プライシングのダイナミック化をきっかけとし、ビジネスモデルや組織、働き方などもアップデートされ、機動的でムダの最小化された経済を目指すことがこれからの社会ビジョンの一つとなる。
・企業や個人のマインドセットが変わり、私たち一人ひとりの行動が変わっていくことで大きな変化が生まれていく。価格について今までよりも自由な認識を得て、これからの生活や仕事に存分に活用してほしい。

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2023年09月16日

Posted by ブクログ

価格交渉からダイナミックプライスまで、値付けを説明する本。
需要と供給のバランスを予測できるようになったから、できることも増えたのでしょう。

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2022年01月17日

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