あらすじ
儲かる方法、ここにあります。
【注意】
ここに書かれた方法の数々は「金銭的に儲かるだけ」です。
決してくれぐれも真似だけはしないように……。
パスティーシュの名手が贈る犯罪小説!
人間だもの、やっぱりお金は欲しいんです――。
東隆文、二十八歳、宣伝プロダクション勤務。高級ブランドに身を包み、
ガールフレンドもよりどりみどり。
宣伝マンらしい華やかな暮らしをエンジョイしている――ように見えるが
実は火の車。
なんとかやり過ごしていたが、ついに追い詰められた隆文は一計を案じる……。
「東隆文の窃盗 8,600,000」をはじめ、抱腹絶倒、お金にまつわる八つの人間模様。
$$contents$$
東隆文の窃盗 8,600,000
的場大悟の無限連鎖講 6,700
重松衣子の万引き 3,480
桜田ナオの援助交際 50,000
ミスターXの誘拐 2,800,000
轟政嗣の借金 5,460,000
森本鉄太のおれおれ詐欺 10,000
東隆文の強盗 10,400,000
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
MONEYというタイトルながら、実際はお金にまつわる犯罪またはギリギリグレーゾーンにまつわる、一応は連作短編集なのかな。それぞれのストーリーは独立しているが、場面や登場人物は重なり合ってたりして。
犯罪なので...ということもなかろうが、うまくいったりいかなかったり。スケールもでかかったりセコかったり、バラエティに富んでいる。どの話も違和感なく読めるのは、ことお金が絡むと、人は平常心を失いやすくなる...ということを無意識に理解しているから。
...などと言ったらうがち過ぎか(^ ^;
ご承知の通り、清水義範氏は多作で、一頃けっこう集中して呼んだ時期があった。が、正直、ある程度の量を読むと「飽きる」(^ ^; 「パスティーシュ」などと自称されているように、文体は意識して変えてあるのですが、根底に流れる清水義則イズムというか、決してネガティブな意味だけではないが「保身」「言い訳」が多い「小ずるい頭の良さ」みたいなものが鼻について(^ ^; それからしばらく遠ざかっていたので、久々の清水節。
芸風は変わらず、読めば安定の面白さ(^ ^ ただやはり「計算された逸脱の仕方」みたいなものを感じられて、いわゆる「天才の狂気」みたいなものは感じられない。読むと面白いが、読まなくても平気、みたいな(^ ^; いや小説なんて、大概そうでしょうが(^ ^;
何かくさすつもりはないが、昔追っかけてた分か、辛口な論評になってまうなぁ...(^ ^;