【感想・ネタバレ】さらば国分寺書店のオババ(「椎名誠 旅する文学館」シリーズ)のレビュー

あらすじ

椎名誠が衝撃的なデビューを飾ったスーパーエッセイ。ここから作家椎名誠の伝説が始まった。客を叱りつける古書店のオババとの確執を軸に鉄道業界、警察、甲子園への疑問や怒りをぶつける。その文体と流れ、構成などそれまでのエッセイの常識を破壊した作品が電子書籍になって登場。
本作用に表紙イラストを椎名誠が描き下ろし。巻末には、「対談 椎名誠×目黒考二」「電子書籍版あとがき」「椎名誠の人生年表」を掲載。

<目次>
1 国鉄はいま わしらの眼をまともに見ることができるか
2 日本の“本官”たちはいったい何を話しておるのか
3 死ね! そこいら中の制服関係の皆様
4 うに寿司のジャーナリズム的摂取方法
5 夕陽にむかい背を丸め痛恨のチーズケーキ九六〇円の春
文庫版のためのあとがき
対談 椎名誠×目黒考二
電子書籍版あとがき
椎名誠の人生年表

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

あらゆる飲食物のなかで「ビールが一番好きだ」だが、飲食店で冷やしすぎて、水滴の付いたキリンレモンのコップで出されるビールには反感を持つ、食物ではラーメンが好きだが、これは急いで食うことが必要で、読書と相性が悪い。食べつつ、「国分寺書店のオババはなぜ持ち込んだ段ボール箱を一瞥もせず俺(筆者)を無視したのであろうか」
一見とりとめないが、オババは売りに来た若者に「こんな全集の端本ばかり持ち込んでどうするんだい」と冷遇し、店は見渡してみれば全集の全巻揃いがひしめくというハイクラスインテレクチュアル御用達らしかった。
「制服」というものが嫌いなのは、鉄道乗務員が「乗車券を拝見します」と回ってきて、小銭で乗越運賃を取ることや、公務員が安価な官舎に入居していることにも向けられるが、ときには腕力に訴えても秩序を維持する機能は認めている。

0
2023年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔、学生時代に読んだことがある。
今回懐かしくなって再び買って読んでみました。
昔読んだときは、読む前の「椎名誠」という人のイメージが、ビールをガブガブ飲んで、野生的でオラオラという感じだったのに、いざ読んでみると文章が「〜だもんねだもんね」だったりとか、おまわりさんに対して「あの、エト」とオドオドしちゃうとか、ものすごいイメージとのギャップを感じて、そこがすごくおもしろくて魅力的だった。

今回は、「○○的○○的」と続く文章がちょっとうるさく感じて、読み飛ばしてしまった箇所もあったけど、椎名誠さんが力説してることは「うんうん、なるほどなぁ」といちいちうなずける。
最後には、さんざん批判してた「制服関係の人」のことを、「でも実は、こうなんだよなぁ」ってちょっと認めちゃったりしてるのも、うなずける。
懐かしくなったから、「銀座のカラス」とかも読み返してみようかな。

0
2011年08月12日

「エッセイ・紀行」ランキング