【感想・ネタバレ】アルプスの少女ハイジのレビュー

あらすじ

両親を亡くしたハイジは、アルプスの山小屋で暮らす祖父のもとに預けられる。月の光が差す干し草の寝床、山羊たちとの触れ合いなど、山の生活を満喫するハイジだったが、ある日、足の不自由な令嬢の遊び相手を務めるため、下山して都会の裕福な家に住み込むことに……。これまで世界各国で翻訳され、その総売上部数は5000万部以上というスイス文学の傑作。味わい深いミュンガーの挿画も50点以上収録した完訳版!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

【アニメにはない宗教的なメッセージ】

多くの方に親しまれているアニメ版のハイジは素晴らしい作品です。しかしながら、原作から削られてしまった部分にも、素晴らしい要素が盛り込まれています。それが宗教的な教えの部分です。

原作では、アニメ版以上にクララのおばあさんが重要な役割を果たしています。アルムへ帰りたいハイジに対し、クララのおばあさんが「神さまに何もかもお話しすること」を教えます。

それ以後、神さまに家へ帰れるようにお祈りするハイジですが、祈りはかなわず、お祈りすることをやめてしまいます。そんなハイジに、おばあさんは再び語りかけます。

神さまは、わたしたちが願ったことでも、ためにならないことであれば叶えてくださらない。どんなときでも祈り続ければ、やがてわたしたちにとって一番良いようにしてくださる。

このおばあさんのメッセージを受けたハイジは、再び祈るようになります。そして、ハイジの思想に大きな影響を与えることになります。

後にクララがアルプスを訪れ、歩けるようになった際、自分が長い間アルプスへ帰れなかったからこそ、クララがアルプスを訪れ、歩けるようになったことのだと考えます。つまり、ハイジの「家へ帰りたい」という願いを神さまがすぐに叶えてくださらなかったからこそ、一番良いようになったと悟ったのです。

ハイジやクララだけでなく、ペーターや、おじいさん、お医者さんたちもこの思想によって救われていきます。

この削られてしまった部分こそ、原作の最大のメッセージのように思います。

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2022年10月22日

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