【感想・ネタバレ】シグナルのレビュー

大槻はぢめ

父親の浮気、そしてアルコールに溺れる母親。高二の拓にとって、自分の家ほど居心地の悪い場所はない。なんとか家を出ようと、その資金調達のために、拓は体を売る日々を送っていた。たいていはQ2で引っかけた相手と関係を持つのだが、その日待ち合わせ場所に現れた男は、なんと拓の担任の片岡だった。教師と生徒という関係を捨て、その場かぎりの情事に耽った二人のはずが―。

[ブクログ · ★★★☆☆]

初版・2003年8月3日
仲が悪い両親に嫌気がさし、一刻も早く居心地の悪い家を出るため。資金調達として日々体を売る拓。夜の街は開放的で、学校では優等生を演じる拓が、「タク」に戻れる場所でもあった。塾へ行くと偽って、頻繁に街を訪れてはＱ２で引っかけた相手と関係を持つ。その日もＱ２に電話して気に入った相手と待ち合わせたが、そこに現われた男は、なんと担任の片岡だった。お互いに教師と生徒という立場を忘れて、一度だけ関係を持ったはずだったけど…。
イラスト／東谷珪