あらすじ
舞台は教室。プロデューサーは俺。イジメられっ子は、人気者になれるのか~! テレビドラマでも話題になった、あの学校青春小説。六八万部の大ベストセラーの第四一回文藝賞受賞作。
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Posted by ブクログ
ーーー俺はマリ子の優しさを突っぱねると、声を張り上げながら教室に戻っていった。ーーー
舞台は教室。プロデューサーはオレ。イジメられっ子は、果たして人気者になれるのか!?
軽快で一人称の口語調、ライトに読める本だった。内容は“イジメられっ子“を扱っているので深刻になりそうだが、主人公の一人称で進んでいくので暗い雰囲気がほぼ無く読めた。これは主人公の心情が写り込んでいる表現のおかげだと思って分かりやすかった。
自分をプロデュースしている時の修二の『無敵感』が、学生のノリそのもので、学生が読むのに共感しやすそうだし、歳を取った今読むと眩しいなと思って読んだ。
修二のキャラクターは、理想と現実の間を上手く取っていて物語の主人公としてとても面白かった。『あー。こういう人気者だけど一線引いてる奴クラスにいたなぁ。いたかも』みたいな所を突いてると感じた。男子生徒からの憧れの的、みたいな。それでいて、時々胸の内の“孤独感“を滲ませて神視点の読者を掴んでこようとするような。キャラメイクが上手いんだろうなあ。読者ターゲット層がしっかりしてる物語だ。
修二がそんな“憧れ“のキャラクターだから、修二自身の動揺が凄く響いて、弱い所が生々しかった。いい気味だと感じるか、ヒーローの弱い所を見た気持ちになるか……。だけど、ラストのオチがああだから、前者的な効果だったんだろうか。
ラストは結構強引に感じたけど、転生モノが流行っている今、突然やり直し生活が始まるのも普通に受け入れてもいいか。
ストーリーとしても興味深かったし、高校生時代に読んだらやっぱりハマっていたんじゃないかと思うし、作者さんの傾向も気になったし、面白かった。
Posted by ブクログ
2007年11月13日
ドラマとはだいぶ違う話らしい。
私はドラマはしらないけど、この本は好きだった。
野ブタ君が、どんどん人気者になっていくところは、爽快に読めたけど、修二が仲間はずれになるあたりからは、苦しかった。
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「人前で自分を演じる」ということに対する深いテーマを感じる。誰しも決して、日々を本音で生きてはいなくて、他人に合わせて仮面をかぶって、自分というキャラクター(主人公の修二くんの言うところの『着ぐるみ』)を“作る”ことで存在を確立しているわけで。着ぐるみである表向きの自分と、本当の自分との境目は何なのか。完璧な着ぐるみを作って演じて、その中に安住していたから、修二くんはああなるしかなかったのかしら。
本当の自分なんて切り分けられるものじゃないし、演じている自分もまた自分なんだと思うけどな。
Posted by ブクログ
誰にでも相手の欲しい回答を与えながらも、心の中では小馬鹿にし、蔑んでいる。自分にも少しだけ心当たりのある修二の心情は、高校生の男の子が考えていることをそのまま文章に起こしたような言葉で表されていてすごく読みやすかった。
何がきっかけで、何を知られて明日の自分が危ないかなんて誰にも分からない。後半の転落ぶりは目を覆いたくなるような人間の醜悪な面が見えて苦かった。
新たな場所で、またいちから始める。きっかけがきっかけなだけに、この修二の選択を否定したくは無い結末だった。
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修二が転校生として登場するラストシーン。雨の日だが教室には光が差していて、あれは希望に満ちたラストシーンということなのだろうか。新しい学校でまた「桐谷修二」をプロデュースしていく、ということは、これまでの高校生活や人間関係を自身の中でゲームのようにリセットしまったようでゾッとする気持ちにもなるし、一方、心機一転してすやっていこうとする前向きさのようにも感じられる。
マリ子に惹かれていたことに気づいて着ぐるみが脱げそうになっていたのに(から?)、腹を割らないまま転校してしまったのだろうか。そこには進歩がないように感じてしまったのだが……。ともあれ自分をプロデュースするという感覚は、わかる気がするし、悪いことではないと思った
。演じている自分もまた自分なんだし。
20年ほど前の作品で、ドラマ版しか観たことがなくずっと読みたいと思いながら読めずにいたが、もっと早く読めばよかったと思った。会話や心情にも古さを感じず、とても読みやすく文章も面白かった。ぜひ、他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
相手と本気で向き合わなければ、相手も向き合ってくれない。あたりまえなんだけど、多分、自分もできてないと思う。きっかけほんの些細なことで、人生なんてあっという間に変わってしまう。だけど、そこからどうするか。
修二は結局、桐谷修二を演じ続けることを選んだのだ。新しい環境で、もう一度やり直す。今度は素直に、自分に正直に生きよう、じゃなくて、改めて桐谷修二を演じ直すところが、修二らしいのかも。それがいいのかは置いといて。
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白岩玄著。
ドラマとは違い、こっちの方が本質に触れているかな。
地の文が硬すぎてリアリティがないのは著者の狙いか?このあと読んだ西加奈子の方がリアルで『同世代的』?
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ドラマとはまた違ったストーリーで面白かったです。特に面白いなと思ったのは予想外の結末だということです。私もあんな結末になるとは思いませんでした。
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TVはみないので、ドラマは見ていない。
学生の時、自分を変えようとか、誰かを周りをコントロールしようとかしたのを思い出した。
学校にいる間は、その世界が全てで、ちょっとした空気の変調に気付かないと大変な目にあったりする。
うまく波に乗れてるつもりでも本当はそうじゃない。
自分の主観と他人の客観は違う。
修二は結局誰にも心を開くことができず、格好を付け過ぎて自分をも演じ続けて距離を保つことで、その世界や周りとのバランスをとろうとしたのだけど、信太のプロデュースに夢中になり過ぎて、自分のことが疎かになり、ズレが生じ失敗してしまう。
まだ高校生だからか、周りの反応も幼いのか純(単純)だ。
最後は潔いと思う反面、今度はホントの友達を作って欲しいと思った。
修二は本当は偏見のないイイヤツ。
誰でも自分の役割を多少は演じているところがある。
この本は文体が読みやすかった。
Posted by ブクログ
ドラマ化もされたが、原作はドラマと全く異なる話だと思って読んだ方がいい。堀北真希が演じた野ブタも、原作では男だし。
おそらく、連ドラ化するにあたって、原作の内容ではボリュームが足りなかったのだろうと推測。
一見、とっつきやすい文体や内容から学園小説にも見える。
が、自分の属するコミュニティの中で、所謂「空気を読む」という行為によって自らのアイデンティティを確立していく若者たちへ向けて、ニヒリスティックな視点で疑問を呈しているとも解釈できる。学園小説の皮を被っていて、実は社会派小説なのではという気がしている。
多少ラストが釈然としなかったが、そういう解釈をすればある程度納得がいく。
Posted by ブクログ
言わずと知れた、ドラマ化された作品。
ドラマは観たことなかったけど、よんでみました。
友達ってなんだろう?という疑問にヒントを与えてくれる一冊です。
前半、冴えない転校生野ブタを修二がプロデデューすするところは予想通り。
爽快感があって、面白かったです。
修二がどのように「人気者の桐谷修二」になりきっているか、そのテクニックになるほどーと思ってしまいました。
ところが後半から話は思わぬ方向へ。
ラストは、うーん。。
修二は友達と近すぎず遠すぎない関係をずっと目指していくのだろうか・・・?
人気者の自分をプロデデュースし続けていくのだろうか。
それって寂しくないのかなぁ。
本の中では本当の友達を見つけてほしかった。
(ハッピーエンドがすきなの)
でも、私も、私の友達も修二と一緒で都合のよい自分を「プロデュース」してると思う。
それなのに、それが「プロデュース」していることがわかると本当の友達じゃないといわれちゃう。
本当にこの本の通りだと思った。
修二のちょっと冷めた考え方は私とよく似ていて共感できました。
とっつきやすい語り口なので一気に読めます。
これを読んで友達と語り合うのも興味深いかも・・・?
Posted by ブクログ
すごかったー、
作者の白岩玄さんのデビュー作であり、本を書くことにおいては全くの初心者だったらしい
ドラマと違い、彰は出てこず、野ブタは男。
切なく劇的な終わり方。
がんばれ修二
Posted by ブクログ
話のテンポが良くて読みやすかった。
やっぱり上辺だけの人間は化けの皮がはがれるととても弱い。人から本当に心から好かれている人は幸せだと思った。
1度自分が作り上げたキャラクターは、既に自分の一部分となり、そのキャラクターなしでは生きられない。
Posted by ブクログ
ふとしたきっかけでいじめられっ子だった転校生のデブの小谷信太をみんなの人気者としてプロデュースすることになった主人公桐谷修二。彼の計画は成功するのか?軽いノリの笑える青春ストーリーかと思ったのですが、予想外の展開で切なくなりました。熱苦しく重い人間関係はいやた。だけどまったく無視され孤独なのは耐えられない。適度な距離で友情や愛情を確認したい──。そう思っているのは修二だけでは無いはず。軽いノリの文体が今どきの若者の心の中を表しているようで笑ってしまいつつもやはり心からは笑えませんでした。
軽いと見せかけて実は重かったです。
Posted by ブクログ
堀北真希主演のドラマが放送されていたのは私が中学生の時だった。
ドラマが面白くて原作も読んだのだが、10年も前でレビューも書いてないので内容を覚えていなかった。
今になって、本棚の整理のために処分するべきか悩み、再読。
結論としては、処分することにした。
小説は小説で味があるのだが、ドラマの方がおもしろすぎた。
ドラマではいじめられっこの野ブタは堀北真希演じる女子高生だが、小説では太った男だ。
山Pに相当する登場人物も小説にはいない。
主人公の修二はクラスの人気者だがそれは演じているだけ、というのは変わらない。
小説は一人称で進められるが、修二のキャラもあって痛々しい感じ。
始めはなんだかライトノベルを読んでいるような気がした。
余談だが、第一文が「辻ちゃんと加護ちゃんが卒業らしい。」だったことに時代を感じた。
しかし、キャラに慣れてからは、比喩表現がおもしろい。
彼のプロデュースによって人気者になっていく野ブタの様子も気分がいい。
序盤は軽々しい文章も、ある事件をきっかけに重々しく空虚さを増していくのはうまいなと感じた。
でも途中までは面白いのに、やはり結末がすっきりしない。
多分修二はこの先何も変わらないな。
修二の正体に唯一気づいていた様子のマリ子が最後の救いだったはずなのに。
テスト中にこっそり手を振りあうところ、結構好きなシーンだった。
私は単行本を買っていたので、場所をとるんだよな。
単行本はかなり気に入った作品しか残しておかない。
文庫だったらとっておいてもよかったかも。
ドラマをもう一度見たい。
Posted by ブクログ
最初の方はプロデュースが面白くて、次は何してくれるのか、どう信太は人気者になっていくのかと思っていたけれど、春休み、どうして仮面が剥がれちゃったのか、森川事件だけで、あんなに人の評価って変わってしまうのか。うーむ。後半は悲しい展開。なんで、あんなこと言っちゃうの?ってところがいくつか。転校って逃げ道も悪くないけど、信太やマリ子がいたのに、なんであそこまで?って思っちゃうね。
Posted by ブクログ
ドラマはものすごっこくありえない終わり方をした、と風の噂で聞いたのだけれど、原作はそんなものの影も形もなく、普通の終わり方をしました。
え……ちょっと、まって……って思う終わり方ではあったけれども。
でもまぁ、この終わり方だったらちょっと、芥川賞にノミネートされたのも判る気がする……みたいな(苦笑)
個人的には、修二の気持ちがわからなくもないんだけど……。
まぁ、痛いよなー……。
みんなが勝手なんだ(爆)
ドラマとは別物だと思った方がいい。
Posted by ブクログ
ちょっと読後感の悪い小説だ。
読んでいる間は、主人公の修二と一緒になって、へらへらと楽しい気分でいられるが、最後は現実の厳しさをつきつけられた感じがする。
着ぐるみ、なんてとっぱらっちゃえ!
Posted by ブクログ
舞台は高校。
学年一の人気者がいじめられっ子をプロデュースし人気者へ育てる。
最後のオチが転校してプロデュースをやり直すとはね。意外ではあったけど少し安易かなと。そこを乗り越える何かを読みたかった。
Posted by ブクログ
桐谷修二、クラスの人気者。
彼がクラスに与える影響力は絶大で、常にみんなの注目の的をえている修二のクラスに編入してきたのは
デブでキモい、野ブタこと小谷信太だった。
修二はひょんなことから、いじめの標的にされる野ブタをクラスの人気者にしようと、プロデュースをはじめる。
野ブタがクラスの人気者になるにつれて
自分がきぐるみを被って、クラスのみんなを上手におちゃらけて笑わせて、それが演技しているだなんて、誰しもが気づいていないことに周囲を嘲笑っていた結果。
うぬぼれちゃ~いけないってことですよね。
自分が思っている以上にきっと周りの人には自分の思惑を感づかれていることは多いかもしれないね。
しかし窮地に追いやられても素直になれない修二の最後が意味深。。。
修二だった男が新たに冴えない人をプロデュースするのか
それとも今度は自分自身がプロデュースを受ける側になるのか。
って思ったけど単に転校しただけか。。。
桐谷修二という道化師のような仮面をかぶれば
人が誰しもが敏腕なプロデューサーになれるのか、?w
文章が若い子!って感じで高校生のときに読むと面白さ倍増かも)^o^(
Posted by ブクログ
ドラマは正直あまり面白くなさそうだったので1話だけ見て終わってました。今回暇つぶし程度で読みましたがドラマとは全然違うんですね‼︎ノブタが女じゃない‼︎山ピーがやってた役の人がいない‼︎ドラマと同じ内容だと思い込んでいたので、あまりの違いにびっくり。別物として読みました。確かに転校生がノブタのような感じだったら大多数の人がクラスメイトたちと同じような態度を取りますよね。そんなノブタをプロデュースしようなんてなかなか面白い試みだと思います。いい感じでプロデュースが進んでたのに終盤急降下で暗くなりました。やっぱり表面上の付き合いだといつかボロが出るということですかね...最後はえー‼︎となりつつ、自業自得だなーとも思い、あんまりスッキリしないで終わっちゃいました。
h25.10.15
Posted by ブクログ
同名のテレビドラマの原作。
とりあえず、「野ブタ」が男であることに驚いた。
クラスの人気者を演じる修二の弟子になった「野ブタ」が、修二のプロデュースにより変わっていく。
ラストは、テレビドラマより切なさが強い。
Posted by ブクログ
亀梨くん主演のドラマは毎週楽しくみてました。
面白かったので覚えていたら、先日古本屋さんで50円で売られていたので買ってみました。
ドラマは修二と彰のさわやか青春友情物語ってかんじでしたけど、原作はぜんぜん雰囲気が違います・・・
小説や映画、おとぎ話など物語って大体主人公の成長物語を軸にしてる場合が多いと思うんですけど、これは全く主人公が成長しない。しないで終わった・・・
後味の悪い話は好きではないけど、最後まで主人公がスタンスを変えない、変えられないところがリアルな気がするから、この結末があってるんだと思うけど、でも後味悪いです。
大人ならもっと上手くもあり、強くもあり、簡単に乗り越えられるであろう壁が高校生には超えられない。高校生ならではの不安定さ、周囲との関係性の不確かさがうまく出ていると思いました。。
中学生あたりが読むとそのリアルさ故に、ブルーになるかも。。
Posted by ブクログ
面白かったけど正直ラストが衝撃的だった。
表面的かもしれないけれども、あれだけ人気者だった修二が手のひらを返されたように孤独になっていく様子も怖かったけど、何より森川との確執を放り出して転校したのが衝撃だった。
現実的な手段化も知れないけれど、もう少しきちんと向かい合ってほしかった。
修二は転校先の学校でも今までのように人気者の着ぐるみを着続けるのだろうか。きちんと人と向き合って、安らいで幸せに暮らしてくれたらな、と思う。
Posted by ブクログ
ドラマは未見。どうせ修二と彰でしょーっと、これまで避けてきたのが勿体ない、どうしてなかなか面白かった。修二の残念な心情が痛々しくも心地よい。最後の2ページさえなければ……!というところがどうしても悔やまれて、星は0.5差し引いて3.5。
Posted by ブクログ
出版社 / 著者からの内容紹介
舞台は教室。イジメられっ子転校生(キモチ悪いほどおどおどしたデブ)を人気者に すべく、オレはプロデューサーを買って出た! 「『セカチュウ』で泣いてる場合で はない、『野ブタ。』を読んで笑いなさい」と斉藤美奈子氏絶賛、第41回文藝賞受賞 作!「大した才能だよ。期待してるぜ、白岩玄。」(高橋源一郎氏)
Posted by ブクログ
何年か前にドラマになったなあ・・なぜか見てましたなつかし!
本はドラマとちがって山ピー役(浮いてるこだった気が)がいなくて、
あと野ブタが男の子でした。
堀北真希(まきってこれでいいのかな)はデブでもキモくもないから、きっとプロデュースの仕方も全然ちがったんだろうなー覚えてないけど
桐谷修二くんが、自分のプロデュースに失敗、というか
なんか薄っぺらい友情しか得られてなかった、ってのがかわいそうでした。
誰でも仮面かぶったり適当にやったり取り繕ったりしてる面はあるけど、彼の場合はそれが上手すぎたというか、うーん
オチも唖然としたけどこれはこれで面白いというか
でも修復できなかったのかなあとか、そこでリセットしちゃっていいのかなあとか思わなくも、でした
ドラマはたしか3人が熱い友情で結ばれる的な展開だったような気がするけど、本でも野ブタくんと真の友情で・・とかでよかった気もするけど
うーんこのオチはどうなのかな?アリなのかナシなのか・・
彼にはこの失敗(?)を糧に、プロデュースとかじゃなくて、暑すぎず寒すぎずなぬるま湯的な関係じゃなくて
本当に居心地のいい友人関係を作ってほしいなあなんて思いました。
今日は怒涛の15時間睡眠をやり遂げちゃったので、全然眠くないです´ε`